連載へそまがりスニーカー愛好家・ITOのスニーカー探訪「逸足触発」
“へそまがり”スニーカー愛好家、全員集合!G.Wは東京・恵比寿でポップアップをやってます | スニーカー探訪「逸足触発」
執筆者: ライター/TOMMY
ストリートを中心としたファッション業界で幅広い人脈を擁する「伊藤商店」のITOさん。“へそまがりスニーカー愛好家”を自認し、他の人とは違ったニッチな目線でスニーカーを楽しむ彼に、いま気になる新作モデルを紹介してもらう不定期連載【へそまがりスニーカー愛好家・ITOのスニーカー探訪「逸足触発」】。自由な視点で探す自分だけの逸足(一足)、そして見つけた瞬間に爆発する物欲。周りと被らず、かつ個性も発揮できちゃう。そんな一足を教えます!
「足元を“二度見”させるならテックスニーカー」スポーティスタイルを格上げする高機能3足
ITOさんが G.Wに
恵比寿でポップアップをやるらしい。
でも、何をするのか分からないから
とりあえず現地集合で聞いてきた。
TOMMY さてと、不定期とはいえ随分久しぶりになっちゃったなぁ。ITOさん元気にしてるかな? いきなり「恵比寿に来てください」と連絡をもらったのはイイけど、それにしても姿が見当たらな……あ、いた!
夜の匂いがプンプンする建物から出てきた ITOさん。ちなみに平日の14時です。
ITO TOMMYく〜ん! ちょっと聞いてくださいよ。
TOMMY 夜の匂いしかしない建物から出てきましたが、もしかして、昼まで飲んでたとかじゃないですよね?
なぜかご満悦の表情のITOさん。あ〜……これはもしかして、ヤったかな(ナニを?)。
ITO そうそう、なんかメチャクチャモテちゃって!……って違いますよ。そんなことより大変なんスよ。
TOMMY あぁ〜ボッタクリ、もしくは美人局(つつもたせ)に引っかかったとか?
ITO 持ち金全部イカれました。トホホ……じゃなくて! 「みるく」が無くなってるんですよ!
TOMMY 「みるく」って、恵比寿にかつて存在したあのナイトクラブの? “エロとロック”をコンセプトに1995年から2007年まで営業し、僕ら世代のストリートおじさんにとっては思い出深いあの「みるく」ですか? 昨年の夏に東京駅の新丸ビル7階に移転して、「ニューみるく」として再オープンしてますよ。
ITO えっ!? そういえば、そんな話も聞いていたような……。
TOMMY 本日の呼び出しって、まさかソレですか?
ITO いやいや、今日の目的はコチラです!
ITOさん、キャッチーなポーズお願いします! 「こうスか?」。毎度の如く、言えば大概やってくれるんだよなぁ。
TOMMY 「パスオーバー」ですよね? インポートを中心に、玄人好みのスニーカーをセレクトしていることでお馴染みの。あっ、今回はコチラのお店で“へそまがり”な逸足をディグるということか。じゃあ、いつも通りテンション上げてスタートしましょうか。ITOさん、ニッコリ笑顔でお願いします!
ITO ああ、ハイ。こんな感じっスか?
調子に乗って、さらに笑顔を要求してみた結果がコチラ。メッチャ楽しそう♪
TOMMY 毎度のことながら、良い笑顔(ニッコリ)。さて、早速店内にお邪魔しましょうか。
ITO じゃなくて、ここで今度ポップアップをやることになったので、今日はその宣伝回です!
TOMMY いっそ潔(いさぎよ)いですね。そこまでストレート、かつ屈託がない笑顔で(笑)。で、どんなポップアップなんですか?
