「愛車はハーレーのDリーガー」ダンスと音楽の二刀流 Valuence INFINITIES・SEIYAのダンス哲学とプライベートに迫る「D.LEAGUE 24-25」レギュラーシーズン終盤戦へ
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
日本発のプロダンスリーグ 「D.LEAGUE 24-25」は、いよいよ残り4戦を残すのみ。そのなかで現在5勝2敗3分けと好成績で4位に付けているチームがValuence INFINITIESだ。ブレイキンとヒップホップ、そしてハウスの凄腕メンバーを集めた本グループをまとめるのがSEIYA。CVLoopsとしてトラックメイカーとしても活動する彼に、リーダーとしての考えやリーグのこと、プライベートなことまで聞いてみた。
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ギリギリのベストを出せたエース戦
――現在はトータルランキング4位。チャンピオンシップ(CS)に向けて順調に来ていると思うのですが、ご自身としてはいかがですか?
SEIYA:残り4戦というところですが、最初のラウンドでSWEEPして以来、常に上位をキープできていることは自信になってます。自分たちの練習は火曜日休みの平日週4回。試合がある週だと3回しかできないので、ROUNDの次の日も休まずやってます。それも今シーズン負けが少ない理由なのかもしれません。
――ROUND.9のDYM MESSENGERS戦はドローでしたが、こういった場合はどう次につなげるのですか?
SEIYA:対策はチームによってさまざまですね。DYMは個性が強いチームなので、逆に僕らはシンクロで勝つように意識しました。あと初戦から1度も落としてない審査項目「テクニック」は最後まで取りたいので、そういったことは考えています。
ROUND.9は「テクニック」と「コレオグラフ」、「シンクロパフォーマンス」の3つは取れたんですよ。取れなかったのは「エースパフォーマンス」と「ステージング」、「オーディエンス」。最初から「ステージング」か「エース」が取れれば勝てるなとは思っていたので、予想通りでした。
――SEIYAさん自身もROUND.2「引擦」のROUND.7「舞奏」でソロパフォーマンスを務めています。
SEIYA:1回目のときはエースの項目を落としてしまったのですが、自分の100%の力が出せなかったという記憶があります。だから仕方ないなというところもあった。でも内側の迷いがないようにして挑んだのがROUND.7。
実は本番の30分前ぐらいまで、どう踊るかが固まっていなかったんです。当日の空気を見て、そこから音に対する正解を出したくて。結果、それができたなと。次もギリギリのなかでベストが出るような練習をしていけたら。
――今シーズンからのルールでも特に「シンクロパフォーマンス」は賛否が分かれていますね。Medical Concierge I’moon・ディレクターのMIZUEさんがXでポストしていました。
SEIYA:僕個人としてはわかりやすくて、対策を練れる評価基準だと思います。シンクロが得意なチームはそれを鍛えればいいし、苦手なチームはエースで魅せればいい。
――今年からリーダーに就任されましたが、チームの変化などは感じています?
SEIYA:もともとチームをまとめる役割ではあったので、肩書きが変わったくらいの認識です。だから自分がやるべきことを全うしている感じですよ。
今は去年と比べてプロとしての場慣れ感が出てきていると思います。リーグに参加したばかりの頃はショーケースがギリギリまで固まらなかったりとか、納得できないまま本番に臨むことも正直あったので、練習のやり方は間違いなく向上していますね。
――何か練習方法に工夫をしたとか?
SEIYA:昨シーズンのROUND.2にSPダンサーとして出演してくれた、Booさん(現dip BATTLES・アドバイザー)と一緒に練習してから、チームの流れが一気に変わったんですよ。今まで100%だと思っていたものが、そこで自分たちは全然見えてなかったんだなと。
その後Booさんのやり方を続けていったら、勝ち上がっていけるようになった印象があります。それが今も続いている感じ。本人にそれを伝えたら、「そうなんだ?忘れてた」という感じでしたけど(笑)。自分たちも結構、素直に指導されたら「はい」とやってみるタイプなので、良いアドバイスには柔軟でいたいです。
――今シーズンで一番気に入っているショーケースは何ですか。
SEIYA:ROUND.6の『No Waste』です。相手がKOSÉ 8ROCKSということもあって、昨シーズンのCS決勝で出す予定だったショーケースを出したんです。あれはレギュラーシーズンが終わった後、CSの制作期間が短すぎて全然作る時間がないなかで死ぬかと思いながら作った力作。それをHIRO10の加入によってパワーアップできた形でした。しかも勝てたし、いろいろと重なって思い出深いです。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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