【Nハリ尾花大輔が愛車ポルシェで登場】趣味でも仕事でも頼れる兄貴が語る「車もファッションと同じようにセンスを大切にしたい」スタイリスト服部昌孝のマシン沼。VOL.10「服部昌孝と尾花大輔とマシン沼。」
尾花さんの愛車996型GT3RS。サーキットモデルの本格スペック
服部 そうだ!今日は尾花さんとスポーツカーの話がしたくて。今、自分が所有している車のなかで調子いいスポーツタイプが240Zなので乗ってきました。
尾花 240Zに乗ってRS STARTに来るのは完璧なチョイスだよ。ここはもとより、日産の旧車をメインに扱う有名なガレージで知られる場所だから。服部くんはキャブ車?
服部 (ボンネットを開けて)そうです、SUキャブがついてます。
尾花 いいね。今自分が乗ってる車は全部インジェクション。
服部 それは尾花さんがキャブ車を乗り倒してきたからじゃ(笑)?
尾花 そうでもないよ。所有車のなかで一番古いとなると、いまはちょうどRS STARTで預かってもらっているポルシェ・964型カレラ2かな。
服部 ここでメンテナンスしてもらってるんですか?
尾花 そう。RS STARTのミヤさん(宮崎さん)とは、埼玉のトレーニングジムで知り合ってからよく話すようになったんだけど、実はミヤさんのお兄さんが元々ミツワ自動車(※ポルシェを日本に初めて輸入した会社であり、ポルシェ正規ディーラーでもあった会社)にいた方で。だからここはポルシェ乗りの間でもかなり有名な場所。今日乗ってきたポルシェ・996型GT3RSも、おかげさまで見事なまでに完璧な仕上がりにしてもらって。ここでやってもらう前と後じゃフィーリングがまったく違う。
服部 なるほど!そういう繋がりだったんですね。それにしてもこのRS、見るからにヤバそうですね。エンブレムまでステッカーになってるし(笑)。何キロくらい出ますか?
尾花 サーキットで255キロまで踏めたけど、車を最後まで信じきれなくてそれ以上は無理だった。車体はドライカーボンやポリカーボネートを使っていて、極限まで軽量化を進めたまさに速さを追求したフルスペック。最新っぽい見た目をしているけどエンジンは水冷になった最初の車で、実はかなりアナログ。アクセルワークをちょっと間違えたらすぐスピンしてしまうほど。
服部 すごいな……。いつか自分もサーキットを走ってみたくて。
尾花 いいと思う。俺はレーシングドライバーの織部学選手から、サーキットレッスンとかを本気で学ぶことで、目線や制動距離がしっかり理解できて交通事故も減らせると教わった。
服部 たしかに。その通りだと思います。
尾花 あとは隣に人を乗せる場合、ドライビングで不快な思いをさせてしまうのは嫌じゃない?運転は学んだ分だけちゃんと上手くなるから面白い。俺がサーキットを走る理由は、車の性能を存分に引き出すこと以外に、日常生活で正確に運転できるようにしておきたい気持ちも大きいかな。
服部 よし、俺もライセンスを取ろう!あれ?尾花さん、ステッカー貼ってますね。抵抗ないですか?
尾花 全くないよ。むしろこの車は純正で仕上げていくと、ファッションじゃなくなる気がするから。
服部 なるほど(この車にさらっと遊び心ってスゴすぎるけど……)。パリのカー(KAR/L’Art de L’Automobile)とかも見ていてセンスあるなって感じるものの、どちらかというと俺はあえての純正にファッション性を感じるタイプかもです。
尾花 そういう捉え方もあると思う。彼らはレーシング系の独特なグラフィックや色彩をアイテムにうまく落とし込んでいたり、見せ方が本当に上手だよね。
服部 今自分がこうやってマシンに振り切ってるのは、一見違うことのように見えるかもしれないけど全部ファッションに返すためにやってるところがあって。
尾花 我々のような仕事をしているからこそ、自分の観点で落としこむならどうするかを考えることができるよね。俺も元々ファッションとして考えられていないモーターサイクルのスペックや、一見不自然なデザインにインスパイアされることは多いよ。
尾花 たとえばこのグローブの縫い目、外側に出てるんだけどさ。これはレーシングドライバーのアイルトン・セナが、ハンドルを握るときに内側にステッチが入っていると直接手に干渉してしまって感触がよくないから外に出すようアドバイスして生まれたディテール。このディテールがレーシングウェアにもあって、俺にとってそういうスペックを知るのがデザインする上ですごく意味のあることで。それが(自身が着るN.HOOLYWOOD COMPILE NINE SENSEのTシャツに触れながら)服作りにも活きてくるわけだから。ファッションと関係のないようなスペックを追うことで、自分の新たなファッションセンスが生まれるんだろうって思う。
服部 尾花さんとこういうふうにファッションや車の話ができるようになるなんて思わなかったから嬉しいな。免許取ってよかった(笑)。
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