ITO “へそまがりスニーカー愛好家”である僕自身が「パスオーバー」のラインアップからピックアップした、クセ強めのスニーカーが、こんな感じで店頭に並びます。あとは僕がやっているヘッドウェアブランド〈ギーク〉のヘッドギアも持ってくるので要チェック!……いや、要チェックとか今ドキ言わないですよね(照れ)。
ITOさんが今回のポップアップのために、ピックアップしたという“へそまがりスニーカー”の一部。よく見ると、普通にレアものも……。
TOMMY オジさんの照れ、かわちいですね♡ じゃあ、早速ですが今回並ぶという“へそまがり”ラインアップから、オススメの3足を教えてもらっちゃいましょうか。1足目は?
“ 今回のポップアップで、オススメはコレ!”
1足目:〈ミズノ〉の「ウエーブ ライダー ベータ」¥19,800
オススメ1足目はコチラ。真顔がちょっと怖いけれど、さりげなくハットとベースボールシャツとシューズの色を合わせる技巧派。
ITO これは新作っスね。〈エイシックス ※アシックスをITOさんはこう呼ぶ〉の次に来るのは、やっぱ〈ミズノ〉かなって。
〈ミズノ〉の「ウェーブ ライダー ベータ」。ITOさん曰く、次にくるのは〈ミズノ〉なんだとか。
ITO このソールがイイですね。なんていうかエロチックで。
TOMMY (ちょっと意味がわかんないけど)なるほど!
オススメポイントは?「ソールのこの辺! エロいスよね。わかるかなぁ?」。ごめんなさい、ちょっと分かりません。
TOMMY ドンドンいっちゃいましょ! 続いて、2足目を教えてください。
“ 今回のポップアップで、オススメはコレ!”
2足目:〈ナイキ〉の「キルショット ヴィンテージ」¥16,500
オススメの2足目がコチラ。“ニューヨーク”というキーワードに目がない ITOさんは〈ジェイ・クルー〉もお好き。
〈ナイキ〉の「キルショット ヴィンテージ」。その名に違(たが)わず、ヴィンテージライクな佇まい。
オススメポイントは?「縦ナイキとか知ってます? こんなんオジさん世代しか反応しませんから」と嬉しそう。
ITO 正直、普通なんですけど、その感じって探そうとすると逆にナイんですよ。一応〈ジェイ・クルー〉限定モデルですが、どこにもロゴが入らないからパッと見でも分からないっていうね(笑)。このヒールタブの縦ナイキがたまらないっス。
TOMMY そしてラストの3足目は?
“ 今回のポップアップで、オススメはコレ!”
3足目:〈ナイキ〉の「エア ジョーダン11 ロー」¥22,000
オススメの3足目がコチラ。若干口元が緩んでいることから、実はテンションが上がっているのがわかります。
〈ナイキ〉の「エア ジョーダン11 ロー」。アフターコート用と知っている人も少ないはず。
オススメポイントは?「このメッシュが最高なんスよ」。
ITO ポイントはアッパーにメッシュ素材を使用していて素足で履けるというところ。オリジナルの発売当時から誰も実践していなかったですが、そもそもアフターコート用のシューズですからね。素足はこれからの時期にマジで最高っス。
TOMMY へ〜、確かに良さそうですね……って、アレ?
ITO なんスか?
「このメッシュがイイんスよ」と熱く語る ITOさん。オジさんには懐かしい1足なので、気持ちはよくわかります。
TOMMY アレレ?
ITO だから、どうしたんスか⁉︎
アレレ? 「どうしたんスか?」と ITOさん。視線が少しずつ下がっていって……。
TOMMY アレレレ?
ITO 本当、急にどうしちゃったんスか?
足元にズームアップ!
TOMMY ちょっとちょっと ITOさん、そのシューズなんですか?
ITO (「俺、またなんかやっちゃいましたか?」のノリで)あ〜、気づいちゃいました? 実は今回のポップアップの目玉というのが、「パスオーバー」が〈トモアンドシーオー〉に別注した、この「ダイニーマ モカシン」なんですよ!
