【SNSで最もバズるトランぺッター】Z世代の音楽家・寺久保伶矢は「音楽への愛を叫び続ける」ジャズ内外の偏見を超えた1stアルバム語る8月30日、表参道WALL&WALLでリリースライブ開催
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
インスタ300万再生の裏側
――僕が寺久保さんを知ったのはドラマー・窪田大志さんとのデュオ演奏の動画だったのですが(現在約300万再生)、Instagramでの発信を始めたのはいつからですか?
寺久保:2018年から始めました。北海道を中心に活動していた高校時代までは、「流行りに乗って動画を上げるのはダサい」「下手だから乗せたくない」というようなネガティブな感情があって、観に来てくれた人からの「SNSに上げてもいいですか?」という要望も断っていたんですよ。
動画を上げ始めたきっかけは、「自分の足跡を残して、成長や人生を確かめられることに意義があるんじゃない?」という両親の言葉。でも、シンプルに楽しいことがしたかっただけの自分もいると思います(笑)。
――手応えを感じ始めたのはいつ?
寺久保:2023年の年末、急に動画が伸び始めました。ハービー・ハンコック『Maiden Voyage』のメロディを吹くだけの動画が100万回再生超えして。今日も履いてるカラフルなパンツに目が留まったのかなと考えているんですけど。
――ファッションのこだわりもあるのですか?
寺久保:特にないですね。服を見に行って、好きなものを組み合わせているだけなので、音楽や料理と似た感覚。今年の目標は着たことのない服に挑戦することです。新しいものに触れるときが毎度楽しいので。
――世界中の人からSNSを通じて演奏を見られているので、海外に住もうとは思わない?
寺久保:いえいえ、できることなら住みたいです。日本から「みんな東京に観に来てよ!」というのは少し傲慢(ごうまん)な気もしているんです。ちゃんと同じ空気を吸って、空間の音を聴いてほしい。そして人の声と拍手を聴きたい。今年は国内外のいろいろな場所で演奏するのが目標です。
ただ僕はワサビが大好きなんですよ。寿司と蕎麦にワサビの相性が最高で、僕からすればワサビのない蕎麦はイチゴのないショートケーキみたいなもので(笑)。外国に行くと日本食はあっても、美味しいワサビがない。そう考えると、拠点は日本がいいのかなと今のところは思っています。
――理想の音楽家像はありますか?
寺久保:どうしても「俺の音楽、カッコいいから聴いてくれよ」という感じにはなれないんですよ。だから音楽への愛をひたすら叫び続けるようなミュージシャンになりたいですね。それに共感してくれた人と仲良くしていきたい。
すべてはタイミングですから、僕の音楽を好きになってくれる人は絶対に出会ってくれると信じてます。早いか遅いかの違いだけ。
――そしてアルバムのリリースライブが8月30日、表参道WALL&WALLで行われますね。
寺久保:何かの縁で、この記事に辿り着いて最後まで読んでくれたあなたに音と空気で伝えたいです。ぜひお待ちしてます。あと楽しんで帰ってほしいので、踊りやすい服装で来てください。ジャージがおすすめです(笑)。
Profile/寺久保伶矢(てらくぼ・れいや)
2001年8月4日生まれ、北海道出身。トランペッターとしての活動に加え、作詞作曲家、ヴォーカリスト、プロデューサーとしても幅広く活躍。同世代精鋭たちと結成したプロジェクト「Reiya The P.A.V.E.」では、歌とトランペットを担当。
そのほか、O-PNG(HOME)とのテクノユニット「Block Corporation」や、NAGAN SERVER、TAIHEI(Suchmos / 賽)、松浦千昇(賽 / SHAG)、Junya(D.A.N.)とのクルー「N.S. DANCEMBLE」、さらにヨルシカのサポートメンバーなど、多岐にわたる音楽活動を展開。
Java Jazz Festival 2019、Fuji Rock Festival 2023、Montreux Jazz Festival Japan 2024など国内外のビッグステージにも出演。
Instagram:@reiya_terakubo
X:@reiya_terakubo
■リリース情報
寺久保伶矢『Reiya The P.A.V.E.』
発売中
収録曲:
1.Anticipation
2.In This Freedom
3.光の果実(feat. さらさ)
4.MN’s Dilemma
5.AMENAMI(feat. 寺久保エレナ)
6.Fly Me / I Can’t Help It(feat. NAGAN SERVER)
7.Lucky Cookie(Jam Ver.)
8.Birth(Live Short Ver.)
■公演情報
「寺久保伶矢”Reiya The P.A.V.E.” 1st Album Release ONEMAN LIVE」
日時: 2025年8月30日(Sat)
開場18:30/開演19:00
場所:東京・表参道WALL&WALL
料金::前売¥4,800/当日¥5,800 (+1drink)
■予約URL
https://eplus.jp/reiya-terakubo/
■予約方法:スマチケのみ
■発券開始:一般発売日~
主催:寺久保伶矢
企画・制作:para de casa
撮影協力/aNiKi
住所:東京都渋谷区円山町1-17
Instagram:@aniki_tokyo
X:@aniki_tokyo
ヘアスタイリング/眞鍋優希
Instagram:@yuki__manabe
撮影=西村 満
インタビュー&文=小池直也
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この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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