「世の中に純粋な“悪”はなくとも、“罪”はあふれている」高良健吾が衝撃のミステリー映画『罪と悪』で出会った新たな価値観【インタビュー】
執筆者: ライター/石野志帆
24年2月2日(金)より公開される映画『罪と悪』。20年ぶりに再会した3人の幼なじみが、ある殺人事件をきっかけに過去と向き合う本作は「本当の悪は何か」を問う本格ノワールミステリー。数々の作品で助監督を務めてきた齊藤勇起氏がオリジナル脚本と監督を手掛ける。smart Webでは、“荒んだ家庭環境に育ち、現在は闇の仕事も請け負う建設会社の社長”の阪本春を演じた高良健吾さんにインタビュー。構想段階から監督と語り合うなどして「特別なものになった」という本作について、想いを聞いた。
目次
「GUとストレンジャー・シングスが再びコラボ!」全4シーズンを振り返る圧巻のラインナップ
2月2日公開映画『罪と悪』の主演・高良健吾インタビュー
近所だった齊藤監督と構想語り実現したことに「感動した」
――今作に携わるにあたって、監督である齊藤勇起氏から直接オファーをいただいたそうですね。
高良健吾(以下、高良) 齊藤監督とは助監督時代に現場で会って以来10年くらい知り合いで、一時期近所に住んいでたことがありました。それで齊藤さんと会うようになって、「こういう企画を考えているのですが、どう思いますか?」という話をいただいて。一緒にカフェに行ったり、近くの公園で話したりしながら、段々と『罪と悪』っていうストーリーの形が作られていく段階を僕はそばで見ていました。
――そのようなかたちでオファーをもらうことは、これまでもあったんでしょうか?
高良 初めてです。だから楽しみでもあり、感動的でしたね。「こういう映画を撮りたい」「いつかは一緒に仕事したい」とか、そういう話はよくあるのですが、それが形になること自体、稀(まれ)なんです。だからこそ「形になったらいいな」と思っていましたし、実際上映することができて感動しています。
――高良さんが演じた阪本春は“荒んだ家庭環境に育ち、現在は地元の不良たちを集めた闇の仕事も請け負う建設会社の社長”ですが、演じるうえで心がけたことを教えてください。
高良 こういう役だからこそ、わかりやすく“オラつく”こともできると思うのですが、僕はそういうふうに表現したくありませんでした。怖い場面で怖い表情をしたり、1個1個反応しまくったりすることは違うと思いました。ただ、懐の深さがある人だと思うので“小物に見せたくない”っていうのはずっとありました。仲間に悪いことをさせているときに、笑いながらレジ打ちしてる……とか、そういう部分こそが怖いと思っていて。この人が持っているそうした“歪(ゆが)み”のような部分はいろんなポイントで出していかなきゃいけないな、と思っていました。
――会社の部下たちとのシーンは迫力がありました。
高良 僕の部下を演じてくれたのは福井(ロケ地)の人たちで、“半グレ”とかでは全くないけど「本物かも」って思うくらいの気合が入りまくっていて。自分が「あまりオラつかなくていい」「淡々としていていい」と思ったのは、みなさんがちゃんとオラついてくれていたからでした。演技経験がない地元の方たちだったのですが、本当にいい人たちなんですよ。そういう人たちがバックにいてくれるからこそ、みなさんの表現を信じて演じられることができました。
この記事を書いた人
TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
この記事をシェアする
この記事のタグ