大原優乃インタビュー/みんなに応援される“ゆーの”のこれまでとこれから
10歳でDream5のメンバーとしてCDデビューした大原優乃さん。2014年には「妖怪ウォッチ」(テレビ東京)エンディングテーマ「ようかい体操第一」でレコード大賞・紅白歌合戦に出演するなど注目を集め、グループ活動終了後も、ドラマやグラビアなどで注目を集める存在。そんな彼女の今をじっくり聞いてきました。
「元祖マシュマロボディ」こじはるの写真集がスゴイってウワサを本人に直撃してみた!
何かをやるなら納得がいくまで
やり続ける。負けず嫌いなんです
――子供時代から芸能界から活躍されていますが、当時はどんな気持ちでお仕事に臨んでいましたか?
「そもそもオーディションを受けたきっかけが、『天才てれびくんMAX』という番組で、てれび戦士と一緒に歌って踊れるという企画でした。その番組内だけのものだったので、そのまま芸能界でお仕事をするという覚悟も、まだありませんでした。ただてれび戦士に会いたいというミーハーな気持ちだったんです。けど、そこからずっと芸能活動を続けさせていただいたことで、徐々にお仕事という感覚が芽生えてきた感じです。元々ダンスは習っていたので、ライブはダンスの発表会みたいな感覚でした」
――2017年よりソロ活動を始めて、ラブベリー専属モデルを始め、『週刊プレイボーイ』でグラビアデビューして瞬く間にブレイク。ソロで活動するようになったきっかけはどんなものだったんですか?
「高校3年生のときにグループでの活動が終了したんですが、高校を卒業したら上京すると決めていたので、グラビアのお仕事を始めさせていただきました。それと並行してラブベリーの専属モデルもやらせていただいていました」
――グラビアのお仕事に初めて挑戦されたときはどんな心境でしたか?
「最初、『週刊プレイボーイ』さんに出演させていただいたときに、自分が想像していたよりもたくさんの反響をいただいたんです。それですぐに次の週プレさんの撮影が決まったり、いろんな方にお仕事のお声がけをいただいたのがすごく嬉しかったです。自分の中では今までのお仕事とは違うジャンルへの挑戦だったので、はじめは不安もあったんですが、皆さんの声に救われた部分も大きかったと思います」
――2019年には日本で最も表紙を飾った女性タレントとして『カバーガール大賞』の大賞を受賞しました。
「カバーガール大賞は私が目標に掲げたものでした。最初にまわりのスタッフさんに相談したときは、あまりにも短期間に多くの雑誌に出ることで、飽きられてしまう可能性もあるんじゃないかと反対されたんです。けど、そのデメリットを考慮した上で、それでもやりたいという自分の意志を伝えました。そこからはスタッフさんも含めチームの目標として、一緒に目指してくださっていたものだったので、受賞できた達成感は大きかったですね」
――話を伺っていると、負けず嫌いな性格ですか?
「人と比べることはないんですが、自分に対しては厳しいほうだと思います。なにかやるからには自分が納得できるところまでは到達したい。その性格は小さい頃からで、昔、硬筆を習っていたんですが、きれいな文字が書けなくて泣きながらやってたって、お母さんが話していました。自分ではその頃のことは覚えていないんですけどね(笑)。でも、そのおかげで、今、連載のタイトルやカレンダーの文字も直筆で描いています」
スタッフさんと一緒に
作り上げていく作業に魅力を感じる
――10代最後の2nd写真集『吐息』はロングヒットになっています。
「発売から2年ちょっと経っているんですが、この間、3度目の重版が決まりました。2冊目の写真集って最初の写真集よりもハードルが高くなるんです。それをわかった上で、何ができるのかということをスタッフさんと話し合いを重ねました。10代最後なので、ロケを4回行ったり、約1年かけて丁寧に作った作品です。1冊の写真集としてはかなり大掛かりなものだったので、携わってくださったスタッフの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです」
――ご自身も10代最後ということは意識しましたか?
「高校を卒業したタイミングで1冊目を出して、10代最後に二冊目を出してという流れだったので、特に意識はしませんでした。逆に今振り返ってみて、あのときしかない自分を写真集という形で切り取ってもらえたということは、すごくありがたいことなんだなって感じています。写真集を出して2年経った今、自分自身でも見返したりするんですが、見た目だけでなく中身も自分で変わったなと思いますね」
――自分自身で大人になったなと感じることはありますか?
