へそまがりスニーカー愛好家・ITOのスニーカー探訪【逸足触発】2足目:ヴァンズ 「コルファックスブーツ」@ビリーズエンター原宿店
ストリートを中心としたファッション業界で幅広い人脈を擁(よう)する「伊藤商店」のITOさん。“へそまがりスニーカー愛好家”を自認し、他の人とは違ったニッチな目線でスニーカーを楽しむ彼に、いま気になる新作モデルを紹介してもらう不定期連載【へそまがりスニーカー愛好家・ITOのスニーカー探訪「逸足触発」】。自由な視点で探す自分だけの逸足、そして見つけた瞬間に爆発する物欲。周りと被らず、かつ個性も発揮できちゃう。そんな一足を教えます!
都会派シティボーイ ITOも
思わず“釣られた”
何コレ?サイゴドアブーツ?
TOMMY:さて、好評の連載も3回目でございます。今回は本連載初の原宿上陸ってなワケで、〈ビリーズエンター原宿〉にやってきました。こちらは、北は北海道、南は熊本まで、“Tokyoから世界へ、洗練された本質だけを発信し続ける”コンセプトショップとのこと。〈ヴァンズ〉に関しては、他では見かけないようなモデルも揃っていますね。意外ですが、ITOさんはお初だとか。
ITO:そうなんですよねぇ……。ただ、ここの別注モデルやリミテッドモデルには、僕らの感覚に似たものというかシンパシーを感じるんですよね。またそれ以上に、アカウントが強い(※ブランド側から見たプライオリティが高く、人気&注目モデルが他よりも入荷されやすい店舗を指す)のがストロングポイントでしょうね。じゃあ早速、店内に突撃しちゃいましょうか!

運動会の徒競走でスタート待ちをしている小学生(低学年)のような姿勢で突入しようとするITOさん。もう少しヤル気を前のめりで表現できますか?

「こんな感じっスか? 41歳のオッサンにこんなことさせるのsmartくらいですよ」。さすがの対応力です! かなり前屈みになりました。これは今回も期待できますね!(何を?)
TOMMY:まずは1階をチェックしていきましょうか。ここでは〈ナイキ〉〈ヴァンズ〉〈アディダス オリジナルス〉〈ニューバランス〉などなど、各ブランドの最新モデルが並んでいます。
ITO:やっぱり〈ヴァンズ〉は強いですよね。〈ビリーズ〉でしか展開されていないリミテッドモデルもチラホラ。これとかどうですか? え〜っと、どうやら“アナハイムコレクション”の新作「オーセンティック 44 DX」みたいですね。紫のボディに白いペイズリー柄プリントを散らしてと……。ふ〜ん……洒落てるじゃないスか。こっちの「チャッカ」は……アニマルかぁ。嫌いじゃないすよ。

「ふ〜ん……洒落てるじゃないすか」。大して興味のないそぶりを見せつつ、サラリと褒める手練れの技。

“嫌いじゃない”らしいアニマル柄のクレイジーパターンの「チャッカ」。こちらも〈ヴァンズ〉でした。
ITO:んで、こっちは〈アディダス オリジナルス〉の……なにコレ? 「ノートン」や「アディマティック」の雰囲気もありつつ、2000年代のファッキンボリューミーなノリを感じるけど……。
TOMMY:さすがですね! こちらは「ADI2000」。2000年代初期のコート系シューズをベースに、当時のゲーム機のデザインにインスパイアされた鮮やかなカラーが特徴。スエード、メッシュ、レザーを組み合わせたアッパーでモダンに仕上げている。とのこと。公式サイトにそう書いてあります。

「なにコレ?」。未見モデルに思わず眉間に力が入るITOさん。気分を変えて上からの画角で撮影してみました。
ITO:へぇ〜。あっ、こっちから僕ら世代が好きな匂いがしますよ!
TOMMY:同じく〈アディダス オリジナルス〉の「EQT93 サンダル」ですね。1993年に誕生したランニングモデルをベースに、メッシュ素材とネオプレン素材でサンダルにアレンジしています。ご明察!
ITO:“エキップメント”シリーズですよね。このオリジナルの雰囲気を落とし込んだアレンジと素材のバランス感が絶妙ですごくイイすね。欲を言うなら、アッパーのストラップベルトの色もグリーンにしたら、よりエキップメント感が増してさらに良きですが。

お気に入りを両手にパシャリ。「僕にカラー提案させてもらったら、イイ仕事しますよ♪」。アディダスさん、ぜひ!
TOMMY:アドバイスありがとうございます。関係者の方、もしこの記事を読んでいたらぜひご参考までに! さぁ、続いて2階にも上がってみましょ! 店内入り口横の階段から上がれるって、知らない人も多そうですよね。
ITO:正直、僕も今回初めて2階に上がりましたよ(笑)。このフロア、めっちゃお洒落じゃないですか!? 〈プーマ〉のコラボものとか〈ドクターマーチン〉とかあったりして、smart読者の若い子とか好きそうっスよね。

