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「ギリハッピー」がTikTokでバズりまくった理由をKOMOREBI本人たちに聞いてみた!10億回再生超え、世界中のスターも続々踊る曲が生まれるまで

執筆者: 音楽家・記者/小池直也

「ギリハッピー」がTikTokでバズりまくった理由をKOMOREBI本人たちに聞いてみた!10億回再生超え、世界中のスターも続々踊る曲が生まれるまで「ギリハッピー」というキャッチ―なワードとコミカルなダンスが、TikTokで10億回再生突破と空前の大ヒットとなっている楽曲「Giri Giri」。草彅剛、ENHYPEN、&TEAM、BOYNEXTDOOR、NCT WISH、BILLLIEなど、年代や国境を越えて踊られ、人気を集める本楽曲を生み出したのは、いずれも同じモデル事務所に所属するOTA、MATHEUS、MAXI、YUTA、SAMの5人で結成されたヒップホップユニット・KOMOREBI(コモレビ)だ。これほどのバズはメンバーにとっても予想外だったというが、それを彼らはどう捉えているのだろうか。制作の経緯や裏側にもフォーカスしつつ、話を聞いた。

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「Giri Giri」誕生のきっかけ

コミカルな演技も話題のOTA

コミカルな演技も話題のOTA

KOMOREBI

メンバーをまとめるYUTA(写真左)と類まれなるファッションセンスも光るSAM

――まずみなさん、このバズを受けての今の心境はいかがですか?

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OTA:こうなるとは思いませんでした。メンバーからマネージャーまで、ずっとSNSの発信を頑張っていたので、いい方向にいけてめっちゃ嬉しいです。信じられない。

MAXI:バズらせようと思って作ってないんですよ。純粋に「カッコいい音楽を作ろう」という想いで、TikTokでネタをやったらいろいろな人に踊ってもらえて。見ていなかった世界が急に現れて、自分自身がアーティストだという自覚を初めて得ることができました。

MATHEUS:僕も予想外でしたね。いつも通りやってたら、たくさんの人に発見してもらえた感じ。好きなことをやってバズったのは嬉しいですね。でも、実際に頑張ったからね(笑)。

SAM:海外でも踊ってる人がたくさんいて驚きました。「ギリ(ギリ)happy」というワードは世界共通なんだなと。

YUTA:自分たちのリアルなリリックを発信して、それを共有してもらえたことが嬉しい。今はやりたいことが多いですね。とにかく時間がないなと感じてます。

――街で話しかけられることも増えたのでは?

OTA:だいぶ増えたよね。

YUTA:みんなで居酒屋に行ったら、外で出待ちされたりとか。

SAM:「ギリギリの人だ!」みたいな。

KOMOREBI

クールかつ低温ボイスが魅力のMAXI

KOMOREBI

グループのムードメーカーでもあるMATHEUS

――バズった要因について、みなさんはどう考えていますか?

MATHEUS:やっぱり共感なんじゃないですかね。

SAM:あとは(TikTok動画の)OTAの表現力豊かな顔とか演技もあると思います。彼はバズメーカーなんですよ。

MATHEUS:確かに。彼がバックDJとして引っ張ってくれるのは見え方としても面白い。

OTA:オートチューンを使ったりビートがカッコいい曲は多いけど、最近はキャッチーなフレーズの曲が少ないと思うんですよね。そこがよかったのかも。でも、ぶっちゃけ「ギリギリhappy」ってよくわからないじゃないですか(笑)。

YUTA:メンバーの仲がいいのも好感度が高いのかな。MVの監督の哲太郎も、ダンスの振り付けの聖那ウメアグクも友達なんですよ。

――「Giri Giri」を作った最初のきっかけは?