「20歳になる前の上京した頃から徐々に変化してきたと思うんですが、お仕事に対しての向き合い方が変わったと思います。それまではお仕事をいただけるまで待っているというスタイルだったのが、今は自分から動くことも大切だなと感じています。例えば、ファンクラブ限定で、セルフプロデュースで企画から立ち上げて本を制作したり、今やっているYouTubeも企画会議から参加したり。表に出るお仕事だけでなくスタッフさんと一緒に作り上げていくことを今は大切にしています」
――昨年の8月から始められたYouTubeですが、その内容を改めてご自身からプレゼンしていただきたいです。
「お芝居やグラビアなどの現場に密着していただいたりとか、プライベートの私が好きなものを紹介したり。お仕事とプライベートという2軸でやらせてもらっています。他にも元々がグループのダンサーだったので『踊ってみた』企画だったり、趣味のマンガやゲーム、アニメなども紹介しています。企画会議から参加することで、自分のやっていきたい方向性もどんどん明確になってきていると思います」
――そして女優としても活躍中ですが、女優のお仕事に興味を持ったきっかけはどんなものでしたか?
「グラビアで写真を撮っていただく中で、カメラマンの方に『こういうふうに表現して欲しい』と表情や動きなどをオーダーしていただくことがあるんですが、それって撮影の中でもある種、演じている部分があるんじゃないかなって思ったときに、ちょうど舞台であったり映像のお話をいただいたことがきっかけで、自分もお芝居に興味を持ち始めました。元々、私はグループに所属していたこともあって、一人で前に出るというよりもみんなで何かを作るという時間が好きなんだと思うんです。なので、共演者の方々やスタッフさんと皆さんで作り上げていくお芝居の現場がとても楽しいです」
共演者の方と再会したときに
さらに成長した自分を見せたい
――LINE VISION『最後の○○』では、もしも大原優乃が『人類最後の○○』だったら?をコンセプトにスーパーヒーローやスケバン役に初挑戦した異色の作品。一風変わった主人公が巻き起こすコミカルな日常をコントで見せるショートドラマですが、こちらの作品で印象に残っていることはありますか?
「今回、宮部(一通)監督が当て書き(その役を演じる俳優をあらかじめ決めてから台本を書くこと)で台本を描いてくださって、脚本だけでなく監督、撮影もすべてしていただいた愛に溢れた作品だったんです。なので、その中で何か少しでも返せたらいいなという思いで現場に臨んでいました。監督の描いた脚本以上のことができたらいいなという思いがありましたね。コメディ作品なんですけど、スーパーヒーローを演じているときに監督から『もうちょっと可愛くやってもらえますか?』という指示をいただいたんです。その言葉で『可愛く見せたい』とかっていう思いが吹き飛んでしまうくらい『コメディ』という要素に力を注ぎ込んでいたんだな、って自分で気がつきました」
――“こんな大原優乃が見てみたい”という監督の願望が詰まった作品ですが、ご自身の中で一番お気に入りの役は?
「脇役です。この作品の主演でありながら、役の上で脇役を演じるということに面白さを感じました。また私が演じた京子という人物は、脇役ならではのプライドとかステータスを重要視しているんです。ちょっとイラッとしつつも、可愛くもあったりするんですね。そこが、宮部監督の独特の世界観だからこそできた作品だなと思いました」
――日常を描いた作品ではないだけに大変だった部分やこだわったことはありますか?
「脚本を読み込んでいっても、現場で共演者の方と対峙してみないとどうなるかわからない部分が多い作品だったので、とりあえず今の自分の100%をリハーサルで出すということは心掛けていました」
――普段、役作りですることについて教えてください。
「楽器を演奏する役などは、前もって楽器の練習などの準備をするのはもちろんなのですが、現場で演じ終わってもカット(演技終わりの合図)がかからなかったときにアドリブでつないでいく作業があるんです。そういった隙間を埋める作業のために、役のことを知るための準備をして現場に入るんですが、基本的には現場に入って相手の方と演技を合わせてみてから、改めて役を作り上げていくことを大切にしています」
――ドラマ特区『あせとせっけん』(MBS系)も好評のうちに最終回を迎えました。
「元々、原作が好きだったので麻子を演じることができて嬉しかったです。相手役が佐藤寛太さんと知ったときは、役にぴったりな方だなと思いました。この作品で印象に残っているのは、衣装合わせに4時間ぐらいかかったこと。原作からのヒントを取りこぼさないように、みなさんが時間をかけて丁寧にたくさん愛を注いで作った作品なので、私自身も愛が深い作品になっています」
――原作のある作品はやはり原作に沿って、忠実に演じられますか?
