【生駒里奈×山谷花純 仲良し女優対談】“りーくん”は男前な女なんだぜってもっと世の中にアピールしたい!
執筆者: ライター・エディター/佐藤玲美
生駒里奈は男前な女なんだぜって
もっと世の中にアピールしたい!
生駒 私は花純ちゃんのお芝居がすごく好き。初めて観たのは舞台なんだけど、そのときの本気でやっている感じが好きで。片手間とかじゃなくて本気で生きている感じがすごく印象的だったの。芝居をしているときに、脚を打ってアザができちゃっているんじゃないかなって心配になるくらい、猪突猛進に目の前のことに集中していたのが鮮烈だった。人としても好きだし、そのお芝居も好き。お芝居が好きという部分もだし、性格的にも根本的に似ているのかなって思う。私は元々乃木坂46というグループに在籍していていろんなタイプの女の子を見てきたけど、その中にはいなかったタイプで。花純ちゃんは自分のすべてをさらけ出して演じているように見えたんだよね。
山谷 りーくんは、世間の印象と5年間一緒に時を重ねてきた私の印象とは違っていて。やっぱりグループの印象も強いから「ヒロイン」的なイメージがあると思うけど、実はもっと男前な女だぜっていうのをね、もっと伝えたい(笑)。
生駒 そうなんです。私はヒロインじゃなくて主人公なんです。
山谷 そう。少年漫画で言うところの主人公タイプ。
生駒 周りの方がこんな役で生駒里奈を起用したいって思ってくれている以上に、男の子として扱ってくれたほうが、絶対に作品としてうまくいくよって思ってる。花純ちゃんは圧倒的ヒロインタイプだから、わたしと花純ちゃんで主人公とヒロインができる作品があったらいいなって思う。例えば『ロミオとジュリエット』だったら、私は絶対にロミオがやりたい派。
山谷 私はやっぱりジュリエットがやりたい派。今までお芝居の仕事をしてきて「お芝居ってどういうものか」っていうのも見えてきたりした?
生駒 どういうものかはまだわからないけど、私にとって(お芝居をしている時間が)生きていると思える瞬間。なんのために生まれてきたのかって考えたときに、お芝居をやっているときが一番楽しいし、生きている意味があるなって思う。いろんなジャンルのお仕事をやらせていただいている中でも、お芝居をしているときが一番楽しい。板(舞台)の上に立っている約2時間はストレス発散の場でもある。本番のためにその前の稽古でめちゃくちゃストレスを溜めているくせに、本番になったらストレスフリー(笑)。
山谷 そういう風に思えるきっかけの作品があったってこと?
生駒 今までやり続けてきて、今年くらいからそう思えるようになったんだよね。今までは反省ばかりで悩んでいたけど、2023年になって少しずつ余裕が出てきた。しいてきっかけを言うなら、ソロプロジェクトの舞台『僕とメリーヴェルの7322個の愛』かな。信頼している少年社中を主宰している毛利さん主導で、私にとってのライバルでもあり兄貴的存在の(俳優)松田 凌くんと同じ作品の主人公の男性バージョンと女性バージョンをそれぞれ演じたのね。それで私の中でも、ファンの皆さんにも「これから役者でやっていくからよろしくね」っていう意思表示ができたかなって。
山谷 私は一人芝居ってやったことがないんだよね。やっぱり楽しかった?
生駒 すべての責任を自分で担えることがすごく楽しかったよ。私は30歳になったらまたやりたいなって思ってる。一人芝居をやったおかげで(役者を続ける)覚悟が決まったんだよね。逃げていちゃダメだなって思って、(もっと芝居を)うまくなろうって思えたんだよね。
山谷 お互い、舞台を通じて出会っているんだけど、私はまだ舞台に対しては「お邪魔します」という感覚で、まだ仲間に入りきれていないなって思っていて。だからその価値観の違いも面白いよね。
生駒 私は映像のほうが「お邪魔します」っていう感覚かな。
山谷 私は映像の現場のほうが自由に動ける。時間割もコンスタントに進んでいく感じが自分のせっかちな性格にも合っている気がするな。この間、久しぶりに映画の現場に入ったときに、「あれ?まだワンシーンしか撮ってない」って時間の流れがゆっくりに感じたんだよね。それまでは映画の丁寧な撮影の進め方がステキだなって思っていたんだけど、ドラマに出てパパっと短期集中型で進んでいく感じに適応しているんだなって思ったときに、自分の中の変化を感じたんだよね。もちろんどれも好きなんだけどね。いろんな現場で様々な方とお会いするけど、りーくんから見てかっこいいと思う大人ってどんな人?
生駒 いろんな方がいるけど、印象に残っているのは南果歩さん。キャリアがあって輝かしい経歴をお持ちの方なのに、現場の全員に優しくて明るくてチャーミング。果歩さんがいるだけで心が和むし、ずっと見ていたいっていう魅力の持ち主。自分とは同じタイプではないけど、果歩さんのように、いるだけで周りを和ませられるような大人になりたいなって思う。
山谷 異性だったら誰?
生駒 前から言っているけれど(松田)凌くんになりたい。『トゥーランドット』という作品で共演したときの凌くんの死にもの狂いな姿がかっこいいと思ったのと同時に、こんなに頑張らなきゃいけないんだって衝撃を受けたんだよね。板の上での佇まいがすごいなって思う。
山谷 私も凌くんと共演したことがあるけど、私はりーくんと共演していた二人の舞台を客席から観ていて、演技で切磋琢磨している感じがすごくいいなと思った。異性同士でもお互いを高め会える存在っているんだなって。
生駒 芝居って生き様だけじゃダメで技術も必要だと思っていたけど、(松田 凌さんのように)その人の生き様で観客を納得させられるのも技の一つなんだなって。いろんなタイプの役者さんがいるけど、そこの憧れは揺るがない。
山谷 今はコンプライアンスも色々あって、発言にも制限がかかってくるので、言いたいことを言うのが難しい時代じゃない? でもだからこそ、ここだけは譲りたくないっていうものが見えてくるんだと思うんだよね。
生駒 最近思うのが、失敗を恐れている人が多すぎるということ。失敗して恥を晒すことが経験になっていくのに、失敗しない方法を模索する人が多すぎる。だから生きづらい世の中になっていくんじゃないかって思うんだよね。私は失敗し続けてきた人生で、デビューして2,3年の頃にものすごく辛い時期があったからこそ、「あの頃と比べたら(今はまだ)全然大丈夫だよ」って自分に言い聞かせて前に進んでいける気がする。
山谷 どんどん個性がなくなってきているよね。SNSを見ていてもみんな同じ顔に見えたり、似たような内容を発信していたり。「みんな違ってみんないい」っていう言葉を忘れちゃったのかなって。だから、何が譲れないかって考えたら、やっぱり自分の「好き」という思い。言葉って残るものだから、人の心に残したいという思いを伝えていく意思があったらいいのになって。その発信がたとえ反感を買ったとしても、自分の意思はゆずりたくないなって思うよ。
この記事を書いた人
東京在住のライター・エディター。『smart』『sweet』『steady.』『InRed』など、ウィメンズ、メンズを問わず様々なファッション誌やファッション関連のwebでライター&編集者として活動中。写真集やスタイルブック、料理本、恋愛心理、インテリア関連、メンタル&ヘルスケアなどの本の編集にも携わる。独身。ネコ好き。得意ジャンルはファッション、ビューティー、インテリア、サブカル、音楽、ペット、料理、お酒、カフェ、旅、暮らし、雑貨など。
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