smart Web

連載smartサウナ部

「サウナが流行ったのはサウナには上手い、下手がないから」ととのえ親方&サウナ師匠が紐解く“サウナ―急増の理由” 

執筆者:

「サウナが流行ったのはサウナには上手い、下手がないから」ととのえ親方&サウナ師匠が紐解く“サウナ―急増の理由” 

ととのえ親方 僕ら今まではね、おじさんのものだったサウナを女性にも広めたり、「サウナっておじさんだけのものじゃないよね」っていうのを、おじさん二人で騒いできたんだけど(笑)。

サウナ師匠 今日のイベントの来場者、女性の若い子ばっかりだったでしょ。あの光景を見たら、(ととのえ)親方喜ぶだろうなって思ったんだけど(笑)。

ととのえ親方 次のサウナ文化を作ることに貢献しつつ、大輔(サウナ師匠)が言ったように、面白いものも作っていきつつっていうのができたらいいよね。

編集部 サウナが各家庭に一つ。本当にそういう時代が来てほしいですね。

サウナ師匠 だから普通に大学生がワンルームでサウナ付きに住むのが当たり前になったらいいですよね。

編集部 ちょっと前までは、家に風呂がとか、風呂とトイレは共同ですとかもありましたし、そのへんが変わってくればいいですよね。

ととのえ親方 そういう時代にしてやるぞ、と。

編集部 では、今後は住宅プロデュースとかもされていくんでしょうね。

サウナ師匠 二年後とか三年後にできる、サウナが入ったマンションとかのプロジェクトも進めています。

ととのえ親方 ちょっとね、想像してほしいんだけどね。お母さんにね、「ちょっとサウナでも入ろうぜ」って言うのって、めっちゃ親孝行だと思わない?バスタオルとかを巻いて、「家にサウナ付けたからさ」とか言ってさ。四人くらいが入れるちょっとデカめのサウナに、お母さんとお父さんと一緒に入ったりしてさ。 

編集部 新しい親孝行の形かもしれませんね。

サウナ師匠 お母さんに「ちょっとお風呂入ろうぜ」とはなかなか言えないもんね(笑)。サウナとお風呂には決定的な違いがある。

ととのえ親方 このへんがなんかね、実に面白い。今後5年間でやっていきたいこと。

編集部 いやぁ~いい話をお伺いできました。

ととのえ親方 何の話だかよくわからなくなってきたけど(笑)。

編集部 最後にお二人から何かメッセージはありますか?

ととのえ親方 なんだろうなぁ~。smartはファッション誌だから……クロムハーツとかでサウナを作ってほしいな。

サウナ師匠 ハハハ(笑)。

編集部 そのへんはどうですか?ファッションとサウナの取り組みについて。

ととのえ親方 今、結構やっていますよ。ブランドと組んで某人たちとかのサウナルームを一緒に作るとか、やったら面白いんじゃないですかね。

サウナ師匠 誰誰別注のサウナとか。昔ファッションでやっていたような、あの感じが出てきますよね。限定37(サウナ)台でだいたいのことができますよ(笑)。 

ととのえ親方 僕らもアトモスとかとやらせてもらったりとか、FR2とか(石川)涼くんのところとやったりね。

サウナ師匠 そういう意味では、まだまだ遊べますよね、サウナでね。

有本 smart読者もそうなんすけど、本当に若いサウナ好きの人が増えてますからね。

サウナ師匠 この間久しぶりに行ったサウナにもめちゃくちゃ若い子がいて、おじさんの俺は隅っこでこうして身体をちっちゃくしてたからね(笑)。水風呂に入っていったら、「え、マジっすか?」とかって若い子たち言われたり(笑)。

ととのえ親方 なんかね、やっぱり思うんだけど、僕らが「TTNE」っていうブランドを作ったのが2017年とかなのかな。それこそ、(webメディアの)ハニカムさんとかがね、最初のブランドをローンチしたときに取材をしてくれたんですよ。そのときも思ったけど、ファッション誌、ファッションメディアの功績ってすごく大きいというか、若い人たちに火をつけていくときってやっぱりね、何の媒体を見てっていうのがあるから。今の若い子たちが、サウナ好きになったのは、ファッションメディアがキッカケになったという部分も大きいんだよね。それでなおかつ、サウナには上手い、下手がないよね。サウナって「あいつサウナ下手だな」とかがない。昔あったサウナのブランドって、僕ら1個だけだったから、当時は「TTNE」というブランドだけで、その後にいろいろなブランドが出てきたんだけど、普通さ、サーファーのブランドでさ、めちゃくちゃサーフィン下手なやつがさ、ブランドなんか作れないじゃん?他のジャンルに関してもそうでしょう。ゴルフもそうだし、説得力みたいのがあるじゃない。サウナだけは上手い下手がないから、みんながブランドを作れちゃう(笑)。

