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【クレイジーラクーン代表インタビュー】“リテイルローのおじさん”こと高野大知「渋谷のゲーミングスペースがゲーム人口の増加につながれば」

執筆者: 編集者・ライター/志田英邦

今や40人以上の腕利きメンバーを擁するプロeスポーツチームCrazy Raccoon(クレイジーラクーン)。そのチームの生みの親が、これまでとこれからを語る。

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この記事は2023年smart2月号に掲載した記事を再編集したもので、記載した情報もその時点のものです。

トップチーム
Crazy Raccoonを
支えるゲーム愛

CrazyRaccoon,代表高野大知さん

――Crazy Raccoonはどんな経緯で生まれたのでしょうか。

高野大知(以下、高野) 5 ~6年前に仲がよかったプロゲーマーがいて、いろいろな話を聞いていたんです。そうしたら、環境的なもので満足できていないと言っていて。じゃあ、サポートするよりも僕が作ったほうが早いかなと思って。いい環境のチームを作ろうと思ったのがきっかけです。もちろんプロeスポーツチームを作るノウハウなんて何もなかったんですけど、僕は当時、焼肉屋さんを経営していたので、なんとなくビジネスの本質みたいなものはわかってきていたんですよね。いや、本質がわかったなんて口が裂けても言えるものじゃないんですけど、なんとなくの感覚みたいなものは掴みかけていたので、それでやってみようと思ったんですよ。

――ゲームはお好きだったんですか。

高野 子どもの頃からずっと好きでした。『ポケットモンスター』から始まり、『ロックマンエグゼ』、中学生くらいの頃は『ラグナロクオンライン』『モンスターハンターフロンティア』をやっていました。今は『LoL(リーグ・オブ・レジェンド)』や『OVERWATCH2』に結構ハマっています。

――プロeスポーツチームを運営する上で、大切にしていることは?

高野 ゲーム業界って移り変わりが激しいので、そのトレンドを見失わないようにしながら、僕たちもプレイヤーもリスナーも、みんなが楽しめるようにしようと思っています。楽しむことが一番の目標でしたね。僕たちが楽しむことができれば、それがインフルエンス能力にもつながるし、ひいてはビジネスにもつながっていくだろうと考えていました。

――2018年に設立されたときはFORTNITE部門、Vainglory部門、ストリーマー部門の3つからスタートしたそうですね。

高野 最初からストリーマーの部門を作ろうと考えていました。当時から配信こそがすべてだと思っていたんです。たとえば同時接続者数が100人いるとすれば、そのインフルエンス能力だけでも商売の種になるじゃないですか。100人って、すごい数だと思うんですよ。そんなふうに、ストリーマーをひとつの軸にしていこうと考えていたんです。

――そういったインフルエンス能力を柱にしようとしたきっかけは?

高野 僕はもともとラッパーをやっていて、そのあとに俳優として活動していた時期があったんです。舞台に出たり、芸能活動をやってようやく食えるようになったときに、焼肉店の仕事を紹介してもらって。それで焼肉店に打ち込むようになってしまったんですけど、俳優をしているときにいかに表に出る“出役”の人たちがビジュアルやイメージを大事にしているかを痛感したんです。その経験があったから、Crazy Raccoonでは所属するプロゲーマーやストリーマーにアイコンとなるキャラクターを用意することにしました。アイコンを全面に出すことで、メンバーのビジュアルイメージを大切にしているんです。

――現在では渋谷にゲーミングスペースをオープンしていますが、こちらもその延長線上にあるのでしょうか。

高野 これに関しては、本当に利益還元みたいなところがありますね。無料でPCを開放しても、こっちには利益は何にもないんです(笑)。みんながこのゲーミングスペースでPCに触れる機会ができて、ゲームで遊んで。それがゲームシーンの人口の増加につながればいいかなと思っています。

――今やプロゲーマーやストリーマーを合わせて総メンバーは40人以上、2022年は大乱闘スマッシュブラザーズ部門、Clash Royale部門などが新設され、『スプラトゥーン』をメインに活動するストリーマーも参加されました。そうやってCrazy Raccoonを拡大していきたいという考えはあるんでしょうか。

高野 家庭用ゲーム機用のタイトルやスマートフォンのゲームの部門をいつか開設したいという気持ちはありました。部門はもっと広げていきたいけれど、別に焦っているわけでも、早く広げなくちゃいけないとも思っているわけじゃない。タイトルが盛り上がっている時期や、いろいろなタイミングに合わせて新しい部門を作れればいいなと思っています。

――Crazy Raccoonにゲーマーやストリーマーとして加入したいと思っている人も多いんじゃないかと思います。今、どんな人に来てほしいと思っていますか。

高野 今加入して欲しい人は、めちゃくちゃ強いか、めちゃくちゃ有名かのどちらか、って言っています。競技の部門においても、宣伝能力が必要だし、インフルエンサーとしての魅力も必要。YouTubeチャンネルに何人登録者がいるかとか、生配信に何人来るかという数字も大事ですけど、もうちょっと明確に言うと、その中に何人『濃いファン』がいるかどうかが大事だと思っています。そういう『濃いファン』がしっかりと支持するような魅力がある人。そういう人がいたらぜひ、Crazy Raccoonに来てほしいですね。

――2023年のCrazyRaccoonはどんな活動をする予定でしょうか?

高野 まだ言えないんですけど、すっごく大きな動きがたくさんあるんです。僕らも楽しむので、みんなにも楽しんでほしいな。

PROFILE/高野大知(たかの・だいち)
Crazy Raccoonチームオーナー。通称:リテイルローのおじさん/おじじ。2018年4月にCrazy Raccoonを結成。2019年1月からゲーム大会「Crazy Raccoon Cup」を開催。所属する選手、ストリーマー全員のSNSのフォロワー数は950万人を超える。

Photography_TATSUYA YAMANAKA 
Text_HIDEKUNI SHIDA

この記事を書いた人

ゲームを作ったり、小説を書いたり、本を作るお手伝いなどいろいろ。日々さまざまな制作現場にお邪魔して面白いことを探しております。美味しいカレーと極上のうどんを探し求めつつ。

X:@shidaill

Instagram:@hidekunishida

Website:https://smartmag.jp/

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