井上ヤマトは“ファッション界の大谷翔平”なのか?モデル、DJ、華麗なる人脈…“ファッションの本場”も認める男の半生に迫る
執筆者: ライター/TOMMY
井上ヤマトとファッション
――続いて2つ目のテーマは「井上ヤマトとファッション」。SNSでもブランドのコレクションやイベントに参加されている様子が沢山ポストされていますが、現地ってどんな感じですか?
ヤマト:傍目にはキラキラしているようにも見えますが、会場と会場のハシゴだったりで本当に忙しく動き回り続けるので、ゴハンも食べずに移動の車中で着替えなきゃいけないとか、結構バタバタ。でもそれよりも楽しさが勝るわけですが。新たに発表された服を見てヤバッ!と思ったりもするし、そこに集まる人たちもすごく感度の高い人ばかり。隣に座った人とコミュニケーションを取って仲良くなって、自分のコミュニティがドンドン広がっていくのを感じます。あとはパーティーをすごく楽しむんですよね。音を感じて踊ったり、まさに社交場。
――パリやミラノのファッションウィークって、とにかくスゴそう。
ヤマト:パリとミラノは、全てのファッションの原点にして最高峰の場所だと思っています。人との繋がりやローカルの空気、音楽、それに衣・食・住・遊。世界最高峰のセンスを視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚で感じ、毎回自分がバージョンアップしていくのが感じられる場所。それによって自分の新たな可能性の扉が開かれたりもしますし。
――ヤマトさんのSNSでは、アウェイになりそうな場所でもすごくホーム感があって楽しんでいるなって。一人ぼっちになったり、気持ち的にぼっちだなって感じる瞬間はありますか?
ヤマト:ないですね。もし、そう感じた瞬間があったとしても、すぐに自分から飛び込んじゃうかもしれない。海外だと日本に対して良い印象を抱いてくれている方もすごく多いので、ウェルカムな感じで、こちらも飛び込んで行けるってのはありますね。
――ヤマトさんのファッション遍歴が知りたいです。
ヤマト:子どもの頃から服がすごく好きだったので、「お年玉をもらっては、地元のデパートで自分が格好いいと思う服を買う」みたいなことは、当時からしていました。
――それって何歳の頃ですか?
ヤマト:しっかり記憶に残っているので5、6歳くらい。兄が8歳上なので、服はお下がりを着させられることがすごく多かったんですが、それが子供ながらにすごくイヤで。だって8年前に流行った仮面ライダーの服をもらっても「何これ? 今テレビでやってるのと違うじゃん!」ってなるじゃないですか?(笑)。今だったら「ヴィンテージでイイじゃん!」みたくなりますが、「いや、僕も最新の仮面ライダー着たいし!」って。
――弟“あるある”ですね(笑)。その当時のヤマト少年にとっての“1番のお気に入り服”って覚えていますか?
ヤマト:なんだろう? 中学時代はティンバー(ランド)のブーツとか履いてましたけどね。高校時代はややヨーロピアンな感じで、雑誌だと『safari』とかを読んでいたりして。ただ中高どちらも部活をやっていたため、おしゃれするっていう瞬間はあまりなかったかも。それこそ友達とコンビニに行くときに、ちょっとおしゃれをするくらいで。
――最近のファッションはどんな感じですか?
ヤマト:ストリートっぽいと思われることが多いんですが、僕の根幹にあるのはやっぱりモード。その上で、ロックっぽかったり古着だったりのアイテムをその時々で変わる音楽や気分に合わせて、ネイルやヘアスタイルとともに足し算引き算して、ファッションを楽しんでいます。
――これまでの人生の中で影響を受けた、ファッションにおけるロールモデル的な人っていますか?
ヤマト:う〜ん、特にはないかも。もちろん兄からの影響はありますよ。ネットもスマホもSNSもない時代なので、兄が買ってきたファッション誌だったり聴いていた音楽だったり。その中で、ロックにハマッた時期に、例えば「マイケル・ジャクソンかっけー!」とかはありましたけどね。今はそういった人々の要素を全部取り入れてでき上がったのが自分なので、誰かに影響されたりすることは基本的にないです。
――なるほど。では、デザイナーやクリエイターでリスペクトしている人物を挙げるとしたら?
ヤマト:それでいえば、バージル(・アブロー)のストリートとモードのミックススタイルには影響を受けたというか、見てきたなって。ファッションとカルチャーは紐づいたものですし、自分にとってもそこはハズせない要素ですね。
――周りから「次は何が流行る?」って聞かれたりしません?
ヤマト:結構、聞かれますね。今シーズンですと、〈サンローラン〉パリコレクションのショー動画を見た際に、改めて濃度のすごさを感じて。最近まではすごくストリートが気分でしたが、またちょっとモードのファッションが流行りそうな空気は感じています。
――間違いない審美眼を持っているということで、ヤマトさんに服を選んでもらいたい人も多いでしょうね。
ヤマト:「服を選んで」というか、もはや家に来て「服ちょうだい!」って言われたりも(苦笑)。最近ひどかったのが、友だちに「Tシャツ1枚ちょうだい!」と言われてあげたら、「これに合うパンツある?」「このパンツに合うスニーカーは?」って次々とおねだりされて(笑)。それで全身コーデできるように服をあげたら、それを着ている写真を送ってきてくれたりして。「ちゃんと着てくれてよかったな」って思いました。
――やさしすぎる! ご自身のファッション哲学を教えてください。
ヤマト:ファッションは答えがないから面白いというのがありますし、自分自身を表現する手段の1つなので、“楽しむ”というのは大事にしているかもしれません。そのために必要なのは“自信を持つこと”。すごくデザインの効いた難しい服も着る人が自信を持っていたら、すごくおしゃれで格好良く見えますしね。
――なるほど。ちなみにそんなヤマトさんでも自信を持って話せないような、ファッション黒歴史はありますか?
ヤマト:今、思い返すと恥ずかしかったわぁ〜ってやつですよね。なんだろうなぁ……あ、ヤリラフィー系を一瞬通った時期がありました(照れ)。当時は、それはそれとして着ていて楽しかったですけど、ちょっと今の好みとは違いますからね。
この記事を書いた人
メンズファッション誌やモノ系のWEBメディアを中心に、ファッション、モノ、アイドル、ホビーなどの記事を執筆するライター/編集者。プライベートでは漫画、アニメ、特撮、オカルト、ストリート&駄カルチャー全般を愛する。
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