TOMMY なるほど(察し)、そういうことですかぁ。
さらにさらにズームアップ! と引っ張ったワリには、よくよく考えれば 最初の写真から普通に履いてましたね(笑)。
ITO 実はここのブランドのデザイナーを務めるTomo(小野崎朋孝)くんは僕の大学の先輩なんですよ。で、別注をやるということで、せっかくだったらITOも協力しろと。
TOMMY というわけで、ここからは「パスオーバー」のディレクターを務める川阪さんにもご登場いただき、今回のポップアップについてお話しいただきます。
川阪 よろしくお願いします!
ITOさん(左)と川坂さん(右)。
TOMMY そもそも、どういう流れでポップアップを開催する運びに?
川阪 以前からITOさんとは仲良くさせてもらっていたんですが、TomoさんともITOさんを通じて繋がって。そこで軽いノリで「別注したいんですよね」と相談してみたら「イイっすよ」と即答で快諾。で、打ち合わせをしたんですが、その際に「これまでもそういった別注モデルは作ってきたけど、ただそれを販売するだけでは面白くないんじゃないか」という話になって。
TOMMY ほうほう。
ITO 川阪さんの何がスゴイかって、これまで〈トモアンドシーオー〉の取り扱いがあったワケじゃないんですよ「パスオーバー」で。
TOMMY え、いきなり別注から関係性を構築していくスタイル!?
川阪 そうそう(笑)。なので、僕らの間にベアリング的役割としてITOさんに入ってもらったというわけです。ちょうど面白いことをしたいなと思っていたタイミングだったし、〈トモアンドシーオー〉のアイテムも好きだったのでイイなぁと思ってお願いしました。
TOMMY そして完成したのがコチラと。
“今回のポップアップで、オススメはコレ!”
今回の目玉:〈トモアンドシーオー〉の「ダイニーマ モカシン パスオーバー エクスクルーシブカラー」¥41,800
〈トモアンドシーオー〉の「ダイニーマ モカシン パスオーバー エクスクルーシブカラー」を上から見た図。ネイビーカラーがシックで大人な雰囲気。
〈トモアンドシーオー〉の「ダイニーマ モカシン パスオーバー エクスクルーシブカラー」のサイドビュー。どう見ても普通のビニール紐にしか見えません。
TOMMY これはどういったアイテムでしょうか。
ITO いわゆるモカシンシューズで、ビブラムのEVAソールを使用しています。最大の見どころが、ぐるりとアッパーを囲むステッチ&シューレース。これ知ってます? 一見、ただのビニール紐に見えますが、実はピアノ線の8倍の強度を持ち、ナイフでも切れないダイニーマという素材を使っているんですよ。
「ダイニーマ モカシン パスオーバー エクスクルーシブカラー」のディテールについて語る ITOさん(左)と川坂さん(右)。お二人ともよく喋ります。
TOMMY 面白いアイデアですね。でも、どの当たりが別注で変わっている部分なんですか?
川阪 僕自身が黒い服を着ないのと「パスオーバー」のショップカラーにもなっていることもあって、アッパーに使われている柔らかなオイルドスウェードを、洗練された印象を与えるネイビーにカラー別注しています。Tomoさんに伺ったところ、初の試みとおっしゃっていたので、そこがセールスポイントですかね。
ITO そうそう。〈トモアンドシーオー〉のアイテムは基本、ブラックとブラウンなので別注以外でカラーものってないんです。なので他では取り扱いのないカラーを、しっかり試着して買えるというのも、このポップアップのウリでしょうね。シューレースがあるといってもデッキシューズに近い構造なので、実際に履いてみないと心配じゃないですか。
TOMMY それはたしかに。でも別注となると、やはりお高めなんじゃないですか?
