連載へそまがりスニーカー愛好家・ITOのスニーカー探訪「逸足触発」
【へそまがりスニーカー愛好家・ITOが今、履きたい一足】“オトナ顔”の別注エアウォークに熱視線。人気のローファータイプをビッとぶちかませっ!
執筆者: ライター/TOMMY
ストリートを中心としたファッション業界で幅広い人脈を擁する「伊藤商店」のITOさん。“へそまがりスニーカー愛好家”を自認し、他の人とは違ったニッチな目線でスニーカーを楽しむ彼に、いま気になる新作モデルを紹介してもらう不定期連載【へそまがりスニーカー愛好家・ITOのスニーカー探訪「逸足触発」】。自由な視点で探す自分だけの逸足、そして見つけた瞬間に爆発する物欲。周りと被らず、かつ個性も発揮できちゃう。そんな一足を教えます!
「冬遊びの相棒はサロモンのスニーカーで決まり!」ゴアテックス搭載で雪のある場所にも完全対応
ビットローファーなんだけど
ソールはスケシューという
ストリートオジさん殺しの一足
TOMMY いやぁ〜マジで暑すぎて死ぬわ(取材が行われたのは8月末です)。さて、今回も原宿で待ち合わせしているわけだけど……ITOさんどこだろ?
ITO マジでしんどいっすね。
原宿の通称”プロペラ通り”は、今日も今日とて平和なご様子。なんか右側に見切れている人がいるような……。
TOMMY (周囲を見渡しながら)声はすれども姿は見えず……。あっ!
ITO ここっスよ。
あれ、もしかして倒れている?
ITOさん、しっかりしてください! 「昼寝してました」(ITO)。やれやれ、ひと安心(苦笑)。
TOMMY どうしたんですか! この狂ったような暑さにヤラれて日射病になったとか!?
ITO いや、ちょっと早めに到着したんで昼寝してました。
TOMMY ズコー!!(ズッコケ音)。というわけで、今回は2022年8月以来、2度目となる「ビリーズエンター原宿店」です。では、早速店内に突撃! ってITOさん……なんか〈ポロ ラルフローレン〉が売ってるんですけど!
ITO TOMMYくん、ちょっと落ち着いてください。海外では当たり前ですよ。いわゆるスニーカーブティックと呼ばれる業態ですね。「キス」とか「アンディフィーテッド」とかがそう。日本でも以前おじゃました「キネティクス」なんかはオリジナルのアパレルを置いたりしていますし。
1階レジ前の什器に展開されているのは〈ポロ ラルフローレン〉のアパレルたち。
TOMMY 需要は結構あるんですかね?
ITO 日本だけなのかもしれませんが、“スニオタ(スニーカーオタク)=ファッションはイマイチ”というイメージを持たれがちなので、足元とウェアの全身スタイリングができるのはアリだと思います。ちょっと試しに試着してみましょうか。(キャップを被って)ほら、こんな感じでウェアとシューズをバチバチに色ハメしたりして。良くないですか?
キャップとシューズをバチバチに色ハメする ITOさん。さすが、ラルフローレンの扱いが上手だなぁ。
TOMMY たしかに! では、いつもの如く店内をチェックしていきましょうか。
ITO なんスか、コレ? 初めてみるけど……え〜と、〈ナイキ〉の「ウィメンズ テック ヘラ」。個人的に名作認定している「エア テラ アウトバック」にも似た雰囲気で、しかもウィメンズカラーってのがイイっスね。だって、こんなシブめの色に惹かれる女性います? いたとしたら相当プロですよ(笑)。
ナイキの「ウィメンズ テック ヘラ」¥14,300
TOMMY 公式サイトによると、2000年代初頭のランニングシューズにヒントを得て、厚底スニーカーに求めるものすべてを備えたモデルだそう。その“すべて”が何を指しているか気になるところですが。
ITO へ〜。こういったスニーカーニュースサイトにも取り上げられることのない“へそまがり”なモデルがさり気なく置いてあるあたり、さすがは「ビリーズ」っスね。おっ、これも面白いっスね♪
〈アディダス〉の「アディフォーム クライマクール」¥16,500
TOMMY お次は〈アディダス〉ですか。「アディフォーム クライマクール」というモデルですね。クライマクールを使ったブーティーと自然素材から作られたアディフォームの外骨格の2層構造で、強度を保ちながらも通気性に優れているのが特徴。
ITO イイですね〜。この外装部分とライナーが脱着自在という無駄な感じが、すごく僕好みで。しかもメチャクチャ軽くて、もはや〈クロックス〉並。このまま放っておくと、売れずにセールに掛けられたり、アウトレット送りになりそうなので、どうにか救ってあげたいんスけどね。とりあえず今日のところは様子見ということで。お次は、ちょっとペースアップして2足連続!