MAXI:KOMOREBIを始めたときから一貫して「自分たちらしい曲をやろう」と考えてきました。今回はプロデューサー・RYUJAさんに僕らからリファレンスを出して、そこから作ってもらっています。ビートを聴きながら、それぞれのアイデアが嚙み合って完成しましたね。

MATHEUS:RYUJAさんは優しいし相性がいいんですよ。趣味がバラバラの各メンバーにそれぞれ的確にアドバイスしてくれて、超リスペクトしてます。この曲がバズった後にセッティングしたミーティングでも「次はこういう活動をしていこう」と言ってくれました。僕らのお兄ちゃんですね。

SAM:それから、結成する時も意識していた、クリエイター集団・BROCKHAMPTONAG Clubのなどの日本にいないノリからインスピレーションを得ることは多いです。みんないろいろな音楽を聴くのですが、主軸はヒップホップ。

各メンバーによるヴァース解説!

KOMOREBI

――印象的な言葉「Giri Giri」はどこから出てきたのでしょう。

MATHEUS:いつもトラックが完成したら、その上でみんなでフリースタイルをするのが定例なんです。それを僕らは「フック選手権」って呼んでるんですけど(笑)。今回も「今のいいじゃん」とか言いながら全員で回していたら、SAMが「ギリギリ毎日を~」と即興し始めて。

SAM:それから「ギリギリでも何かあるってハッピーじゃね?」という話になり、最終的に「ギリギリハッピー」が優勝しました。

YUTA:いつもフックを決めてから、それぞれのヴァースを考えていきます。

――ではみなさんの各ヴァースについて、リレー順に教えてください。低い声が特徴的だったMAXIさんから。

MAXI:エピソードを語るというよりも、ギリギリな心情に対して足を止めない、奮い立たせるような内容にしました。普段はメロウで歌うような音楽が好きですが、ラップも好きでビートによって声のトーンを調節します。それもあって今回は低めの声になったんです。あとOTAが後ろのガヤで入ってくれているのもポイント。

SAM:僕はメンバーがいるなかで自分がどうインパクトを残そうかと考えながら一点集中。あとは逆に自分がやらなくても補い合えるので、「何をやらないか」も考えましたね。「Giri Giri」というトピックはシンプルだから逆に難しかった。

KOMOREBI

「ギリハッピー」がTikTokでバズりまくった理由をKOMOREBI本人たちに聞いてみた!10億回再生超え、世界中のスターも続々踊る曲が生まれるまで

――なるほど。それぞれ作り込んで考えているんですね。

MATHEUS:ただ自分は「あまり考えない担当」なんです(笑)。いや、考えてはいるんですけど、SAMが出してくれた「Giri Giri」というワードへ素直に乗っかろうと。例えば<スケジュールはギチギチ/仕事も遊びもガチガチ>は僕らの日常そのまま。それぞれ別々の仕事をしているけど、思い出したらリリックを書く。先日、YUTAとSAMと僕で朝まで遊んだのですが、そのときも朝方に路上フリースタイルをやったりして。生活に音楽がある今の感じはマジで楽しい。

YUTA:僕のヴァースは当初、BROCKHAMPTONの曲をサンプリングしてラップするつもりでした。でもメンバーに「もっとYUTAを出したほうがいいよ」と言われたので、彼らのアドバイスを聞きつつ、いろいろなフロウを試したんです。すぐ歌ったことを忘れちゃうので、ボイスメモで残しながら1曲に13パターンくらい考えましたね。

特に<F!F!F!>の部分は「先のこと考えるとストレスになるし、実は幸せは身近にあるよ」という意味を込めました。「音を抜いたほうがいい」と言ってくれたのはOTA。つくづく全員で音楽をやっているなと思います。

KOMOREBI

KOMOREBI

――バズを引き起こしたダンスは誰が考えたんですか?

