「昼休みに会社を作りました」メキシコ、スイスを経てベトナムへ…建築家・大澤晃佑が語る“変化する社会”と向き合う生き方

執筆者: エディター・ライター/相馬香織

壁にぶち当たってもリミットを設けて継続することも大切

建築家・大澤晃佑

――さまざまな国を経験されていますが、ハノイに来てよかったと点はどこでしょうか?

大澤:僕は総合ポイントで国を見ているところがあって、みなそれぞれいい面もあれば悪い面もあるので、ベトナムが突出していいというわけではなく、メキシコもスイスも同じくらいいい国だと思います。ただ、ベトナムに限らず、海外で働いてきてよかったことと言えば、さまざまな国での経験によって、異なる視点を持つことができるようになったことはよかったなと思います。

また、ベトナムはかつての日本のように、人との繋がりがまだしっかりとある国なので、そこはとてもいいなと思います。この「Fu Hoo Cafe」も、地域や人との繋がりになる場になるといいなと思って始めたので、そういう意味ではとてもいい環境ではないでしょうか。

――今後は、どのようなことを手掛けていきたいですか?

大澤:「場クリエーション」で「Fu Hoo Cafe」や「105(One Zero Five)」を手掛けていますが、プロジェクトで調査をしていく上で見つけた新しい発見や面白いことを少しずつ事業化していきたいと思っています。取得しているビジネスライセンスが一つではないので、例えば飲食店と宿泊施設とギャラリーの複合ビジネスを考えたりもしています。

――人生のキャリアや進路に悩む方にアドバイスをするとしたら、どんな言葉をかけたいですか?

大澤:僕の大学の同級生や設計事務所で働いていた友人には、それまでの経歴を捨ててまったく別のことをしている人もいます。道半ばにして諦めてしまうのは、壁にぶち当たったり、才能に限界を感じたりするからということがほとんどだと思います。もちろん、そこで別の道を進んだり、新しいことに挑戦することも一つの選択だと思うのですが、やはり継続することも大切だと思うのです。

僕自身、過去に何度も諦めようと思ったり、転職しようと思ったことがあります。しかし、悩みながらも続けてみると、半年後には「やっぱりこのままいけるかもしれない」と不思議と思えるようになるのです。悩んでは続けての繰り返しですが、そうすることで自分の道を切り開いていけるのではないかと思います。

また、何かうまくいかないことがあっても3カ月というリミットを設けて取り組んでみることも大切。僕も「まずは3カ月頑張って業績を上げてみよう」と頑張った結果、仕事が入ってきたり、カフェの業績を黒字にできたりと、目標にしていたことを全部達成することができました。この「3カ月リミット」は、今でも忘れないようにしていることの一つです。

Profile/大澤晃佑(おおさわ・こうすけ)

建築家・大澤晃佑

埼玉県生まれ。高校中退を経て、21歳で通信高校で高卒取得。
2009 多摩美術大学 デザイン学科 卒業
2009–2010 日本政府海外留学交換プログラム(外務省)にてメキシコへ留学
2009–2012 Fernando Romero(LAR / FREE) メキシコ事務所勤務
2012–2014 5+1 Design 、メキシコ
2015–2017 Atelier Oï 、スイス
2015–2018 スイス・ベルン応用科学大学 Joint Master of Arts in Architecture 修士課程 修了
2018-2021 Group 8 Asia、 ベトナム
2021– 5+1 Design (建築、内装設計 ) ベトナム
2024– Ba Creation Jsc, (場づくり、調査開発、企画運営)、ベトナム
大澤晃佑Instagram

撮影=小嶋淑子

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この記事を書いた人

映画配給会社を経て、出版社で企画立ち上げ、海外取材などを数々こなし編集長に就任。現在はベトナム・ハノイを拠点に、日本、韓国を飛び回りフリーランスの編集者として活動中。趣味はアクセサリー製作。インスタではベトナム情報をメインに発信中。

Instagram:@_kaori.soma

Website:https://smartmag.jp/

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