初めての2階にテンションも上がった⤴ ITOさん。なんかポーズお願いします。そうそう両手を広げて、元気良く……「ビリざんまい!」……(苦笑)。
TOMMY:気になるモデルはありましたか?
ITO:この〈リーボック クラシック〉×〈イームズ〉の「クラシックレザー」なんですが、めちゃくちゃオススメです。これは第2弾ですが、販売店舗もかなり限られていて〈ドーバーストリートマーケット〉と〈ミタスニーカーズ〉、あとは〈SNS〉にしかないと思っていたら、〈ビリーズ〉にも置いてあるとは。ニューヨークではファッション業界関係者が結構履いていることでもお馴染みですね。僕もインスタに上げたらエーロン(※エーロン・ボンダロフ。元〈シュプリーム〉創設期メンバーの1人で、元〈エニシング〉のディレクター。現在は自身のブランド〈4WD〉主宰)から“いいね!”がつきましたから。実際、〈シュプリーム〉クルーもみんな履いているし盛り上がっていますね。うん? これまた初めて見る〈ヴァンズ〉があるんですけど……。

ITOさん鬼プッシュの〈リーボック クラシック〉×〈イームズ〉の「クラシックレザー」。〈シュプリーム〉クルーも履いているなんて言われたら、買うしかないじゃないっすか!
TOMMY:なんですかね、コレ? え〜と「オールドスクール テーパード DX モジュラー」というモデルみたいですね。
ITO:へぇ〜、ベースは「オールドスクール」で、ソールカバーを装着できる仕様なんすね。ってことは自分の持っているオースクにも装着できるんじゃないですか、コレ。正直めちゃくちゃ重たいけど面白いなぁ(笑)。また、このアッパーがシースルー&メッシュ素材のレオパード柄っていうのもエロくてイイですねぇ。まるで新木場にあったクラブ〈アゲハ〉のプールサイドで踊っているダンサーのランジェリーみたいで(笑)。
TOMMY:では、今回の逸足はこれにしましょうか?
ITO:いや、今聞いたらウィメンズサイズしかこちらの店舗にないみたいで……残念! じゃあ……どうっすかなぁ……。うん?TOMMYくん、コレはどうっすか!? 〈ヴァンズ〉……なんすかね?

ITOさんも興味津々の〈ヴァンズ〉「オールドスクール テーパード DX モジュラー」¥17,600。残念ながらこちらの店舗にはウィメンズサイズしかなく、泣く泣く断念。
“逸足触発”な3足目は
ヴァンズ
「コルファックスブーツ」
TOMMY:ですね。「コルファックスブーツ」っていうモデルで、〈ヴァンズ〉のサーフファミリーであるアレックス・ノストとリーアン・カレンによるコレクションとのこと。ネットで調べたところ、履きやすくてルックスもクール。スタイルを重視したニューシルエットのモデル。アッパーには耐久性のあるレザー、頑丈なアウトソール、ゴムでコーディングされたトゥが特徴。お値段は¥15,400。

見た目は完全にサイドゴアブーツです。〈ヴァンズ〉らしさがパッと見ありませんが、シルエット自体は「スケートハイ」に近い…のかも? 〈ヴァンズ〉「コルファックスブーツ」¥15,400。

ヒール部分の“オフ・ザ・ウォール”ラベルを見て、やっと〈ヴァンズ〉と分かるくらいの匿名性。「サイドゴア部分のゴムがかなり広めなので、脱ぎ履きは楽そうっすね」。
ITO:今回はコレでいきましょう! ちょっと履いてみましょうか。

〈ヴァンズ〉「コルファックスブーツ」を履いた ITOさん。胸を張って背中がピンと伸びて姿勢がキレイですよね。これがキャリアってやつです。「そんなに褒めても何も出ませんよ(笑)」。
ITO:おっ、イイかも! フェスとかにも良さそうだし、アウトドアで遊ぶ機会が多い人にはオススメですね。防水仕様ではないという話ですが、レザー素材だし、ある程度は雨風にも耐えるんじゃないかなと。ただ重量は結構あります。歩行時の安定感がある一方で、アクティブに動き回るのには適していないかも。あまりポイントを動かない釣りをするとか、子連れのキャンプなんかが合うでしょうね。

どうやら気に入った様子のITOさん。「まだまだ秋にもフェスがあったりしますからね、アウトドアもそうですが、これはぴったり!」
TOMMY:ITOさんはアウトドアとかやるんですか? 釣りをしている姿って、あんまりイメージがありませんが……。
ITO:あんまりしませんね! 僕、シティボーイなんで(笑)。そんな ITOも思わず“釣られた”〈ヴァンズ〉のイケてるサイドゴアブーツってことですよ!? サーファーやスケーターで釣りやキャンプ好きって人も多いですし、これから秋にかけてがアウトドアのイイ時期らしいですからね。台風が上陸した際にも活躍しそうだし、ぜひチェックしてみてください!
(了)
今回お邪魔したのは……
「ビリーズエンター原宿店」
「ビリーズエンター原宿店」
(住所)東京都渋谷区神宮前4-28-20
(電話番号)03-5413-6946
(営業時間)11:00〜20:00
(定休日)無休
ビリーズエンター原宿店公式インスタグラム
Profile/ITO(伊藤忠宏)
2008年に古着屋「T」を高円寺にオープン。ストリートに根ざしたセレクトが話題を呼ぶ。その後、渋谷に移転し、ミュージシャンやファッション業界人などにもファンを拡大。現在は古着や、自身が手がけるヘッドウェアブランド〈ギーク〉などをセレクトした、遊び半分のウェブショップ「伊藤商店」を運営。さらに不定期でポップアップストアも開催している。
ITO公式HP
ITO公式インスタグラム
撮影・聞き手・文・構成/TOMMY
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