DJ KOOはBIG BOSS新庄剛志監督をリスペクト!“KOOなりたい自分になるため”のファッション&スタイル
みんなが笑顔で元気になれることをやろう!
そんな思いと気概を感じる
BIGBOSSにリスペクト
――著書内で、KOOさんはメモ魔とも書かれていました。実際どんな感じでメモをしているのか、見せていただくことは可能でしょうか?
DJ KOO:いいですよ! あくまで自分のためのメモなので、書かれているのは大好きなパンの試食会のことだったり、『キングオブコント』の予想とかですけどね。そもそもの発端(ほったん)は、娘の小学校の授業参観。先生のおっしゃったことをメモしていたら、それからクセになっちゃって。TVのバラエティ番組に出させていただくようになってからは、番組や共演者さんのことを調べてメモするようになりました。これが必ず役立つということではなく、メモすることで自分の中の歩み寄りの一歩が生まれる。ちょっとした気持ちの安定剤とルーティーンを兼ねたものですかね。
――そういった情報は、すべてご自身で調べるんですか?
DJ KOO:なにかの資料としてだったら正確に全部作って提出するんですが、あくまで自分用のメモなので、自分の中で消化できる範囲の情報さえ抑えていればいいかなって。なので、情報の取りこぼしがあってもいいし、完璧じゃなくてもいいんです。何かあったときのために、エピソードを1つでも2つでも、メモれればいいかなと。
――KOOさんといえば、スポーツとの関わりもありますよね。先ほどラグビーの話もされていましたが、遡(さかのぼ)ると中学時代は卓球部だったとか。
DJ KOO:卓球はYouTubeでもちょっとやりましたが、今でも意外にできました♪ 最近は卓球マシンというモノがあるんですが、またその球出しの性能がすごいんですよ! 中学時代に経験した部活動が縁で、Tリーグのチャンピオンでオリンピックのメダリストの球を受けることもできましたし、すごく貴重な経験をさせてもらいました。
――まさか卓球がこんなメジャーなスポーツになるとは、中学時代のKOOさんは思いもしなかったでしょうね。
DJ KOO:スポーツの観戦自体が、1つのエンターテインメントになりましたもんね。そのおかげで僕もラグビー・リーグワンの埼玉ワイルドナイツさんや、サッカー・Jリーグの川崎フロンターレさんと一緒に、スポーツとエンターテイメントの橋渡しをやらせてもらうことが叶いました。DJとして音楽で、選手と会場のテンションを上げることができて、すごく嬉しかったです。
――またプロ野球、北海道日本ハムファイターズのBIGBOSSこと新庄剛志監督に、すごく感銘を受けてらっしゃるとか。
DJ KOO:この本にも書かれていますが、5年前に脳動脈瘤(りゅう)という大病を患(わずら)ったことから、自分の生き方やスタイルの中心が“格好いいDJをやるんだ!”から、“周囲に助けられて得た命だから、あとはもう皆さんを元気にしていく人生を歩もう”というものに変わりました。そうやって元気にするというマインドについて考えてみたときに、改めてBIGBOSSという存在がそうだなぁと思ったんです。僕は彼から、試合の勝敗を超えて、“みんなが笑顔で元気になれることをやろう”っていう思いと気概を感じます。もちろん、もっと色んなことを考えていらっしゃると思いますが、僕はそこをすごくリスペクトしていて、だからこそBIGBOSSがグランドに登場するだけで、みんなテンションが上がるじゃないですか。それってスゴイことですからね!
――来年3月には新球場(エスコンフィールド北海道)も開業しますし、何らかの形でコラボが実現したら最高ですね。
DJ KOO:ぜひともお願いしたいです! まだ新庄監督とは一度もお話ししたことがないので、どこかの機会でお会いして、「僕もまだまだピークを目指していますよー!」なんて話ができるといいなと思っています。
どんな時でも、
楽しむ気持ちを忘れたら生きる意味がない
――病気をきっかけに生活もガラッと変わったことかと思いますが、これまでが刺激に満ちていたこともあって、今の生活が物足りなく感じることはないんですか?
