薄毛、ED、男性不妊など男性の健康課題をテクノロジーで解決!話題のキーワード 『メンテック』のキホンを解説
執筆者: ライター・エディター/鈴木恵理子
昨年末に発表された、日経トレンディが選ぶ「2023年ヒット予測ランキング」にも選ばれた『メンテック』とは、男性特有の健康課題をテクノロジーで解決する分野のこと。これから加速的に盛り上がりを見せるであろう『メンテック』についてわかりやすく解説していきます。
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目次
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教えてくれたのは……
“男性妊活”の著書もある辻村先生
順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科 教授 辻村 晃先生
兵庫医科大学卒業。国立病院機構大阪医療センター勤務後、ニューヨーク大学に留学し細胞生物学臨床研究員を務める。特に生殖医学、性機能障害の治療に注力し、不妊に悩む数多くのカップルを助けてきた。最新著に『名医が教える 男性妊活の最強事典』(扶桑社)。
自分のカラダに関心を持ち
不安なときは気軽に検査を
smart読者世代でいちばん関係してくるのが男性不妊とED。「自分は大丈夫だろうと、どこか他人事(ひとごと)にとらえている人が多いようです」とは、長年、男性不妊の診察と研究にたずさわってきた泌尿器科医・生殖医療専門医の辻村晃先生。「特別に問題意識のない人たちの検査の結果、4人に1人が精液の所見が悪いことがわかりました。若い人でも問題のあるケースが多々あります。年齢が高くなると精液の所見は悪くなるので、将来子どもが欲しい人は早めに一度検査をしましょう」。男性不妊やEDなど、男性機能の異常については、食生活、睡眠不足、ストレス、メタボなどの生活習慣が深く関係しているので、若いうちから健康なカラダづくりをすることが大切だという。「女性は毎月の生理や、妊娠する年齢にリミットがあるため、自分のカラダに向き合う機会が多いけれど、男性は無頓着な人が多い。将来後悔しないためにも、自分のカラダに関心を持ち、正しい知識を身につけましょう」。
そもそも「メンテック」って何?
「Men(男性)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語
男性特有の健康課題を、テクノロジーで解決することを目指すサービスやプロダクトのこと。女性の生理やPMSのように、男性にも薄毛やEDなどデリケートで相談しにくい分野があることに着目。ひとりで悩んでいたり、諦めていた変化やコンプレックスである「男性特有のカラダの悩み」を解決・改善する手段として、今後ますます躍進が期待されるジャンル。
なぜ今注目されているの?
世界で盛り上がる「フェムテック」ムーブメントがプラスに働いている
近年、世界中で盛り上がりを見せている女性の健康課題を解決する「フェムテック」産業。社会的にも認知が広がり、さまざまなサービスやプロダクトが誕生している。その流れの中で『メンテック』への注目度も高まってきた。男女それぞれがお互いのカラダの悩みを理解できる世の中にするためにも、メンテックの盛り上がりは必要不可欠といえる。
男性の健康課題とは? どんな領域があるの?
『メンテック』は比較的新しい概念であり、きちんと確立された定義は存在していない。一般的には大きく分けると以下の5つのジャンルに分類される。
a. 男性不妊
不妊の原因が男性側にある場合のこと。WHO(世界保健機関)によると、不妊の原因の約50%は男性側にあるといわれている。その大きな要因は精子を正常に作ることができないことが挙げられている。世界的に見ても現代人の精子数は減少しており、欧米男性の精子の濃度が過去40年ほどの間に半減したという研究発表も。子どもを望んでいる人は、まずは精液検査をしてみるのがいいだろう。
b. ED(勃起不全)
EDとは「勃起機能の低下」を意味する英語「Erectile Dysfunction」の略。満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、維持できない状態のこと。日本人の成人4人に1人が悩んでいるといわれている。EDの原因は、ストレスや不安といったメンタルなものが要因になる心因性、神経系と血管系の障害による器質性、薬の副作用が原因となる薬剤系、これらの要素が交ざり合った混合性などがある。
c. 薄毛
薄毛といってもその症状はさまざまで、原因や対処法も異なる。その中には男性ホルモンが大きく関わっていると考えられている男性型脱毛症(AGA)があることから、男性の健康課題のひとつとして挙げられる。前頭部から少しずつ髪の毛が薄くなっていく「M型」や、頭頂部を中心に髪の毛が薄くなっていく「O型」が多く見られるのが特徴。AGAの治療は若いうちのほうが効果は出やすい。
d. 更年期
女性と同じように男性にもある更年期障害だが、まだあまり知られていないために、周囲の理解が得られず苦しんでいる人も多いという。「なんとなくだるい」「やる気が起こらない」「よく眠れない」「イライラする」など、男性ホルモンの低下による男性更年期障害(LOH症候群)の可能性も。採血検査などで男性ホルモン値の確認し、症状に合わせてホルモン注射や処方薬での治療を検討。
e. セクシャルウェルネス
WHO(世界保健機関)によると、「セクシュアリティに関連する身体的、感情的、精神的、社会的にも健康な状態であること」を指す。具体的には、性の健康を維持するための自分自身を大切にするセルフケアや、パートナーとのセクシャルコミュケーションのあり方を示していくもの。男性ホルモンは20代をピークに徐々に低下するため、体に与える影響などを理解することも大切になってくる。
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取材・文/鈴木恵理子
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この記事を書いた人
11年間の編集プロダクション勤務を経て、2011年よりフリーランスに。雑誌やムック、ウェブなどで、ヘアやビューティページを中心に活動中。暮らしに役立つ実用系やメンズのビューティ記事の経験も豊富。好物は古物や古道具。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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