ハリポタ新展示がガチで魔法!「炎のゴブレット」完全再現の夏が来た【見どころガイド】
執筆者: ライター/黒川すい
コスチュームデザイナーが明かす衣装の秘密に迫る!
ローラン・ガンシー氏
続いては、職人たちの高度な技術と芸術性がたっぷり詰まった衣装に注目。スタジオツアー東京初披露のものも到着しているそうで、映画ファンにはたまらない構成となっていました。映画「ハリー・ポッター」シリーズでコスチュームを手掛けているローラン・ガンシー氏が明かす、衣装の秘密にも迫りつつ、ここでは3つをピックアップしていきましょう。
1.第二の課題でのハリーの服装
精巧につくられたロンの水中ダミー人形をはじめ、第二の課題に登場する衣装たちが展示されています。ガンシー氏曰く、この映画の中で最も印象に残っている思い出のひとつが、このシーンの撮影だったそう。異なる生地や色が水中でどのように見えるかを検証するため、試行錯誤を繰り返したのだとか。
例えば、ハリーの衣装の元の色(バーガンディ)は、水に入るとほとんど黒に見えてしまいました。そのため、撮影時にはより明るい赤を使用し、結果としてフィルム上で深みのあるバーガンディに見えるよう調整しているとのこと!
2.死喰い人(デスイーター)の進化
死喰い人の衣装の変遷は、大きく分けて3段階あるそう。まず、クィディッチ・ワールドカップで初めて登場する彼らの衣装は、威圧感と匿名性を重視したデザインが特徴。続く映画『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』や『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、デザインがより構造的で準軍事的なものへと変化していきます。
レザーや装甲の要素を取り入れ、戦闘向けの戦いへと進化。マスクは、精巧な彫刻が施された金属製となり、個々のステータスや個性、富を反映しているのだとか。さらに映画『ハリー・ポッターと死の秘宝』における最終形態では、完全なる軍事化&政治的支配が、デザインのコンセプトに。並べて観ることで、死喰い人の立ち位置の変化を強く実感できますね。
3.ハーマイオニーのドレス
クリスマス・ダンスパーティのハーマイオニーの衣装も観ることができました。うっとりしてしまうほどの美しさ……、この中には「変身、伝統、個性を象徴するものとして、強いストーリーテリングの要素を持たせている」とガンシー氏が語りました。原作とは異なる色のドレスを身に着けているのにも理由がしっかりあるそう。
氷のような青、銀、白のトーンで彩られた大広間で彼女の存在を一層引き立たせるため、そして、フラー・デラクールと視覚的に区別するため、など様々です。また、ハーマイオニーの“シンデレラ・モーメント”とも言えるこの場面を表すのに、ピンク、特に柔らかいブッシュピンクは、最適だったのだとか。伝統的にロマンスや女性らしさ、温かみを象徴する色をあてがうことで、よりロマンティックでフェミニンな変身の演出に成功しています。
この記事を書いた人
アパレル業界に勤めた後、フリーライターに。ファッションはもちろん、グルメ、エンタメ、お出かけ情報など幅広いジャンルの執筆経験あり。ウェブを中心に活動中。趣味はアートトイの収集や喫茶店巡り、読書。
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