DJ KOO:以前までの“不健康だけどYeahhh!っていうのが格好いい”という考え方自体が、大間違いだったんです。“自分の体をしっかり管理ができて、ちゃんと大切にできる”。それが本当の格好良さだし、家族・仕事・仲間を大切にしているってことなんだなぁと、病気になって改めて感じて、これまでの生活習慣を見直して、考え方や意識をシフトチェンジしました。その結果、“健康でいるのが一番格好いい”。今はそう思っています。
――“格好いい”の定義が劇的に変わるっていうのもすごい体験ですよね。そしてそこに至れたのは、奥様と娘さんとKOOさんの三人のチームワークがあったからこそだろうなと。
DJ KOO:やっぱり、脳動脈瘤の6時間半にも及ぶ大手術が成功し、病室のベッドで「痛い、痛い」と言っている、親としては1番見せたくない姿を、当時はまだ高校生だった娘と妻に間近で見せているというのが大きいでしょうね。そこから家族三人の共通目標が、“何が何でもみんな元気に頑張っていこうね”になりましたし。
――まさに、ラグビーで培ったワンチーム精神!
DJ KOO:そう。それが我が家の強みだと思います。娘は今、大学院に通っているんですが、この記事を読んでいる方もそうであるように、社会と触れ合う中で人間関係の悩みだったり、色々な不安を感じていると思うんです。そんなときにも、“常に自分を見ていてくれる人がいる”という意識が気持ちの余裕にも繋がり、彼女の力や支えになっている。僕らはそう信じています。
――“あなたのことを常に見守っている”という思いって、言葉にせずとも自然と相手に伝わるものですよね。
DJ KOO:娘がまだ小さかった頃から、僕は「子育てのこだわりは?」と聞かれた際に、“子供という見方をせず、1人の人間として同じ目線で接する”と答えてきました。例えば、仕事から帰ったら「今日はこんな人に会って、こんなことをしたんだよ」って話してあげるんです。子供にとって何の話か分からなくても、それでいいんです。意味が分からずとも、そうやって親が自分のことを話してくれることで、子供は「あぁ、自分は見守られているんだな」って自然と感じ取る。“分かる・分からない”ではなく、“話して・伝える”、それが大事なんです。
――子育てに限らず、職場や学校での後輩との付き合い方にも応用できそうです。ちなみに読者は20代が中心なのですが、若い世代に伝えたい言葉ってありますか?
DJ KOO:20代って、色んなことを自分で決めて進んでいくことが求められる時期で、選択の連続だと思うんですよ。だからこそ自分が選んだ道は、潔く楽しさと格好よさと誇りを持って進んでもらいたい。正解だけが答えじゃないので、自分の選択に自信を持ってください。そして、そんな毎日の中で自分だけのちょっとしたルーティーンを見つけることができれば、人生がきっと楽しくなるはずです。
――ルーティーンは、自分の人生を整えるためのキッカケになるというわけですね。
DJ KOO:あと、もう1つ。これ以上は自分には無理だと感じたら、正直に「無理だわ!」って言っちゃっていいと思います! 自分を追い詰めすぎず、ダメだったら「じゃあ、どうすればいいだろう?」と、いったん肩の力を抜いて考える。そういう柔軟な思考が、今の時代は必要なんじゃないでしょうか。いまだにコロナ禍は続いていますが、先日開催された中野駅前の盆踊り大会なんて、すごく沢山の方々が遊びに来てくれて。改めて、“どんなときでも、楽しむ気持ちを忘れちゃいけないんだ”と思いました。それを忘れちゃうと生きる意味も失ってしまう。そう僕は思います。僕自身、来年でTRFがデビュー30周年を迎えるので、そこに向けてピークをどんどんどんどん更新するようなライヴを、楽しんでやっていくつもりDO DANCE!!
――ありがとうございました!!
Profile/DJ KOO
ディージェイ・コー●1961年8月8日生まれ、東京都出身。トータルCDセールスが2100万枚を超え、今なお多くの人に愛される続けているダンス&ボーカルグループTRFのDJ、リーダー。またソロとしては、“触れ合う人々をエネルギッシュに!元気に!笑顔に!”をモットーに、ダンスクラシック、EDMから、J-POP、アニソン、ゲーム音楽まで幅広い音楽をDJスタイルにてプレイし、共感、賛同を得ている。2017年から日本の文化である“お祭り”“盆踊り”とのコラボレーションをエンターテイメント型ジャパンカルチャーの発信として、国内外において精力的に活動を行っている。また近年ではバラエティ番組にも多数出演し、幅広い層のファンを獲得している。
DJ KOO公式ブログ
DJ KOO公式インスタグラム
DJ KOO公式ツィッター
DJ KOO公式YouTube『KOOTUBE』
Information
『あと10歳若くなるDJ KOO流 心・体・脳(シン・タイ・ノウ)の整え方』
DJ KOO(TRF)(著)/発売中/株式会社PHP研究所(刊)/1,650 円(税込)
写真=大村聡志
聞き手・構成=熊谷洋平
文=TOMMY
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