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【中川大志インタビュー】時代劇映画『碁盤斬り』で改めて気づかされた“演技”を通じて伝えたいこと

執筆者: ライター・エディター/佐藤玲美

5月17日(金)公開の時代劇映画『碁盤斬り』に出演する中川大志。主人公・格之進(草彅剛)が囲碁を囲む萬屋の手代・弥吉を演じた。

作品の題材となる囲碁はアプリで勉強。気になる対局相手は……?

――他の出演者の方とは現場ではどのようにコミュニケーションを取っていらっしゃったのでしょうか?

中川「草彅さんとはワンちゃんの話で盛り上がっていました。草彅さんと僕はフレンチブルドッグという同じ犬種を飼っているんですけど、僕は草彅さんの飼っている“クルミちゃん”が大好きで、YouTubeとかも拝見していて。なので、“うちもフレブルなんです”と、ワンちゃんの話で盛り上がりました」

――その他の方で印象に残っている共演相手は?

中川「音尾(琢真)さんが現場にカメラを持ってきていたんですが、僕も草彅さんも白石監督もカメラが好きなので“このレンズがいいんだよ”とか“このカメラのここがよくて”など、カメラの話をしてみんなで撮り合いっこしたりしていました。あまりにも盛り上がったので、僕も影響されてカメラを一台購入してしまいました(笑)」

――作品の中では弥吉が囲碁を習うシーンもありましたが、待ち時間に出演者の皆さんが碁盤を囲むような機会もあったのでしょうか?

中川「ありましたね。僕と清原果耶ちゃんはこの作品のために今回、囲碁を勉強しました。現場に(囲碁の)先生がいらっしゃっていろいろ指導してくださるのですが、僕らはまずはアプリから始めました。最初はマス目の少ない盤面からスタートしたのでわかりやすかったですね。清原果耶ちゃんとは、待ち時間に一緒にアプリで対戦したり、途中からは先生が持ってきてくださったシートタイプの囲碁で打っていました。囲碁の魅力を感じることができたし、楽しかったですね。本当に劇中の弥吉とお絹ちゃんのままでしたね」

5月17日(金)公開の時代劇映画『碁盤斬り』に出演する中川大志。主人公・格之進(草彅剛)が囲碁を囲む萬屋の手代・弥吉を演じた。

――ちなみに弥吉さんとお絹ちゃんは、劇中ではお絹ちゃんのほうが上手でしたが、実際はどちらが強かったのでしょうか?

中川「先生に聞いたりお互い教え合ったりしていたので、勝敗は半々くらいでしたね(笑)」

便利な時代だからこそ、エンターテインメントのアナログな魅力を伝えていきたい

――smart男子にこの作品の見どころを教えてください。

中川「20代前半の世代にとっては、時代劇は新鮮に感じるのかな? コミック原作の作品とも雰囲気が違いますしね。これぞ今の日本の時代劇映画という、骨太で重厚かつ、新しい感覚も取り入れた作品に仕上がっているので、僕としては若い年代の方にもぜひ観ていただきたいです」

――また、時代劇というコンテンツに対して若者離れしているという声もあったりします。時代劇に出演している中川さんとしては、特別な思い入れはあったりするのでしょうか?

中川「それは時代劇だけではなく、すべてに当てはまる話だと思うんですよね。今はエンターテインメントの選択肢がとても多いので、映画館で作品を観たり、舞台を観劇したりすること自体、ちょっと抵抗があったりする方もいると思います。テレビドラマに関しても毎週、放送時間にテレビの前でスタンバイするよりも、録画や配信で観たりする人のほうが多い時代。とても便利な世の中だけど、僕自身は情報を受け取るだけになってしまうのは、ちょっとさみしいなと思っています。今、コメントの切り抜きなんかも話題になっていますが、情報だけを頭に入れて全部を知った気になってしまうのは、やっぱりもったいない。その作品に流れる時間や空気感、そういう物理的に見えないものや聞こえないことを感じられる楽しさをなくさないでほしいなという思いはあります」