OTA:海外で流行っている別の振り付けがあって、SAMと僕が動画を撮るときに頭のどこかにそのダンスが頭にあったんですよ。

SAM:それを真似しようとした結果、これになりました(笑)。

OTA:他の要素も入れなきゃと思ったんですけど、それが本当に振り付けになってしまったんです(笑)。そこから徐々に変わって今のダンスになった感じですね。

MATHEUS:よく見てほしいんですけど、KOMOREBIのTikTokで真面目に踊ってる動画はないですからね。それなのに僕らの知っている有名人まで踊ってくれている……。

SAM:リリースして1カ月は宣伝を頑張っていましたが、企画を考えるのが難しいんですよ。「めっちゃ踊ってくれる人いるし、やらなくてもいいか」と考えた瞬間もありましたが、やはり反応が大きいのでもう一度頑張ろうと思ってます。

「ギリハッピー」がTikTokでバズりまくった理由をKOMOREBI本人たちに聞いてみた!10億回再生超え、世界中のスターも続々踊る曲が生まれるまで

バズに貢献した豪華インフルエンサーたち

KOMOREBI

――最初にTikTokで反応した人は誰でした?

OTA:最初はカップルのTikTokerでしたね。それからヘッドホンのエフェクトとセットでバズっていったんです。

SAM:使われている動画に飛ぶと男子は全員カッコよくて、女子も可愛い人が多いのも特徴(笑)。あと「子どもが聴くと泣き止む」という投稿もありましたね。

YUTA:「(あなたの)ギリギリエピソードは何ですか?」というのもキャッチーでよかった気がする。

SAM:一番食らったのが、使い切った歯磨き粉を振り絞ってもう一度使う動画。

MATHEUS:まさに日常の小さな幸せ。

――ENHYPENのメンバーが踊っていたのも衝撃でしたよね。

MATHEUS:彼らはフォロワー2400万。もう国を作れる勢いじゃないですか。

YUTA:おかげで元カノから2年ぶりに「すごいバズってるじゃん!頑張って」と連絡が来ました。返事したらスタンプで会話終わらせられましたけど(笑)。まさにギリハッピーですね。

MAXI:国民的スターの草彅剛さんが踊ってくれたときは「この曲が俺らの名刺になった」と思いました。

https://www.tiktok.com/@enhypen/video/7379173510318476560

――ミュージックビデオの撮影時のことも聞きたいです。

OTA:朝6時に集合してビンタされるシーンを撮ったんですよ。TikTokのときは叩いてる風だったのですが、MVの時は6発くらい本気でくらってて。女性も慣れてないのか、頸(けい)動脈とかに入れてくるんですよ。全然当てる場所が予知できなかった。なのに全カット(笑)。

MATHEUS:あれはマジで面白かった。その後MAXIにもビンタされてたし。

SAM:朝から頑張ってくれたOTAはリスペクトですよ。

OTA:しかも前日朝までDJでしたからね。ガチで寝てなかったです。

――この撮影場所は?

MATHEUS:実は僕の家なんですよ。メンバーが泊まりに来たときはリアルにああいう感じで寝てます。撮影前にガチで汚かったので掃除しようと思ったら、マネージャーが「そのままでいこう」と。リアルすぎて少しだけ気が引けましたが、その後SAMくんが全部掃除してくれました。

YUTA:飲んだ後の缶とかもそのままですね。

SAM:「HOT CAKE MIX」のMV撮影もMATHEさんの家でした。いっぱい使ってます。

MATHEUS:ちょうど全員の家の中間地点なんですよ。

――撮影の裏話などもあれば教えてください。

SAM:MAXIが何を着るかずっと迷ってたよね。緑の服を着てたのですが、慣れない色だからか「これ違くね?どっちかな……」と最後まで迷ってた(笑)。

MAXI:みんなおしゃれだから困った。

OTA:あとは走るシーンの後が印象深い。そのとき、めっちゃ暑かったんですよ。みんなやっぱバズったTikTokの映像を再現してるので、ロンTとかスウェットで。あまりの暑さに上裸になっていたら、知らない外国人のおばちゃんに写真を撮られまくりました(笑)。

