「池田エライザ×橋本愛が語る“異様なひと夏“」映画『リライト』で体感する青春の原体験
執筆者: ライター/石野志帆
「ひと夏の異様な経験を」映画『リライト』が届ける青春の“原体験”
——メイキング映像で、300年後の未来から来る保彦役の阿達慶さんの配役について、池田さんが「大納得!」とおっしゃっていたのが印象的でした。
池田 大納得でしたね。阿達くんとは年が10個ぐらい離れているんですが、このくらいの年の差があると、完全に共有することはできない経験を持っていると感じました。(阿達さんの世代は)コロナ禍に学生時代を過ごしていたりとか、こちらがわかっているつもりでも実は全く知らない時代を経験していたりすると思うんです。だからこそ、未来人らしく感じたのかなと思いました。「今の子ってこういう感じなんだ~!」というのも、ある意味一つの“未来人”のヒントになったのかな、と。
――実年齢が10個下ながら同級生役を演じられたわけですが、橋本さんは阿達慶さんへの印象はいかがでしたか?
橋本 これは私の感覚なんですけど、「自分より若い人ほど先輩」と思うところがあるんです。劇中のセリフで、(倉 悠貴さん演じる同級生の)茂が保彦に対して「俺のほうが300年先輩なんだぞ」というのがあったんですが、それを聞いて「あれ?逆じゃない?」と一瞬思ってしまうようなパラドックスが自分の中で起きていました(笑)。確かに阿達さんは人とは違う空気感をまとわれていると思いました。良い意味での“違和感”があったので、未来人と言われても「それっぽい!」という感じもしましたね。ちょっと違う星から来たような感じもあったので、存在の説得力はもちろん抜群だと感じました。
——改めて、映画『リライト』の見どころをお願いします。
池田 映画はみなさんからお金と時間をいただくエンターテイメントではあるんですが、「この時間にこの作品を観るために、お金を使う」と、自分の人生の時間を自分で決めた行動でもあると思っているんです。なので、自分が関わった映画を宣伝するときに何を伝えるべきすごく迷うんですが、この映画に関しては、一貫して「“ひと夏の異様な経験”という原体験を提供できる」と思っています。みなさんがどういう青春を過ごしたかは存じ上げないけど、劇場でその経験を体験してもらえるのではないか、と思います。
橋本 私は、タイムリープものや SF として、この映画のいろんな仕掛けを楽しんでいただけたらいいなと思います。劇中、友恵のセリフで「未来は変えられる」というようなセリフがあるんです。実は私、それこそ10年くらい前まで「自分は絶対に変わらない」と思っていたんですよ。生まれ持ったものや自分の根本的な部分は、どう頑張っても絶対に変えられないと、どこか諦めていました。でもすごく頑張った結果、変えられたんです。未来は変えられる、自分は変えられるという一つの実証のようなものを、この映画で感じていただけたらいいなと思います。
Profile/池田エライザ(いけだ・えらいざ)
1996年4月16日生まれ、福岡県出身。ファッション誌『nicora』でグランプリをとり、映画『高校デビュー』で俳優活動を開始。映画『夏、至るころ』(2020)で監督業、ELAIZA名義で歌手など幅広く活躍している。
Profile/橋本 愛(はしもと・あい)
1996年1月12日生まれ、熊本県出身。2009年からファッション誌『seventeen』の専属モデルを務め、映画『告白』(2010)や、 NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(2013)等の出演が話題なる。近年の主な映画出演作に『熱のあとに』(2024)、『ハピネス』(2024)、『劇場版 アナウンサーたちの戦争』(2024)、『早乙女カナコの場合は』(2025)など。
この記事を書いた人
TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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