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「本当の私は“まひる”じゃない。太陽が嫌いで雨が好き」甲田まひるが語る恋愛やネガティブを超える秘訣本当に自由なのは音楽よりもファッション

執筆者: 音楽家・記者/小池直也

甲田まひるが新EP『STOP ME』、12月15日に控える2度目のワンマンなどを語ったジャズピアニストとしてデビューし、現在はラップからダンスまでこなすシンガーソングライター・甲田まひる。先日リリースした新EP『STOP ME』は自身曰(いわ)く「ようやくやりたいことが始まった」作品だ。七色の音楽性を持ち、2度目のワンマンを12月15日に控える彼女の感性と、その裏にある反骨精神を紐解く。

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「まひる」とは正反対で雨が好き

甲田まひるが新EP『STOP ME』、12月15日に控える2度目のワンマンなどを語った

――EPのリリースおめでとうございます。こちらのコンセプトは?

甲田まひる(以下、甲田):特にコンセプトは決めず、3カ月連続リリースが決まってから制作が進んでいきました。当初はEPにする予定もなくて。作曲してから冬っぽい質感に仕上がった「SIDE EYE」と「I LIKE IT LIKE THAT」を「STOP ME」とまとめて、EPにしようという話になったんです。

――甘辛でいえば辛口な雰囲気の3曲で、今年1月にリリースした「らぶじゅてーむ」とは全然違うサウンドですね。

甲田:「らぶじゅてーむ」はアニメ『ぶっちぎり?!』があったから生まれた曲。自分の引き出しから自然には出ない音楽なのですが、それをきっかけに好きになってくれた人が増えたので、おちゃらけた雰囲気を「れんあいパン」でも引き続き取り入れました。そういった計算なしの今作は、やっと自分のやりたいことが始まった感じ。

――収録楽曲の制作についても教えてください。

甲田:「STOP ME」と「I LIKE IT LIKE THAT」のビートを作ってくれたのは、最近知り合ったラッパー/プロデューサーのLYNN君。「EPのアートワークを作ったり、ビデオを撮ってくれるKUGA君が紹介してくれて、その3人で遊びながら曲ができたんです。

「STOP ME」はLYNN君と別のプロデューサー・FUKU君が共作したビートが土台になっていて、それを家に持ち帰ってメロディと歌詞を録音して共有したら、デモを聴いたKUGA君が「この曲はヤバい!」と言ってくれたんです。それから速攻でスタジオに入って録りましたね。

――「STOP ME」のリリックはいかがですか?

甲田:フック(サビ)から作って、適当に歌いながら出てきたのが「STOP ME」という言葉。自分が「こうだ」と思ったことは他人には止められない。自分自身に「止まる」という意識がないし、意味もシンプルかつポジティブになりそう、ということでこれをテーマにしました。

でもヴァースを書き始めるとネガティブな言葉ばかり出てきてしまうんですよ。基本ネガティブ人間だから、どんどん落ちていって……(笑)。もちろん自分を鼓舞しつつですけど。ネガな部分を出しつつ止まれない自分を歌ったら、結果的にビートの雰囲気と世界観が合った気がします。

甲田まひるが新EP『STOP ME』、12月15日に控える2度目のワンマンなどを語った

――ということは<これ以上は無理/晴れ女のフリ>という歌詞はリアル?

甲田:もう「まひる」という名前と実像が正反対。太陽が嫌いだし、むしろ雨が好き(笑)。周りからのイメージと本当の自分とのギャップから<傘も持たずに~>という歌詞が生まれました。

――どうやってネガティブな気持ちを突破していくのでしょう?

甲田:自信をつける術は課題をクリアすること以外にありません。チームで制作しているので年上の方々と一緒に進める中で、自分が主体的に動かないといけない場面もありますし、締切に追われるのも大変だけど、いい曲を作れたら難しかったこと全部が帳消しになるんです。「無理だ」となったときに「これを乗り越えたら進めるぞ」と信じて、最後の力を振り絞って頑張るみたいな。

辛いときこそ追い込んで、自分に嘘を付かず「頑張った」と言うために必死ですね。ダンジョン突破みたいなイメージ。ピアノを習っていた先生が「コンクールに出るなら1位を狙え」というスパルタな感じだったから、チャレンジが好きなのかも。

この記事を書いた人

音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。

X:@naoyakoike

Website:https://smartmag.jp/

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