「最初にしっかりと原作を読み込んで、原作にあるシーンの撮影があるときは、そのシーンを必ず読んで現場に入ります。作品が進む中である程度大枠が固まったら、原作を大切にしつつも、私だからできる何かを出せたらいいなというのは模索しながら演じています」
――今回の作品で印象に残ったことはありますか?
「撮影の中盤で、佐藤寛太さんに『お芝居の相性がいいね』と言っていただいたんです。ト書きに『涙を流す』と書いていないところでも2人で泣いてしまったり、カットがかかったあとも、『いいシーンだったね』と2人で泣いたりすることもあって、本当に全力で身を委ねられる方だったので、いつも助けられていました」
――撮影以外の時間は、現場でどのように過ごされていたんですか?
「撮影自体がすごくハードで、毎日睡眠時間が3〜4時間程度だったんです。なので共演者さんと体をいたわりながら過ごしてましたね。佐藤さんは温かい飲み物をくださったり、次のシーンについて話し合ったりしていましたね。毎日20ページ近くの分量の撮影をしていたので、空き時間に2人でセリフ合わせをすることもありました」
――かなり精神力が鍛えられる現場だったのではないかと思いますが、そういった過酷な状況で自分のモチベーションを保つ秘訣は何かありますか?
「現場によっていろいろ違うんですが、今回に関しては撮影は1月で作品自体は9月とか10月の秋の設定だったので、衣装が薄くて寒い思いをすることが多かったんです。なので、自分をいたわるグッズを沢山現場に持ち込みました。マッサージガンとかいろいろ買いましたね。中でもイオンドクターのシルク素材のレッグウォーマーがよかったです。麻子さんの会社のシーンの撮影では衣装がスーツでいつも膝下が出ているんですが、私自身、末端冷え性なのでいつでも必ずつけていました」
――木ドラ24『真夜中にハロー!』(テレビ東京系/dTVで全話配信中)では、菊池桃子さん演じるマリコの娘・ミサキ役で出演されていました。
「家族モノの作品がすごく好きなので、このお話をいただいたときはとても嬉しかったです。さらに撮影の初日に、菊池さんの演じている声を聞いたときに、直感的に『お母さんだ!』と感じて、お母さんについていきたいって思ったんです。そういう瞬間に出会えることってなかなかないと思うので、菊池さんの娘役を演じられて本当に嬉しかったです。私が演じるミサキという役はちょっと不器用でツンとした女の子なので、コメディ作品でありつつも、その生っぽさを原(廣利)監督が大切にされていたので、その加減が難しかったですね」
――直近でも様々な役柄を演じていらっしゃいますが、今、“女優のお仕事の魅力”はどういう部分にあると感じていますか?
「いろんな方とご一緒して、ご一緒させていただくたびにいろんな学びが必ずあるんです。だから、また(違う作品でも)ご一緒したいなと思う方がどんどん増えていくことが今の私の心の支えになっています。違う作品の現場で再会できたときが本当に幸せ。そして再会するまでに、もっと成長していたいなという思いで頑張っています」
自分の好きなことに
突き進んで行ける女性になりたい
――プライベートな部分もお伺いします。ご自身の理想の女性像とは?
「人間味のある人でいたいなと常日頃から思っています。普段からどこか遠慮してしまったりする部分が多いので、もっと自分を大切にして、自分の気持ちに鈍感にならないようにしたいなと思っています。女性像でいうと、自分の好きなことに自信を持って、探究心を持って突き進んでいく女性が素敵だなと思うので、私自身も好きなことに打ち込んで引き出しを増やしていけたらいいなと思っています」
――目標としている女優さんは?
「事務所の先輩なんですが、川栄李奈さんにすごくお世話になっているんです。『3年A組』で共演させていただいて、そこから仲良くしていただいています。お洋服をくださったり、毎年お誕生日プレゼントをいただいたり。前に『ゆうちゃんの夢を見たんだけど、元気にしてる?』って連絡をいただいたことがあって。いつも気にかけてくださって、川栄さんの優しさに助けられています。ご飯に行ったときもいつもいろんな相談に乗っていただいています。あとは、現場で川栄さんの女優としての凄さを生で体感しているので尊敬している先輩です。私も後輩にお洋服をあげたりとか、先輩にしていただいて嬉しかったことを、これからは後輩にしていけるようになりたいなと思っています」
――10代から芸能活動をしてきたことは自分の強みになっていますか?