〈リーボック〉の「ジグ キネティカ 2.5 EDG」¥18,700〈アシックス〉の「ゲルライト3 OG」¥13,750
TOMMY 〈リーボック〉の「ジグ キネティカ 2.5 EDG」と〈アシックス〉の「ゲルライト3 OG」ですね。
ITO どっちも街で履いている人を見かけたら、思わず振り返っちゃうっスね。あと以前も言いましたけど、10年ほど前の渋谷・原宿界隈じゃ「ゲルライト3」といえばITOかスケシンさんかってくらいでしたからね。配色も可愛いけど、可愛すぎて上級者向けかなぁ。僕は全然問題なく履いちゃいますが。
TOMMY さすが、“へそまがりスニーカー愛好家”は伊達じゃない(ニッコリ)。では2階にも上がってみましょう。
ITO おっと! これって……〈グラビス〉じゃないか……あっ、〈エアウォーク〉じゃないっスか! 完全に初見ですけど、こんなローファータイプのモデルありました?
2階に上がると同時にツカツカ近づいていって、すかさずロックオン。めちゃくちゃガン見しています。
その姿ときたら、ガラスウインドウの中のトランペットにかじりつく少年の如し。
TOMMY たぶん、復刻とかではないんじゃないですかね。先ほど、ITOさんも話してましたが〈グラビス〉の「オジェック」はかなりヒットしましたよね。あとは〈コンバース スケートボーディング〉とかも。
悩んでます。「う〜ん、ソールもイイんだよなぁ」(ITO)。
非常に悩んでます。「ビットもたまらないし……よし決めました!」(ITO)
ITO ローファーブームなんですよ、最近。でもこれは本当にいいスね。ソールが「ワン」と一緒というのも僕ら世代のストリートオジさんには嬉しいポイントだし。じゃあ、今回の逸足はコレでいきましょう!
「この指差しポーズとか、 昔TOMMYくんに『サムライマガジン』で散々やらされたなぁ」(ITO)。目が怖いですよ!
今回の“逸足触発”は
エアウォークの
「デッキアウト SP/ビリーズ」
TOMMY え〜と、モデル名は「デッキアウト SP/ビリーズ」。おっしゃる通り、〈エアウォーク〉の代表作として知られる「ワン」と同型ソールを搭載したビットローファータイプ。アッパーにはスウェードを採用し、落ち着いた雰囲気ながらも軽快な履き心地に仕上げています。ちなみに国内では「ビリーズ」のみで展開するエクスクルーシブモデルで、お値段は¥16,500!
〈エアウォーク〉の「デッキアウト SP/ビリーズ」¥16,500
ITO へ〜ちょっと履いてみましょうか。今回もちゃんとソックスを持参しましたよ。裸足で試し履きなんかされた日には、ショップ的には最悪ですからね。スニーカー好きとしては当然のマナーです!
試し履きのために持参したソックスを履く ITOさん。「当然のマナーです!」(ITO)
TOMMY さすがです! さて、試着してみた感想は?
ブルー×オレンジのニューヨーク・メッツカラーを足元で引き締め。これぞストリート・トラッドMIX! お見事です。
取材時はソックスを着用したけど、ITOさんがプライベートで履くなら絶対ノーソックス。そちらの着こなしもぜひ見せてください!
ITO イイすねぇ〜。ビットについ反応しちゃうのは、毎朝『ラヴィット』を欠かさず観ているから……というのは冗談で、やっぱり若かりし頃に〈グッチ〉のビットローファーへの憧れがあったからでしょうね。ちなみに『ラヴィット』といえば、土曜の早朝に放送している『夜明けのラヴィット』もついつい観ちゃうんですよね。
TOMMY なんの話をしてるんだか(苦笑)。それはさておき、こういうビットローファーってどんな格好で合わせるのが正解ですか?
ITO 若い世代だとスラックスなんかに合わせがちですよね。だけど、これでキレイめにまとめちゃうと普通・オブ・普通。なので今回のように、ベースボールシャツやサッカーシャツみたいな真逆のスポーツテイストにぶち込むっていうのがオススメ。我々のようなオジさんは“あえて”とか何かとか言って、気合い入れてビッ!と決めたい時にぜひ。ジブさん的に言うと「ぶち…かませっ!」って感じでやっちゃいましょ。
(了)
今回お邪魔したのは……
「ビリーズエンター原宿店」
ビリーズエンター原宿店
(住所)東京都渋谷区神宮前4-28-20
(電話番号)03-5413-6946
(営業時間)11:00〜20:00
(定休日)無休
Profile/ITO(伊藤忠宏)
2008年に古着屋「T」を高円寺にオープン。ストリートに根ざしたセレクトが話題を呼ぶ。その後、渋谷に移転し、ミュージシャンやファッション業界人などにもファンを拡大。現在は古着や、自身が手がけるヘッドウェアブランド〈ギーク〉などをセレクトした、遊び半分のウェブショップ「伊藤商店」を運営。さらに不定期でポップアップストアも開催している。
ITO公式インスタグラム:@mr_t_ito
ITO公式HP:https://ito-store.stores.jp
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この記事を書いた人
メンズファッション誌やモノ系のWEBメディアを中心に、ファッション、モノ、アイドル、ホビーなどの記事を執筆するライター/編集者。プライベートでは漫画、アニメ、特撮、オカルト、ストリート&駄カルチャー全般を愛する。
Instagram:@tommythetiger13
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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