一同 爆笑

サウナ師匠 だって、優勝とかもないから(笑)。

ととのえ親方 それが今、サウナのブランドが増えている理由じゃないかな?今やだって、サーフィンのブランドよりサウナのブランドのほうが多いからね。

サウナ師匠 今は小さいブランドも入れたら200ブランドくらいまで増えてますよ。

ととのえ親方 よくわかんないサウナ好きの個人がやってるブランドも多いんだけど(笑)。いい意味で、ただ普段からサウナに行っているようなやつがブランドをやってたりする。だからサウナがカルチャーとしてすごく面白いなと思うのは、上手い・下手がない、あいつ金持ってる・金持ってないというのが関係ない。だって、サウナの中だと裸でタオルしか持ってないんだから。

サウナ師匠 今日も「サウナのイベントだ」って言ってんのに、“水風呂ちゃん”っていう子が来たりしていたし(笑)。サウナは自分のスタイルを見つけやすいのかもしれないですね、人と比べる必要もないし。

「サウナが流行ったのはサウナには上手い、下手がないから」ととのえ親方&サウナ師匠が紐解く“サウナ―急増の理由” 

ととのえ親方 サウナのそのへんの特徴がゆえに「俺はプロサウナー」だって言えちゃうから。読者の若い男の子たちも、サウナで汗を流してるわけだから「俺はプロサウナ―」って名乗っちゃってもいいわけだよね。すぐにプロになれる(笑)。それに免許があるわけじゃないから、すぐに誰でもサウナを語れる。それがなんかね、僕はすごく好きだし、このサウナっていう文化が流行っている理由なんじゃないかなって思ってます。「プロサウナ―って何なんですか?」って、昔はめちゃくちゃ言われてたけどね(笑)。

サウナ師匠 「サウナーは汗をかく。プロサウナーはサウナのために汗をかく」って言ったりしてたもんね(笑)。その回答も何なんだ!?っていうね(笑)。ただ、これまでサウナにもらってばっかりだから、サウナに恩返ししようとは思っています。サウナに還元するためには、多くの人にサウナをより好きになってもらえたほうがいいじゃないですか。だからそれを、いろんな人がいろんな切り口でやっているって感じですよね。

ととのえ親方 なんかね、面白いですよね。ここ5~7年ぐらいの盛り上がりは面白かったな。

サウナ師匠 結局人はファッションには憧れるわけじゃないですか。モテたいとか、かっこよく見られたいとかっていうところに、サウナがくっついたのが一番大きいと思います。ゴルフとかもそうだと思うんですけど、人前でゴルフをやっていると言うと、ちょっと前だと「おじさんぽい」って女性も思っていたと思うんです。でも今は女性のゴルファーもいっぱいいるし、サウナにも「ぜひ行きます!」って、仕事蹴ってまで来てる人までいるくらいですからね(笑)。

編集部 本当に最近のトレンドであるサウナもゴルフも、見え方が変わりましたよね。

ととのえ親方 うん、本当にそうだよな~。

編集部 僕もサウナ歴が長いベテランサウナ―と一緒にサウナに行くこともありますけど、サウナ歴の長さがどうであろうと関係ないなぁと思うし、みんなサウナの中だとフラットだし、“ベテラン”も”若手”もないのがサウナですよね。

ととのえ親方 歴が長いとかそんなの、ちょっと水風呂に長く入れるか、入れないかくらいでしょ(笑)。お互いフルチンでさ、マウントの取りようがない(笑)。サウナって、サウナー同士の間で調子に乗れないっていうのがいいんだよなぁ。

編集部 締めのお話として、すごくいいお話でした(笑)。今日はありがとうございました!

(了)

「寒の地獄温泉」に「暖の地獄サウナ」を!
Makuakeでの応援購入サービスが大盛況のうちの終了

開湯186 年の歴史を誇る大分県の九重“夢”温泉郷のひとつであり、大分県九重町に位置する全国でも珍しい自然湧水の霊泉を提供する「寒の地獄温泉」は、サウナー専門ブランドを運営するTTNE 株式会社の監修により「暖の地獄サウナ」を2023 年7月中に開業予定。サウナ施設のクオリティ向上のために、応援購入サービスの「Makuake(マクアケ)」にて先行予約販売を実施した。

寒の地獄温泉」とは?

日本一の「おんせん県」である、大分県の九重町に位置する「寒の地獄温泉」は、江戸末期嘉永2年開場、開湯186年歴史ある温泉宿です。全国でも珍しい自然湧水の冷泉がある江戸末期開湯の秘湯で、これまで冷泉は夏の期間のみ冷泉の提供を行ってきました。この度、冷泉を年間を通じて楽しんでもらうためにサウナ施設をオープンいたします。毎分2,160リットルの豊富な湧水で温度も年間を通じて13~14℃の硫黄の香る硫化水素泉の源泉かけ流しの冷泉を、サウナ施設を作ることで水風呂として活用することで1年中楽しんでいただけるようになります。