川阪 いえ、インラインで展開されているモデルと同じ¥41,800です。
TOMMY 消費者に優しい! あとはポップアップの開催期間が気になります。
川阪 この「パスオーバー」別注モデルの発売開始が5月5日(金)の子供の日なので、そこから7日(日)まで。別注モデルに関しては売り切れ御免って感じです。しかも在庫が1足しかないモデルもありますし、普段は店頭に出さないITOさんピックのユーズドスニーカーも並びます。なので、気になる方はなる早でお越しいただいた方がよろしいかと。そもそもこの別注モデル自体もそうですが、今回のポップアップのテーマが“ヘソまがり”。そこで”へそまがりスニーカー愛好家”のITOさんにもご登場いただいたというわけです。
TOMMY なるほど! となると1つ、ご提案なんですが……いっそポップアップにこの連載のタイトルを絡めてもらっちゃったりとか……。
川阪 (食い気味に)イイすよ!
ITO 即答(笑)。
TOMMY めっちゃフッ軽(フットワーク軽め)ですね。ありがとうございます! では、タイトルは「“逸足触発”ITOのヘソまがりポップアップ」ってことで!
TOMMY ちなみに「パスオーバー」の普段の客層って何歳くらいの方々がメインですか? smartのメイン読者層でいうと、大学生くらいが一番多いんですが。
ITO スニーカー以外に、ヤング世代に人気のブランド 〈ケボズ〉のウェアも取り扱っているから、けっこう若いお客さんも来ますよね? それこそ大学生とか。
川阪 ですね。アンダー20代かオーバー40代のどちらかで、中間層はあんまりいないかも。ウチだけでしか販売していないエクスクルーシブアイテムもありますし、ぜひスニーカーと併せて楽しんでいただけると嬉しいです。
TOMMY 最後にITOさん、このポップアップにかける意気込みをお願いします!
ITO え~意気込みっスかぁ……う~ん。
TOMMY ズバリ目標予算(売上)は?
ITO そんなんここで言えるワケないじゃないスか(苦笑)。
川阪 3桁万円です!
ITO いやいや~。まぁ、とりあえず目指すは完売ですかね。別注モデルは特に数も少ないので、すぐ売り切れちゃう気がしています。
川阪 そうですね。その上で面白いシューズをドンドン提案していきたいなって。今のシーンってちょっと飽和状態になっているので、アンテナを張っている人は新たなモノを探している中で、ITOさんがピックアップした”へそ曲がりスニーカー”が、新たな発見にもなると思うのでぜひ遊びにきていただけると楽しんでもらえるのではないかなと。
ITO あと、来てくださった皆さんに、もれなく写真撮影&サイン&握手をしますので、ぜひゴールデンウィークの最後の週末は「“逸足触発”ITOのヘソまがりポップアップ」に遊びにきてください! 恵比寿「みるく」前で僕と握手!
TOMMY だから、「みるく」は恵比寿にもうありませんって!(苦笑)。
(了)
POP UPイベント
「“逸足触発”ITOのヘソまがりポップアップ」
開催場所/パスオーバー
住所/東京都渋谷区恵比寿西1-14-2
電話番号/03-3461-1751
営業時間/13:00〜20:00
定休日/不定休
Profile/ITO(伊藤忠宏)
2008年に古着屋「T」を高円寺にオープン。ストリートに根ざしたセレクトが話題を呼ぶ。その後、渋谷に移転し、ミュージシャンやファッション業界人などにもファンを拡大。現在は古着や、自身が手がけるヘッドウェアブランド〈ギーク〉などをセレクトした、遊び半分のウェブショップ「伊藤商店」を運営。さらに不定期でポップアップストアも開催している。
ITO公式HP
ITO公式インスタグラム:@mr_t_ito
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この記事を書いた人
メンズファッション誌やモノ系のWEBメディアを中心に、ファッション、モノ、アイドル、ホビーなどの記事を執筆するライター/編集者。プライベートでは漫画、アニメ、特撮、オカルト、ストリート&駄カルチャー全般を愛する。
Instagram:@tommythetiger13
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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