「グループでの活動とソロでするお仕事の内容は全く違うので別物ではあるんですが。でも、私の中にある基盤はグループ時代にスタッフさんが育ててくださったもの。礼儀であったり、お仕事に対する責任感は、大人になると自分で身につけていくしかないですが、グループ時代にスタッフさんがすごくサポートしてくださったので、それが今も役に立っていると思うし、感謝もしています」
――おうち時間で楽しみにしていることは?
「お風呂ですかね。最近サウナにハマっていて、スケジュールが少しでも空くとサウナに行けないかなってウズウズしてしまうくらい。それでおうちでどうにかできないかと考えて、お風呂に暖房をつけて熱風を浴びながらお風呂に浸かるというサウナ風の空間をオリジナルで作って楽しんでいます」
――自炊をしたりは?
「(コロナ禍の)緊急事態宣言の頃は毎日自炊をしていました。地元は鹿児島で、お母さんの手料理が大好きなんです。なので、テレビ電話をしながらお互い料理をして、どっちが美味しく作れるかの勝負をしたりとかしてました。お母さんの料理では煮物が好きなので、私も煮物をよく作っています」
――様々な恋愛ドラマにも出演されている大原さんですが、現在の恋愛観は?
「歳を重ねていくにつれて、お友達が増えるきっかけが狭まってきている気がするんです。新たな方に出会って、直感で仲良くなりたいなと思ったら、お話させてもらったりするんですが、基本人見知りなので、自分からはなかなか行けない。そういう意味では、出会いがなかなかないけど、恋愛観としては、尊敬のできる方がいいなと思っています。自分が悩んでいるときに言葉はなくてもただ聞いてくれたりとか、そばで寄り添ってくれる人がいいですね。私も相手にとってそういう存在になれたらいいなと思います」
――結婚願望はありますか?
「30歳くらいにしたいなと思ってます。占いや守護霊が見える方に見ていただいたときは、決まって28歳って言われるんです。以前、星ひとみさんにお会いしたときにも言われて、私も信じています(笑)。子供がすごく好きで、幼稚園の先生になりたいという夢を持っていた頃もあったので、子供は欲しいです。家族でお揃いのスニーカーを履いてお出かけしているファミリーを街で見かけたりすると、ニヤニヤしちゃう(笑)」
――この春夏のお洒落計画についても伺いたいです。
「昨日買って今日着てきたんですが、ここ2年くらいデニムのセットアップが欲しくてずっと探していたんです。お気に入りにやっと出会えたので、この春はそれが活躍する予定です」
――男の子のファッションならどんなスタイルが好きですか?
「smartではスニーカー企画に出演させていただいたことがあったんですが、スーツのセットアップにスニーカーを合わせていたりだとか、ジャケットのインナーが白Tシャツだったりとか、カチッとしたものを着崩したファッションが素敵だなと思います」
――この春夏、楽しみにしていることはありますか?
「春から車の免許を取りに行くんです。私は大学に通えなかったので、久々の学校みたいな気持ちでワクワクしています。それで免許が取れたら、サウナ旅行に行きたいです」
――いろいろな夢を叶えてきた大原さんですが今後の目標は?
「お芝居を頑張っていきたいというのが一番大きな軸ではあるんですが、グラビアやYouTube、その他のお仕事にも挑戦を続けて、自分の引き出しを少しでも増やしていけたらと思っています」
Profile/大原優乃
おおはら・ゆうの●1999年10月8日生まれ、鹿児島県出身。2009年に行われた『天才てれびくんMAX』(NHK)の全国オーディションを経て、ダンスボーカルユニット「Dream5」のダンサーに選ばれる。グループの活動と並行しモデル活動をスタート。2016年のグループの活動終了後はソロで活動。2017年にはグラビアデビューを果たす。女優としても注目を集めドラマ『3年A組―今から皆さんは、人質ですー』(日本テレビ)、『ゆるきゃん△』(テレビ東京)などの話題作に出演している。
大原優乃公式インスタグラム
大原優乃公式ツイッター
写真_大村聡志
スタイリング_徳永貴士
ヘアメイク_白水真佑子
インタビュー&文_佐藤玲美
編集_熊谷洋平
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