超過酷だった“2週間水断食ダイエット”の撮影秘話とは?【MARIMO。のVAZらせ講座(後編)】
執筆者: ライター・エディター/小林大甫
大手YouTuber事務所であるVAZとの連載インタビュー企画【VAZによるVAZらせ講座】。前回は学生時代について、そしてViner(ヴァイナー※Vine配信者)としてVAZに所属するところまでをお伺いしました。今回は実際にYouTube活動を行い始めたきっかけから現在の動画作成について、また配信以外にも活動の幅を広げているMARIMO。さんの見据える未来について迫っていきます。
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時代の変化でYouTuberへ転身
巡り巡って今またショート動画に
――約6年前に活動のベースをVineからYouTubeへと移すことになるわけですが、その経緯を教えてください。
MARIMO。 一言で言うと“時代”ですかね……。ショートムービーが少し下火(したび)になってきたように思えたんです。加えてだんだんとYouTuberがかっこいい存在として確立し始めて。ヒカルさんとかまさにですよね。僕としては「短い時間内にいかに起承転結を詰め込めるか」が好きで、Vineが6秒、Twitterでも30秒までのコント動画を作っていたので、正直YouTubeの長い動画作りには最初は慣れなかったですね。
――するとYouTubeを始めたての頃はトークを撮影すること自体が新しい挑戦だったんですね?
MARIMO。 今でこそ慣れはしましたけど、Vineをやっていた頃は事前に台本を書いて動画では決まっていることを演技するだけだったので。やっぱり最初は語りの部分が難しかったですね。
――MARIMO。さんといえばやはり面白い企画作りが魅力だと思うのですが、企画を考える上での思考をお伺いしたいです。
MARIMO。 まずはネタを考える日を一日作るんです。だいたい月に1度のペースでスケジュールに組み込むんですが、あらかじめこの日って決めるというよりは、ふと「今日やろ」みたいな感じで。その日に一気に10何本って作りますね。企画の主軸は“ダイエット”。ガチな筋トレや食トレをやっている人はたくさんいるので、そういった専門的だったり本格的な企画ではなくて、僕はあくまでエンタメでやりたいんです。それで「K-POPアイドルがやっているダイエット」みたいな切り口を、至って大マジメにやってみることだったり、そういった面白さは意識していますね。
――ダイエット企画ですと撮影期間も長かったり、撮影や編集なども大変なように思います。
MARIMO。 そうですね、ダイエット系はその日で「ハイ終了〜」ってわけにもいかないので、長期戦になることが多いです。だから、撮影も日々長回しすると大容量になって編集も大変なことに……。なので話すことを精査して大筋を決めてから、1撮影につき撮っても3分くらいには収めていますね。編集も自分でやっているんですが、僕があまり得意ではないこともあって、ダイエット企画だと2〜3日は(編集に)費やしちゃうんです。たぶん遅いほうだと思うんですけど。あとはダイエットでかなり無理をしているので、気持ち的にも大変な部分が多いですね。
――登録者や再生数など分析はするほうですか?
MARIMO。 どうですかね、あまりしないほうなのかな。誰かと比較するってことよりは自分でノルマを設けてそれをクリアしているかどうかを判断していますね。やっぱりウケる企画って自分も納得して作ったものだし、特に渾身(こんしん)の企画だったりすると自信はありますし。ただこれって通常動画の話で、YouTubeショートになると全然違う。通常の動画はある程度型が決まっているイメージで、例えばウーバーイーツとかを使えばいい感じになるって想像ができていて。でもショートだと何がハネるかがいまだにわからないんですよね。去年の11月くらいからショートを始めたんですけど、「これがウケるの!?」ってビックリしたり。
――短い時間の動画は元々のテリトリーだと思うのですが、すぐにYouTubeショートを始めたわけではなかったんですね。
MARIMO。 周りのクリエイターとの共通認識でもあったんですけど、僕らのように比較的長くYouTubeをやっている人からすると、ショートを上げすぎると通常動画が埋もれちゃって“タイムラインが汚れちゃう”感覚があったんです。それがイヤだったんですけど、通常とショートの棲(す)み分けがされていたり、YouTube側でも変化が出てきて、僕も通常とショートを交互にアップするならいいかなって。ただ思ったよりも好評で、特に「家族あるある」ネタがハマったんですよね。通常動画だと10万回再生をいけばいいほうなんですが、それはバンバン100万回再生とかいくわけです。となると「あ、やっぱ俺はこのフィールドが得意なんだな」って思うようになりまして、昨年12月は毎日投稿をしてみたんです。そしたら、昔からのファンの方が「これがMARIMO。だよな」って喜んでくださったり、離れていた方も戻ってきてくれたり、新しいファン層も増えてきたりとすごく上手くいっている印象ですね。なので、これからはショートにももっと力を入れていきたいなって思っています。
一度離れることになったこの世界も
「夢がある」と見事にカムバック
――これまで大変な撮影を多く経験されていると思いますが、特にツラかった撮影は何だったんでしょうか?
