「ネトフリ&アマプラで観られる年末年始おすすめドラマ3選」『アンナチュラル』と『MIU404』の世界線が交わる野木作品の真骨頂!Z世代ドラマオタクが熱く解説【ネタバレ注意】
執筆者: ライター/稲田朱里
『アンナチュラル』と同じ世界線の『MIU404』(2020年)
「MIU404」Blu-ray&DVD 好評販売中
発売元:TBS 発売協力:TBSグロウディア
販売元:TCエンタテインメント
©TBSスパークル/TBS
綾野剛演じる伊吹藍は、運動神経はピカイチだが刑事の知識や常識に欠け、考える前に動いてしまう“野生のバカ”で、その相棒となったのが、自分も他人も使用しない観察眼に優れた理性的な刑事の、星野源演じる志摩一未。
はじめは溶け合うことができず、志摩から嫌われて刑事に向いていないというレッテルを貼られてしまう伊吹なのですが、物語が進むにつれ、伊吹が刑事になった経緯や刑事の仕事に情熱を持っている背景を知り、2人はお互いの行動を理解し心から信頼しあう名コンビになっていきます。
『アンナチュラル』と対照的に『MIU404』は“まだ間に合う”
交番勤務だった伊吹が第1話で機動捜査隊に配属され、初の事件を解決したそのあとに放っセリフが「機捜っていいな。誰かが最悪の事態になる前に止められるんだよ。超いい仕事じゃん」でした。
人の死から物語が始まる『アンナチュラル』と対照的に、『MIU404』では事件発生からの初動捜査を担当する「機動捜査隊」を舞台に、事件解決に奮闘する警察官たちを描いています。既に手遅れで間に合わなかったことの悔いから過去を見つめ直すのではなく、何も起こらないために誰かが守る世界を表現しているのが『MIU404』です。
“通報したプレイヤーが警察から逃げ切ったら勝ち“というネット上のゲームのルールを模倣したイタズラ通報をする高校生と向き合った第3話では、これまでイタズラ通報に対応した警官全員が犯人に逃げ切られていると聞き、伊吹が「足で負ける気はしない」と持ち前の運動神経への自信から犯人逮捕に向けて動き出します。
陸上部員である高校生たちは、部活の先輩がドラッグを売っていたことで廃部に追い込まれ、その誰にもあてられない悔しさからイタズラ通報をしていました。イタズラ通報が繰り返されている中で、伊吹たちが対応したその日に、同時期に起こっていたわいせつ事件の犯人に、陸上部マネージャーの真木(山田杏奈)が襲われてしまいます。
ここでも『アンナチュラル』との世界線が交差し、同ドラマで刑事であった毛利(大倉孝二)と向島(吉田ウーロン太)が登場。イタズラ通報犯の1人である前田旺志郎演じる勝俣くんの“本当の”「助けてください」の声に、毛利は「こっちは警察なんで。通報がありゃ調べもするし助けもしますよ」と答え、結果的に事なきを得ます。
ここで「イタズラ通報をするからわいせつ被害に合うのだ」「わいせつ被害に合わなくてよかった」で終わらないのが野木作品です。未成年だとしてもイタズラ通報は犯罪。麻生久美子演じる隊長が放ったセリフが印象的でした。
「もちろん相手が未成年だとしても、取り返しのつかない犯罪はあって、それ相応の罰は受けてもらう。だけど、救うべきところは救おうというのが少年法」。
少年法が犯罪者の名前は公表されず、まるで罪が軽いように捉えられ、少年ら自身が少年法を盾に好き放題していると議論されていた時期に、本当の意味での少年法は救うべきところは救い、罰を受けるべきところは罰するものであることを改めて認識させられる重みのあるセリフです。
伊吹や志摩を見ていると、刑事としてではなく、人として、ここまで真剣に人と向き合える人がいるのかと感じます。刑事ドラマではありますが、私的にはもう愛の作品です。大きな人間愛が人を救う愛の物語だと思っています(笑)。
『アンナチュラル』同様、面白おかしい伊吹と志摩の会話は必見です!何度も“10秒戻し”をしたくなる作品です!
この記事を書いた人
福岡県北九州市出身。新卒でベクトルグループに入社し、ファッションや美容商材、スイーツブランドなどのPRを担当。 小学生の頃の楽しみは帰宅後の再放送ドラマで、今も変わらずドラマ好き。 日本と韓国のドラマを観ることが至福の時間で、ドラマを観て好きになった俳優のファンクラブにはすぐに入り、ファンミーティングにも行くほどのオタクっぷりを発揮している。
Website:https://vectorinc.co.jp/business/pr/antil
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
この記事をシェアする
この記事のタグ