【村上隆】23年末に上海で開催された新作個展の様子をレポート!「727」シリーズの大作も必見
執筆者: smart編集部
村上アートの源流を探ると、2000年の「スーパーフラット宣言」から少しもぶれることなくこのコンセプトで作品作りをしていることが理解できる。スーパーフラットを軸にしつつ、そこに、戦争で原子爆弾を落とされた日本人のアメリカコンプレックスからの大人になり切ることのできない永遠の“リトルボーイ”のび太君、というエッセンスを加えた世界を構築し続けている。そしてまた村上隆自身もそののび太君の一人なのだ。
そうしたぶれないセンターをしっかりとキープ、もちろん基礎から積み上げられた日本美術としてのベースの上に、ローカルチャーとハイカルチャーをフュージョンしたフラットなアート、それこそがいまや世界の現代アートをけん引している村上隆ワールドと言っていいだろう。展覧会にあたり行われたインタビューの中で村上隆は次のように語っている。「30年前に“スーパーフラット”な世界を思い描きましたが、実際、今日のソーシャルメディアを通じて、世界は私が30年前に思い描いたものよりもはるかにフラットになっており、“超スーパーフラット”な世界と呼ぶべきかもしれません」
最近の村上の制作活動は、紙やキャンバス、立体だけにとどまらず、ARやNFTなどデジタルの世界にまで広がっていて、それは新世代の「超スーパーフラット宣言」と呼んでいいかもしれない。
Photography_Mengqi Bao
Text_HISANORI NUKADA
©2023 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved. Courtesy of Perrotin
※この記事は2024年smart2月号に掲載した記事を再編集したもので、記載した情報もその時点のものです。
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