――便利すぎる世の中だからこそ、レコードプレイヤーだったりフィルムカメラなど、アナログなものが注目されるという現象も起きていますよね。

中川「時代ってぐるぐる回ってますからね。便利になると人っておかしなもので、不便なものを求めたりする。だからエンターテイメントを作る側の人間としては、受け取る側の心で感じる機会をなくさないで欲しいなという想いはありますし、そういう作品を送り出していきたいです」

(了)

5月17日(金)公開の時代劇映画『碁盤斬り』に出演する中川大志。主人公・格之進(草彅剛)が囲碁を囲む萬屋の手代・弥吉を演じた。

ジャケット¥52,800、トップス¥30,800、パンツ¥33,000、シューズ¥55,000/以上すべてラッド ミュージシャン(ラッド ミュージシャン原宿 ☎03-3470-6760)

Profile/中川大志(なかがわ・たいし)
1998年6月14日生まれ、東京都出身。2010年に映画デビュー。19年には映画『坂道のアポロン』(18)、『覚悟はいいかそこの女子。』(18)での演技が評価され、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。23年には『鎌倉殿の13人』(NHK)、『オールドルーキー』(TBS)の出演においてエランドール賞新人賞を受賞。近年の映画出演作は、映画『ブラックナイトパレード』(22)、『スクロール』(23)、ドラマ『Eye Love You』(TBS・24)、『95』(TX・24)、『滅相も無い』(MBS・24)などがある。

映画『碁盤斬り』概要

映画『碁盤斬り』5月17日(金)TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

5月17日(金)TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

ある冤罪事件によって娘と引き裂かれる男が、父として武士とのしての誇りを賭けた“復讐”を描く感動のヒューマンドラマ。囲碁を巡る人情噺として根強い人気のある『柳田格之進』という落語をベースにした物語。『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した草彅剛を主演に『孤狼の血』などの作品が映画界で高い評価を受け、本作が自身初の時代劇となる白石和彌監督がタッグを組んだ話題の作品。

©2024「碁盤斬り」製作委員会

©2024「碁盤斬り」製作委員会

出演:草彅剛 / 清原果耶 中川大志 奥野瑛太 音尾琢真 / 市村正親 / 斎藤工 小泉今日子 / 國村隼
監督:白石和彌
脚本:加藤正人

公式HP: https://gobangiri-movie.com
公式X: https://twitter.com/gobangiri_movie

写真=斎藤大嗣
スタリイスト=徳永貴士
ヘアメイク=佐鳥麻子
インタビュー&文=佐藤玲美

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  • 5月17日(金)公開の時代劇映画『碁盤斬り』に出演する中川大志。主人公・格之進(草彅剛)が囲碁を囲む萬屋の手代・弥吉を演じた。
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  • 5月17日(金)全国公開の映画『碁盤斬り』ポスター/©2024「碁盤斬り」製作委員会
  • 5月17日(金)全国公開の映画『碁盤斬り』の1シーン/©2024「碁盤斬り」製作委員会
  • 5月17日(金)全国公開の映画『碁盤斬り』の1シーン/©2024「碁盤斬り」製作委員会
  • 5月17日(金)全国公開の映画『碁盤斬り』の1シーン/©2024「碁盤斬り」製作委員会
  • 5月17日(金)全国公開の映画『碁盤斬り』の1シーン/©2024「碁盤斬り」製作委員会
  • 5月17日(金)全国公開の映画『碁盤斬り』の1シーン/©2024「碁盤斬り」製作委員会
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東京在住のライター・エディター。『smart』『sweet』『steady.』『InRed』など、ウィメンズ、メンズを問わず様々なファッション誌やファッション関連のwebでライター&編集者として活動中。写真集やスタイルブック、料理本、恋愛心理、インテリア関連、メンタル&ヘルスケアなどの本の編集にも携わる。独身。ネコ好き。得意ジャンルはファッション、ビューティー、インテリア、サブカル、音楽、ペット、料理、お酒、カフェ、旅、暮らし、雑貨など。

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