SAM:みんなパンツ一丁の写真を。

OTA:「君たちクールだね!」って言ってたね(笑)。

――最後に今後の「Giri Giri」の展開について一言ずつお願いします。

OTA:バズったから覚えてもらえてると思いますが、次の曲でもカマしてると思うんで、ぜひチェックしてください。そろそろ新しい企画も動き始めちゃうんじゃないかな。

MATHEUS:今は足掛かりができた状態ですが、慢心せずに自分たちがやりたいことを形にできるように頑張りたいです。まずは一生メンバー同士で仲良くいたい。

MAXI:目の前にある壁をひとつひとつ、しっかりきっちり超えていくってことですかね。先ばかりではなく、今ある大事なものは大事にしつつ次もみんなを驚かせます。

YUTA:変わらずメンバーと楽しく音楽をしていけたら。

SAM:引き続きカマしたいですね。アルバムも出ると思うので、聴いてくれる皆さんを楽しませられるように頑張ります。

KOMOREBI –「Giri Giri」Lyrics

ギリギリ
ギリhappy
ギリギリ
ギリhappy

I’m 生き様で魅せるthe answer
曇り無きまなこでまだ見定めな
あーだーこーだ言ってる暇無ねえわ
そこで止まっちまったらgame over
だから一歩きっとshitしてもいいさ
終わりなき舵取りな
What the fuck is that?
Jewelry出現お手を拝借

これが俺のプライベート
罠があったらプランB
常に上がるアドバンテージ

君とみたあのサンセット
女、金、夢 これも3セット
途方に暮れた日々にBet

I just ma clean
I just ma clean

ギリギリ
ギリhappy
ギリギリ
ギリhappy

ギリギリ
ギリhappy
ギリギリ
ギリhappy

スケジュールはギチギチ
仕事も遊びもガチガチ(ガチガチ!)
だからいつもギリギリ
だからいつもギリギリ!
テキパキ働きながらリリックを書き出し
言ってるっ事マジガチ
だからカスは引っ込んでろー

My homie とのsign 
Even were ギリギリlife
文字通りI’m on the line 
But F F F
Never Mind of Future
Keep it up every day
Hit homerun like Shohei
Go away Im on my way

I’m sorry  I’m bad boy
満身創痍でもDon’t worry
On my way 見据えてるストーリー
くだらんTalking shorty 正味もーいい

Shake your body
You should shake your body
You should shake your body
You should shake your body

ギリギリ
ギリhappy
ギリギリ
ギリhappy

ギリギリ
ギリhappy
ギリギリ
ギリhappy

日々 I do it
飯はコンビニ
ギリギリ毎日を
ギリギリ毎日を

ギリ そう ギリ
焦るちょっぴり
ギリギリ毎日を
ギリギリ毎日を

KOMOREBI

Profile/KOMOREBI(コモレビ)
MC SAM、MAXI、YUTA、MATHEUS、およびDJ OTAの5人から成る、4MC & 1DJのオルタナティブヒップホップユニット。同じモデル事務所に所属する5人のメンバーでの仲間内で始めた楽曲制作により結成され、2023年から本格的な音楽活動を開始。

2023年11月、ウィルキンソンブランディングプロジェクトのアーティストとして抜擢され、matt cabプロデュースのコラボ楽曲「LOVE ME KILL ME」をリリース。柿本ケンサク監督のMVも公開。
TRUNK HOTELで行われた一夜限りのスペシャルイベントではLIVEも披露し、来場者限定の同曲の8cm CDが配布されるなど話題を呼んだ。

2024年5月にリリースした「Giri Giri」は、SNSを中心に話題を呼び、Bilboard Japan TikTok Weekly、TikTok楽曲ランキング、Spotifyバイラルチャートで1位を獲得し3冠を達成。配信開始からわずか1ヶ月半でTikTok にて10億回再生を突破するなど、快進撃を見せている。

それぞれがモデルとしてファッションの分野でも活躍しており、マルチなスキルを兼ね備えた彼らの今後の活動に多方面から注目が集まっている。

SAMインスタグラム:@haze_ar_sam
MAXIインスタグラム:@maxi6rz
YUTAインスタグラム:@yutanegishii
MATHEUSインスタグラム:@spicegirl.jp
OTAインスタグラム:@__ota_________

撮影=西村 満
インタビュー&文=小池直也

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この記事を書いた人

音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。

X:@naoyakoike

Website:https://smartmag.jp/

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