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【チベット文化 現地レポート】インドのチベット人居留地・ダラムサラの“今”の街並みや伝統工芸

執筆者: smart編集部アシスタント/杉野悟史

前回のチベットの食文化編はいかがでしたか?

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今回はダラムサラの街並みやチベットの文化についてご紹介します!

「タシデレ」はチベットの万能な挨拶

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インド国内には約10万人のチベット人がおり、そのうち約6000人のチベット人がダラムサラで暮らしています。

実際に街中を歩くと袈裟(けさ)を纏(まと)ったお坊さんやチベット人がたくさん歩いており、すれ違いざまに目が合うと「タシデレ!(※)」とみんなが挨拶の言葉をかけてくれます。

 ※……タシデレはチベット語で“こんにちは”や“おめでとう”、“さようなら”の意味で、様々な場面で人に会ったときに使える挨拶です。

チベット人居留地なだけあって、インド人を見かけることは他のインドの都市に比べて少なかったです。

チベット仏教が根付く街並み

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お寺の周りには「マニ車」と呼ばれるお経の書かれた“回る仏具”があり、チベット人や観光客はお寺の周りを時計回りに周りながらマニ車を回します。一回マニ車を回すと、お経を一回読んだことと同じ功徳(くどく)があるとのことでした。

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街のいたるところで見かける5色の旗は「ルンタ」という旗で、チベット語でルン=風、タ=馬の意味らしく、旗に書いてあるお経の教えを風が吹くと馬が世界中に広めてくれるといいます。風に揺られるルンタ旗の音を目を閉じて聞いてみると、パタパタという旗の揺れる音が、実際に馬が走っているときの音のように感じました。

チベットの伝統や文化を継承する
伝統工芸研究所

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移動して、ノルブリンカ伝統工芸研究所に来ました!

ここではチベットの芸術と文化を保存・継承していくための施設で、仏像を作る彫像制作や仏教美術の「タンカ(※)」などの様々な伝統工芸を実際に作っているところを見学できます。

 ※……タンカとはチベット仏教の仏画の掛軸の総称で、顔料を使って描かれるものやアップリケ、刺繍(ししゅう)などの描かれたタンカもあります。

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実際にここでタンカを学んでいる生徒さんにお話を聞くと、このタンカという仏教美術に使われる顔料は天然の鉱物などを使って作られており、厳しいガイドラインのもとで描画していき、一枚の絵が完成するのに最低でも3カ月、大きいタンカになると約1年かけて完成させるとのこと。タンカ絵師として活動するには何年もの修業が必要とのことでした。

他にもチベット伝統民族衣装「チュバ」を縫製(ほうせい)しているところや木彫りを見学することができたりと、失われつつあるチベット文化の保存・継承に力を入れているのが伝わってきました。

実はこのノルブリンカ伝統工芸研究所の設計を手がけたのは、日本人の建築家とのこと!

チベットの伝統建築と緑豊かな庭園は、どこか日本庭園に近いものを感じました。

そして施設内では実際にここで作られたものが販売されており、お土産として買って帰ることもできます。

インドだけどインドじゃない
不思議な街「ダラムサラ」

混沌(こんとん)のインドの市街地からチベット人居留地に近づくにつれて変わる空気に、異国人の僕も安心してしまう不思議な街「ダラムサラ」。

滞在中に街の茶屋でゆっくりしていると、チベット人の方が気さくに話しかけてくれて、お互いの国のことや旅のことを話しました。

1杯のお茶を飲んで、去り際に「タシデレ!」と一言かけてくれたときに、この街に受け入れてもらえたような温かい気持ちになりました。

今回の旅はチベット人の文化と優しさに触れた旅でした。

この記事を書いた人

smart編集部アシスタントの杉野です!好きなものは旅とキャンプとコーヒー!(たまにコーヒー屋さんでも働いてます) 家で文鳥を飼っているので、休日は文鳥と遊ぶか日本橋あたりを自転車でうろうろしています。

Instagram:@omsatoshiva

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