“笑顔”と”鬼気迫る演技”のギャップに心を奪われる――LIFULL ALT-RHYTHM・雪乃が語るDリーグ2年目の挑戦来季の抱負とプライベートも語る
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
舞台は自分を自由にしてくれる味方
――チームで仲のいいメンバー、頼れる先輩などはいます?
雪乃:仲の良いと思うメンバーはGOさんですね。音楽の好みが似ていて、話したり勉強させてもらっています。頼れる先輩は永井さん。自分が高校生の時から知られているので、なんだか相談して安心感があります。
――今シーズンで一番印象に残ったショーケースを教えてください。
雪乃:自分は出ていませんが、永井さんが振り付けを担当して、さらにSPダンサーにKosukeさん、Macotoさん、Maridさんの3名が参加してくださったROUND.5『Nocturne』は印象的でした。
後半からアルトリとしては珍しいニュースタイルなヒップホップできっちり音にハメていく形式になっています。私はKosukeさんにも習っていた時期があるんですよ。だから永井さんと合わせて、自分の先生がふたり出ているのが感慨深かったですね。
――エースを担当されたROUND.11『声なき旗』では、詩を読む声に合わせて鬼気迫る演技だと感じました。見事に点数も獲得しています。それについても振り返っていただけますか?
雪乃:特に緊張せず平常心でやりきりました。踊り出したら後戻りできないし、練習のほうがプレッシャーを感じた気がします。エースのセクションが序盤に配置されていたら、また違ったかもしれませんね。
ただ最後に事件があって……、床で転がったときに小道具の板に踵(かかと)をぶつけてしまったんですよ。痛いのを堪えながらエンディングで立ってます(笑)。あれは一週間くらい痛みました。
――本番に強いタイプ?
雪乃:そうなのかな……。長いこと、ひとりでコンテストに出ていたんですけど。ステージが自分にとって安心する場所というか、味方になってくれる感じがするんですよ。昔から大好きです。
10代のときは自己表現が苦手で、ダンスしかできなかったから「舞台に立ったときは自由になろう」と思って感情を爆発させていました。
――人見知りだった?
雪乃:そうなんです。私が全然話さないし、笑わないし、母親の陰に隠れてばっかりだったので「体で表現するものが合うんじゃないか」と考えたみたいなんです。そうしたら見事にヒットした感じ。
ダンスがなかったら、心にある感情をどう発散していいかわからなかったと思います。私にとっては本当に大事なもの。
――現在の雪乃さんからは想像できません。
雪乃:ダンスで繋がった人と話せるようになっていきましたね。でも言葉で表現できないという面はそこまで変わってないかもしれません(笑)。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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