MARIMO。 圧倒的に“水断食(「【超過酷】76kgのデブが2週間水断食ダイエットをしたら何キロ痩せるのか?」)」”ですね。いつものダイエット企画だとほとんどが期間を一週間にしているんですけど、ただでさえキツい水断食を2週間って……本当になんでやったんだろ(笑)。何も食べないっていうのは頭オカシイですって(笑)。途中で蕁麻疹(じんましん)が出たり、かなり体にも無理がありましたね。
――本当に、本当にお疲れ様でした。結果として様々なダイエット企画で70kg以上の減量に成功したわけですが、一旦企画としては落ち着くのでしょうか?
MARIMO。 今後もダイエット企画はやっていきたいとは思っていますが、去年ほどはやらないですね。ダイエットすることもそうですが、カロリー計算とか見えないところでの管理が本当にだるくて(笑)。一旦は落ち着こうかなと思っています。2023年になって何だか人間的な生活をしているように思えるんで(笑)。食事も企画をしていると断らないといけなかったので、友達と普通にご飯に行けるだけでもすごく楽しいんです。
――少し話題が変わりますが、活動の中でYouTubeから少し離れた時期がありました。今、振り返ってみてお話しできることがあればお聞かせください。
MARIMO。 そうですね……当時は“宿題を大量に残した夏休みの最終日”が永遠に続く感じで、何かしないといけないっていう強迫観念みたいなものがずっとあって……。それで結果的には約1年間お休みしていたんですが、戻ってきて改めて「この世界、最高だな」って思いました。休んでいる間はロン毛になって見た目も変わって、外に出ても声もかけられないくらいになっていたんです。正直、ネットの世界の移り変わりの早さは理解していたつもりだったので、復帰するにあたって不安はありましたね。でも戻ってきたらすぐに受け入れてくれて、「待ってたよ」って。しかもすぐにバズったんです。それが本当にありがたかった。そこから著名な方々ともお仕事ができたり、やっぱりこの業界って普通ではできないことが経験できる。休んでいるときは一瞬だけ普通に働こうかとも思ったんですが、辞めなくてよかったなって思えましたね。夢のある世界だし、今は本当に楽しみながら活動できているんで、ある意味で休んだことがよかったって、そう思えるくらいにはなったかな。
――最後に、音楽活動などYouTube以外にも活動の幅を広げていますが、今後の展望についてお聞かせください。
MARIMO。 音楽活動については元々歌うことが好きで。実はこの活動をする前、中学生の頃に音楽をやっていたんです。それで、この活動をしている中でアーティストさんとの交流ができたことでライブに招待をしてもらって。その席から見渡した何万人っていう観衆から注目される姿が、学生時代の僕の理想とする姿の最大形に思えたんです。それで「あ、ステージに立ちたい!直に声援を感じたい!」って。楽曲もリリースすることもできましたし、次の目標は単独ライブをすることですね。あとは僕の代表曲が欲しい。アーティスト活動をする上で名刺代わりになるというか、アーティスト顔できるような(笑)、そんな楽曲を産みたいですね。YouTube活動も、音楽活動も、もしかしたら他にもあるかもしれないけど、最終的には「MARIMO。」というネームだけでどんなフィールドでも強くなれるようにいたいですね。
(了)
Profile/MARIMO。(マリモ。)
1999年4月27日生まれ、富山県出身。“あるあるネタ”で多くの共感を得る、おもしろクリエイター。2023年2月現在、YouTubeチャンネル登録者数は34万人以上。約2年間に及ぶダイエットにより約75kgの減量に成功し話題に。配信活動のほか、テレビやイベントにも活躍の場を広げている。最近では音楽活動も行なっており、セカンドシングル『仮恋』が好評配信中。
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MARIMO。公式Instagram
写真=大村聡志
インタビュー&文=小林大甫
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この記事を書いた人
大学卒業後、アパレル会社へと勤務したのち出版社へと転職。メンズファッション誌の編集を経て、フリーランスのエディター兼ライターとして独立。服、アイドル、車、野球を生き甲斐にしています。あとはお酒。最近は自宅の仕事用ガジェットを揃えることに夢中!
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