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「ジャズ警察から集中砲火される覚悟で」“25年の仲”SOIL社長 × 長岡亮介が語る「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN」への意気込みジャズ初心者にオススメの曲も紹介

執筆者: 音楽家・記者/小池直也

ジャズ警察に集中砲火される覚悟で挑む

ペトロールズのギター&ボーカルなど多彩な活動を見せる長岡亮介

――日本は世界から見てもジャズと縁が深い国だと言われていて、独自のジャズ喫茶文化も近年注目されています。ジャズのどこに日本人は惹かれるのでしょう?

社長:オタク気質なところが合うんじゃないかな。上の世代のリスナーだと、そのレコードにどんなプレイヤーが参加しているかをチェックする人も多い。バックミュージシャンの名前を見て、この人が参加している他の作品を聴いたりね。

「✕✕年の『〇〇』というアルバムに入っている誰々の演奏がいい」みたいな。ジャズは同じ曲でもアルバムによって演奏の質感が変わるので、堀りがいのあるジャンルなんです。個人的な見解ですけど。

長岡:戦後に米軍がたくさん来たという歴史もあるかもしれない。そういえば数年前に御茶ノ水を歩いていたときに間違えてジャズ喫茶に入ったんです。すごい音量でジャズが流れていて驚きました。

社長:それこそ、ジャズ喫茶の「椅子に座ってコーヒーを飲みながら静かにジャズを聴く」という文化はすごく日本っぽいじゃないですか。僕ならじっとして聴けないもん。体が動いちゃう。

長岡:なるほどな。

――「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN」が日本で開催される意義についてはどう考えています?

社長:2015年に横浜で開催されたときに出演させてもらったんです。「国内外のイケてるアーティストを集めたジャズフェスが日本でも開催されないかな」と考えていた時期だったので、呼んでもらえたことが嬉しかったです。

楽屋では世界中のミュージシャンとテーブルを並べて一緒にご飯を食べた経験も貴重でしたし、こういうイベントはもっと増えてほしいですね。

長岡:ジャズポリスに集中射撃を受ける覚悟で行きます。

ペトロールズのギター&ボーカルなど多彩な活動を見せる長岡亮介

ペトロールズのギター&ボーカルなど多彩な活動を見せる長岡亮介

――他の出演アーティストで注目しているのは?

社長:やっぱりINCOGNITOは特別で、僕が聴いて育ってきた音楽の根っこみたいな存在。そのリーダーであるブルーイと同じステージに立てるってやっぱり光栄ですよ。

来日公演も毎回行ってますけど、いつもパフォーマンスが輝いてますね。毎回MCで「音楽は愛をみんなとシェアするためのものだから」と言うんです。それで会場がひとつになる感じが大好き。

長岡:25年くらい前に参加した、とあるレコーディングでサビのカッティングが全然上手くいかなかったんですよ。その現場のディレクターから「君はINCOGNITOのブルーイのプレイを見たほうがいい」と言われた記憶があります。

当時は悔しくて「絶対に聴かねえ」と思いましたが、その後に自然と愛聴するようになるんですけどね(笑)。

社長:ノラ・ジョーンズも出ますし、シンガーのヴァレリー・ジューンも好き。日にちは違うけど会いたいです。あとはブラジルから来日するピアニストのアマーロ・フレイタスは天才です。

――それから現ブルーノート・レコードのCEOであるドン・ウォズも自身のバンドで出演します。

長岡:社長に少し雰囲気が似ている気がする。

社長:知人からもたまに「意識してるんでしょ?」と言われるんですよ。もちろん彼がやっていたバンド・Was(Not Was)は聴いてたけど、「ブルーノートのCEOに就任した」というニュースで再び知られた頃、僕は既にこのスタイルだったからね。

――本番に向けてのリハーサルも終えられたとのことですが、手応えはいかがですか。

社長:いつもは2曲くらい入ってもらう感じなんですけど、今回はスペシャルゲストということで長めに参加してもらうのでリズムの確認など結構突き詰めましたね。

長岡:とはいえ何回も一緒にやってますし、緊張とかはないです。

社長:メンバーの個性も理解してくれているので、みんなも演奏しやすいと思う。だから甘えちゃうんだけど。でもリハはリハ、本番は本番ですから。

長岡:本番が全然違ったりするんですよ。社長の目がサングラス越しでもわかるくらい爛々すると、盛り上がって曲のサイズが変わったり。自分たちもどうなるか、わかりません。

社長:余白を残すのがジャズですしね。想像もつかない曲もやる予定なので楽しみにしていただければ。

「Blue Note JAZZ FESTIVAL」に出演するSOIL&“PIMP”SESSIONS社長×長岡亮介

社長/Profile
SOIL&”PIMP”SESSIONSのアジテーター。ジャズの枠組みを超えたパンキッシュでエネルギーに満ち溢れたパフォーマンスは世界中で高い評価を受け、数多のビッグフェスティバルに出演中。

また、社長のもう一つの顔であるDJは、1996年より活動を開始。ジャズを軸にしながらジャンルの壁を超えた選曲で、高揚感に包まれたフロアを演出している。近年では様々なアーティストへの楽曲提供やリミックスを行うなど、作曲者・プロデューサーとしての能力も評価されている。

Instagram:@shachosoilpimp
X:@SHACHO_SOILPIMP

長岡亮介/Profile
神出鬼没の音楽家。ギタリストとしての活動の他にもプロデュース、楽曲提供など活動は多岐にわたる。「ペトロールズ」の歌とギター担当。

Instagram:@nagaokaryosuke
X:@nagaokaryosuke

■公演情報
「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN」

日程:2025年9⽉27⽇(⼟)、28⽇(⽇)
開場12:00/開演13:00(両⽇ともに)
会場:有明アリーナ

出演:

<DAY1>
ノラ・ジョーンズ
テイク6 with 挾間美帆ジャズオーケストラ
ドン・ウォズ & パン・デトロイト・アンサンブル
アマーロ・フレイタス
ヴァレリー・ジューン

<DAY2>
ニーヨ
タワー・オブ・パワー
三浦大知
インコグニート
SOIL&”PIMP”SESSIONS with special guest 長岡亮介

チケット: 一般発売中/当日券あり

公式HP:https://bluenotejazzfestival.jp/

※会場では「Blue Note JAZZ FESTIVAL × Onitsuka Tiger」Tシャツ3種類も販売。

「ジャズ警察から集中砲火される覚悟で」“25年の仲”SOIL社長 × 長岡亮介が語る「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN」への意気込み

撮影=田中利幸
インタビュー&文=小池直也

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  • SOIL&“PIMP”SESSIONS社長
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この記事を書いた人

音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。

X:@naoyakoike

Website:https://smartmag.jp/

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