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「10年後のビジョンを明確に持つことが大事」Shigekixがパリ五輪を終えてD.LEAGUEへ電撃参戦、ブレイキンから得た確固たるビジョンとは

執筆者: 音楽家・記者/小池直也

ゴッホとピカソは比べられない

Shigekixインタビュー

――今シーズンから新ディレクターとして就任したSHUVANさんについても教えてください。

Shigekix:心強いディレクターですね。過去の活動でいろいろなチームのメンバーを引っ張ってきた経験がある方なので、この短い期間だけで既に強いリーダーシップを感じています。我々メンバーも彼にとって心強い存在でいられたら。

――D.LEAGUEは世界でも類のないダンスプロリーグですが、この意義についてご自身の観点を教えてください。

Shigekix:オールジャンルで交わるステージやバトル、コンテストは存在しますが、これだけ多くの応援とサポートのなかで戦えるのは現状D.LEAGUEだけ。これほどダンスの可能性や面白さを伝えられる大会はありません。

「これは日本のダンスシーン全体への大きな追い風だ」と思いながら、今までは外側で見ていたんですよ。だからこそ「自分は自分で盛り上げたい」という想いで活動してきた部分もありました。でも今は直に一緒に踊れる機会をいただいたので、KOSÉ 8ROCKSの一員としてリーグ全体を盛り上げられる存在になりたいです。

Shigekixインタビュー

――ジャンル関係なくジャッジするということで、リーグ開幕から一貫して採点方式について試行錯誤が続いてきました。それについてはどう思われます?

Shigekix:審判については、ダンサーのなかで「ゴッホとピカソを比べるようなものだ」とよく言われます。オンリー1の中からナンバー1を決めるのがバトル。唯一無二の個性を追い求めた上で決着が付くんですね。

その面白さがダンスにはあるので、「不明確だ」と僕たちは思ったりしません。観ているみなさんにも一喜一憂する勝ち負けの側面、パフォーマンスとそこに至るプロセス自体を楽しむエンタテインメントの側面の両方を味わってもらえたら嬉しいです。

――パリ五輪を始めとした国際大会に出場するなかで、外国にも多くのライバルがいると思います。彼らはD.LEAGUEをどう見ているのでしょう?

Shigekix:普段、国際大会で戦うライバルたちは認知していますし、最先端だという風に捉えていますよ。やっぱり「このリーグを他の国で企画できるのか?」と考えたら、現実的に可能なシーンやサポート体制であったり、認知、ファンの規模が日本以外にはありません。

この大会が開催されている様子は世界中のダンサーに大きな衝撃と希望を与えています。だからこそ、リーグの盛り上がりや活躍するエースダンサーたちが外国の人たちにモチベーションを与えているはずです。野球でいう助っ人外国人選手みたいな感じで、もっと海外からSPダンサーが参加しても面白いですよね。

パリ五輪での新種目「ブレイキン」で4位入賞を果たしたShigekixが、ダンスプロリーグ「D.LEAGUE 24-25」にKOSÉ 8ROCKSの一員として参戦

この記事を書いた人

音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。

X:@naoyakoike

Website:https://smartmag.jp/

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