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アントニオ猪木が自身の葬式で仕掛けた“イタズラ”。お坊さんが座る椅子がバラバラに……

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燃える闘魂・アントニオ猪木がこの世を去り、一年が過ぎた。いまだにその存在の大きさが叫ばれる猪木だが、最側近の一人であった“藤原組長”こと藤原喜明が猪木との愛憎秘話を明かした『猪木のためなら死ねる! 最も信頼された弟子が告白するアントニオ猪木の真実』(宝島社)が話題だ。smart Webでは、猪木との50年にわたる付き合いを経て、その死が「母の死より深かった悲しみ」であったと吐露した同著の「序章」を3回に分けて抜粋してご紹介する。(全3回の1回目)

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おふくろが亡くなったよりもショックだった

猪木さんが亡くなって、ようやく少しは受け止められるようになるのに1カ月近くかかった。そうなるまではすごい落ち込んでな。こんなことを言ったらあれだけど、おふくろが亡くなったよりもショックなくらいだったからな。その頃は、しゃべるのも嫌だったけど、みんな猪木さんについて聞いてくるんだよ。でも、「今はちょっとしゃべりたくねえ」って、いろいろ断ってた。「しばらくの間そっとしておいてくれ」って。

まあ、当時も取材は受けたけど、本当はあまりしゃべりたくなかったんだよ。しゃべると自分の宝物がだんだん奪われていくみたいなさ。記憶の宝物が薄れていってしまうような感じとか。それに新聞や雑誌を読むと、みんな猪木さんの追悼で立派なことを言ってるからよ。俺はそんな立派なことは言えねえし。俺は心の中で思っていればいいって。

俺は葬式も「行きたくない」って言ったんだよ。そしたら事務所の人間に「行ってください!」って叱られてな。「そうか、やっぱり行ったほうがいいのかな」と思って。「最後のお別れですし、藤原さんがいなかったら、みんな心配します!」って言われてな。俺は死んでから行ってもしょうがないっていう考えだからさ。

ただ、葬式に行ったら「面白い」って言っちゃいけないけど、猪木さんらしいなと思うことが起こったんだよ。お坊さんがお経をあげるために祭壇の前に来て、立派な椅子に座ったんだよ。そしたら座った途端、椅子がバラバラに壊れてお坊さんがすってーんって転んだんだ。さすがに葬式だから誰も笑わなかったけど、俺は「ああ、イタズラ好きな猪木さんの仕業だな」と思ったよ。ホント、猪木さんはイタズラ好きだったからな。普通、椅子が壊れてお坊さんがひっくり返るなんてありえないよ。だってホントにバラバラだよ。あれは誰かがやったとしか思えないもんな(笑)。やるって言っても葬儀場の人じゃないだろうし、猪木さんしかいないもんな。最後の最後まで、ハプニングやサプライズを起こそうとしたんじゃないかと。人は亡くなったあとも四十九日まではこの世にいるっていうのはホントなんじゃないかと思うよ。猪木さんがまだその辺を漂ってて、イタズラしたんだろうな。なんとなくそんな気がするね。

アントニオ猪木が自身の葬式で仕掛けた“イタズラ”。お坊さんが座る椅子がバラバラに……

1986年6月12日、大阪城ホールで行われた猪木vs 藤原戦(IWGP ヘビー級王座決定リーグ戦・Aグループ)

葬式で俺は、棺の中の猪木さんに対して「ラクになりましたね」って言った。長いこと大変だったからな。猪木さんもよく言ってたんだよ。「人なんてのは、長生きすりゃいいってもんじゃない」って。「お迎えが来たときがその時」ってしょっちゅう言ってたよ。

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