「知らないことを知らないまま生きる道もある」映画『オッペンハイマー』を観て女優・山谷花純が考えたこと
執筆者: 女優/山谷花純
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2023年公開の映画『オッペンハイマー』レビュー
©︎ 2023 Universal Studios. All Rights Reserved.
一人の天才科学者の創造物が世界を変えた。その世界に、私たちは今も生きている。
1945年8月6日、広島に。1945年8月9日、長崎に。原子爆弾が投下された。教科書にも載る、日本国民なら誰もが知っている歴史。あの日、私たちは、どれほど多くのものを一瞬で奪われ、失ったのか。
そのことだけに集中して、考えさせられる時間を重ねてきた気がする。形があるものによる影響であるのならば、それを作り上げてしまった“親”が必ず存在する。製作発表当初、日本では公開できないというニュースも飛び交った作品。
J・ロバート・オッペンハイマーという人物を、あなたは知っていましたか?私は、この作品を観て、初めて知った。
製作について
©︎ 2023 Universal Studios. All Rights Reserved.
ピューリッツァー賞受賞作品「オッペンハイマー」(ハヤカワ文庫判)を原作として、クリストファー・ノーランが脚本・監督・共同制作を務めた本作。
第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者・オッペンハイマーの栄光と没落の生涯が、実話に基づき描かれる。
世間では、「原爆の父」と呼ばれる彼が観てきた世界。それは、世の中の人に受け止められるのか?当たり前だが、その“世の中の人”には原爆を投下された日本、日本人も含まれる。
大きな影響を与えるであろう題材を扱う作品だからこそ、マンハッタン計画について残された多くの記録映像を参考に、当時の人物像や世界観が限りなくリアルに再現された。撮影では、IMAX®65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラとを組み合わせた最高解像度を実践。本作のためだけに開発された65ミリカメラ用モノクロフィルムを用い、史上初のIMAX®モノクロ・アナログ撮影を実現させた。
妥協がない制作工程から、“鑑賞“ではなく“体感”を重要視している作品だと見て取れる。
ノーラン監督作品の常連スタッフ、複数のノーラン作品に出演した俳優陣による堅い結束のもと、この映画は世に生み落とされた。
2023年7月に全米で公開されると、世界興行10億ドルに迫る世界的大ヒットを記録。これは、伝記映画としては歴代1位の記録だ。
第96回アカデミー賞では、作品賞・監督賞を含む最多7部門で受賞。世界には、知らなかった真実を知ろうとする人々がまだこんなにいたのだ。
その思いが作品の評価へと繋がった。
この記事を書いた人
1996年12月26日生まれ、宮城県出身。2007年にエイベックス主催のオーディションに合格、翌年12歳でドラマ「CHANGE」(CX/08)で女優デビュー。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13)、「ファーストクラス」(14/CX)など話題作に出演。その後、映画『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』(18)、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22)、連続テレビ小説『らんまん』(23)などに出演した。主演映画である『フェイクプラスティックプラネット』(20)ではマドリード国際映画祭2019最優秀外国語映画主演女優賞を受賞するなど、今後の活躍が期待される。
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