Profile/ととのえ親方(松尾大)
札幌在住。複数の会社を経営する傍ら、日本全国のサウナ施設のプロデュースを手掛ける実業家にしてプロサウナー。多くの人を“ととのう”状態に導いてきたことから“ととのえ親方”と呼ばれるように。2017年には秋山大輔(サウナ師匠)と共にプロサウナーの専門ブランド[TTNE]を立ち上げ、11月11日をサウナの記念日「ととのえの日」に制定(日本記念日協会認定)。今行くべき全国のサウナ11施設を発表・表彰する「SAUNACHELIN(サウナシュラン)」をスタートさせた。2019年、サウナに関する研究及び安全な利用に関する知識を提唱する「サウナ学会」を設立し、2021年にはサウナ機器世界No.1シェア「HARVIA」の国内正規代理店として製品販売を開始するなど、サウナ界における様々なジャンルで活動を展開。メディア出演多数。日本各地に眠る素敵なサウナとカルチャーを探すYouTubeチャンネル「&SAUNA」に出演中。著書に『Saunner BOOK』(A-Works)、本田直之氏との共著『人生を変えるサウナ術』(KADOKAWA)がある。

Profile/サウナ師匠(秋山大輔)
東京在住。イベントを中心とするブランディングプロモーション会社を経営。20代よりサウナに開眼し、国内外の様々なサウナを経験。サウナの母国フィンランドをはじめ、北欧を中心とする10カ国40サウナを体験するEUサウナツアーや、NYのファッション系サウナなど7サウナを巡るNYサウナツアーを敢行。サウナー専門ブランド「TTNE」の立ち上げ、「ととのえの日」記念日制定、「CORONA WINTER SAUNA」監修、「サウナシュラン」立ち上げ、「日本サウナ学会」設立、「SAUNA FES JAPAN」や「SKYTREE SAUNA」、「RoofTop 37」プロデュース、「ソロサウナtune」サウナ監修等、次々にサウナ関連のプロジェクトを仕掛ける。最近では、サウナで汗をかくだけでなく、サウナプロデュースやTV、新聞、ラジオ、雑誌、WEBといったメディア活動を通じ、サウナの為に汗をかいている。

「TTNE」とは?
TTNEは、ととのえ親方こと松尾大・サウナ師匠こと秋山大輔が主宰する、プロサウナ―集団。“おじさん”イメージが強い日本のサウナに、北欧のように若者を中心に幅広い層に受け入れられるデザインされたサウナ文化を根付かせたいという思いから2017年に発足。11月11日をサウナの記念日「ととのえの日」に制定(日本記念日協会認定)。「Saunner」ロゴデザインによるファッションやグッズを販売。現代の日本で心身ともに最も“ハード&クリエイティブ”な活動を展開する人々とともにサウナのプロデュースやイベントの開催などの活動を通じて、日本におけるサウナのリブランディングを目指す。TTNEオフィシャルサイト: https://ttne.jp

写真=田中利幸

この記事の画像一覧
  • 写真左から、“ととのえ親方”こと松尾大さん、smartサウナ部長のスタイリスト・有本祐輔さん、“サウナ師匠”こと秋山大輔さん
  • 写真左から、“ととのえ親方”こと松尾大さんと“サウナ師匠”こと秋山大輔さん
  • 写真左から、“ととのえ親方”こと松尾大さんと“サウナ師匠”こと秋山大輔さん
  • 写真左から、“ととのえ親方”こと松尾大さん、“サウナ師匠”こと秋山大輔さん、smartサウナ部長のスタイリスト・有本祐輔さん
  • 写真左から、“サウナ師匠”こと秋山大輔さんとsmartサウナ部長のスタイリスト・有本祐輔さん

この記事の画像一覧を見る(5枚)

12

この記事を書いた人

熊谷洋平

熊谷洋平

スポーツ新聞社、編集プロダクションを経て宝島社に入社。2014年よりsmart編集部に所属し、2022年9月よりsmart Webの専任担当。タレント特集を中心に、ファッション、スニーカー、腕時計、美容などを幅広く担当。3度のメシより野球好きで、幼稚園年長の頃からの熱狂的な東京ヤクルトスワローズファン。最近はサウナにハマっており、smartサウナ部の広報担当も兼務。

Twitter:@yoheihei170

この記事をシェアする

この記事のタグ

17

08:00

smart Web の
記事をシェア!

この記事をシェアする

関連記事

週8回サウナに行くガチサウナーが3秒でギブアップした“氷の水風呂”がすごいほか【サウナの人気記事 月間ベスト2】(2024年4月)

舞台「千と千尋の神隠し」ハク役・増子敦貴が語る作品の魅力ほか【芸能の人気記事 月間ベスト3】(2024年4月)

INI 田島将吾&西 洸人2ショットインタビュー 、MELOGAPPAアーティストブック制作秘話ほか【音楽の人気記事 月間ベスト3】(2024年4月)

【佐野勇斗インタビュー】美容ルーティンも公開 疲れていても毎日必ずすることは?

大人気「友達がやってるカフェ / バー」で働く店員に話を聞いてみたら想像以上に楽しそうだった

JO1木全翔也がアイドルを目指す女子の“熱量の差”に共感 「チームで働く人に刺さる作品」

smart(スマート)公式SNS