人気プロレスラー川田利明がラーメン屋を始めてみたらプロレス以上に過酷すぎた話川田利明『プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る(宝島SUGOI文庫)』
執筆者: smart編集部
下見をしっかりとしておかないとすべての目論見が崩れ去ってしまう!
何度か入ったことのある店だったので、俺もなんとなくわかっているつもりになっていて、そこまでしっかりと下見もせずに賃貸契約をしてしまった。
妥協もまた、「してはいけない」典型例だ。
ただ、ラーメン屋を居抜きで借りれば、厨房もそのまま使えるので、まず初期投資が抑えられる、というメリットがあるはず……だった。
ところが、いざ厨房に足を踏み入れて、俺は言葉を失った。
「なんにもねーじゃん!」
いざラーメンを作ろうと思った時に必要な機材は、何ひとつとして、そこには残っていなかった。そこにはただ使えないコンロとシンクがあるだけ。店を畳む時に持っていってしまったのだろうか?
台所だけの話ではない。エアコンもすぐに壊れた。机と椅子はボロボロ。
いや、それにしても何もなさすぎる。
この時点で「ラーメン屋を居抜きで借りるから、俺もラーメン屋になる」というチョイスがまったく意味のないものになってしまった。イチから道具を揃えなくてはいけないのだから、焼き鳥屋を始めようと、串揚げ屋をやろうと、初期投資や手間は何も変わらないのだから。これは勝手に「ついこの間までラーメン屋として営業していたんだから、何かは残っているはずだ」と決めつけて、しっかりと確認しなかった俺の凡ミスだ。あとで書くけど、借りる時には居抜きではなく、スケルトンで借りるべきだろう。そして残ったメリットは「自宅から通いやすい」だけ。
読者の人は、「何を言っているんだ。川田は甘すぎるよ」と思ったことだろう。その意見は否定しないが、思いどおりにいくことはほとんどない―つまり、素人の淡い予測なんてなんら期待できないことを伝えたかったんだ。
コンビニですら潰れてしまう地獄のような商圏で、高い家賃を払った上で、ラーメン屋を開業するにあたって必要なものをすべて取り揃えなくてはいけなくなった俺は、とんでもないマイナスからスタートを切らざるを得なくなった。
たくさんの店が短期間で撤退していく一因を、オープン前からまざまざと見せつけられたような気がした。
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麺ジャラスK
住所:東京都世田谷区喜多見6-18-7 ビスタ成城 1F
アクセス:小田急小田原線「成城学園前」駅から徒歩約12分
定休日:火曜日
営業時間 昼12:00~14:00(オーダーストップ13:30)
夜18:00~21:00(オーダーストップ20:30)
都合により異なる場合もあり。
最新情報については、「X」(旧Twitter)をチェック。
Xアカウント:麺ジャラスK店長 川田利明:@orenooudou
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※本記事は5月7日発売の書籍『プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る(宝島SUGOI文庫)』の一部を抜粋したものです。
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