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【人気ボカロPの頭の中を覗きたい!】スタイリッシュなマルチクリエイターhigmaさんインタビュー

執筆者: 編集者・ライター/志田英邦

スタイリッシュなサウンドとグラフィックを手がけるマルチクリエイターhigmaさんがsmartに登場。自身のルーツを語ってくれた!

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この記事は2023年smart1月号に掲載した記事を再編集したもので、記載した情報もその時点のものです。

ボカロP,higma

自分を救ってくれた
音と絵の楽しさ、
その表現を続けていきたい。

――higmaさんが音楽を作り始めたきっかけをお聞かせください。

higma 中学生の終わりごろにギターを兄から奪いまして(笑)。高校に入ってメンバーを集めて、バンドを始めたんです。僕はオリジナル曲をやりたかったので、曲を作って歌っていました。その後、自分は研究の道に進んだので、バンド活動からしばらく離れていたんです。その研究で海外に滞在していたときに、自分の研究していた分野が自分の理想と違うと感じてしまって。心を病んで、何もできなくなってしまったんです。時間だけができてしまったので、じゃあ音楽をやってみようと。ちょうどそのころ、マルチネレコーズという音楽レーベルが「マルチネ・ボーカロイド・スクール」というYouTube番組をやっていて、そこで僕が好きなPARKGOLFさんやパソコン音楽クラブさんが参加されていたんですね。僕は海外でベッドルーム・プロデューサーのようなラップトップひとつで音楽を作るトラックメイカーが好きだったし、YouTubeのオススメに出てきたピノキオピーさんの「内臓ありますか」という曲をたまたま見つけて、「ボカロでHIPHOPっぽい音楽も作っていいんだ」と思い、じゃあ、ボカロをやってみようと。曲を作り始めたんです。

――最初の曲は「Songforsnow」。2019年にニコニコ動画にアップしていますね。投稿してみていかがでしたか。

higma まったくの初心者だったので、最初のころは練習のつもりで作っていて、できたからニコニコ動画に上げてみようくらいの軽い気持ちでした。ニコニコ動画は中学生ぐらいのときからボカロの曲を聴くときに自然と使っていて、その場でしか通じない言葉だったり、ノリがあって、学校のような空気感があるコミュニティだなって感じていたんです。ボカロPとして投稿すると、よりその空気感をリアルに感じました。最初はただ楽しいから投稿していて、10曲目の「夜とステップ」という曲ぐらいから、たくさんの人に聴いてもらえるようにとより意識するようになったんです。

――「夜とステップ」ではhigmaさんが映像も作られていますね。higmaさんはグラフィックもお得意なんですね。

higma そうですね。父親がデザイナーで、自宅にアトリエがあったので、幼いころから絵を描いていたんです。それで美術系の学校に進んで、建築デザインを専攻していました。なので、ずっとデザインをしていたし、海外で好きなものをやろうとしたときにグラフィックも自分でやろうと自然に思ったんです。

――建築デザインをされているということでしたが、作曲やMV作りに影響を与えているところはありますか。

higma 建築と音楽はかなり似ている部分があるなと思っています。アウトプットけれど、プロセスはかなり近いというか。建築には基本設計といって、敷地を調べたり、ニーズを調べるなど大まかなスケッチをしてイメージを膨らませる段階があって。そのあとに実施設計といって図面を引いたり、家具の配置や構造を決めていく具体的な段階があるんです。そこから微調整をして完成にいく3段階があるんですね。これはそのまま音楽作りに重なります。僕はまずパソコンを開いて、適当にシンセなどを選んで、気持ちいい音や音色を探していくんですね。そこからいいなと思ったフレーズをひたすらループさせて、メロディやベース、ドラムを重ねていくんです。そうやって大まかなイメージを作ってから徐々に詳細を詰めてゆく感じは建築デザインっぽいなと思っています。

――今後、higmaさんの世界観を徹底的に作り込んだ作品も見てみたいです。

higma そうですね。テーマを決めてメロディを作ったり、ひとつの世界観を作り込むということは、すごくやってみたいです。それに近いことを「窓辺のモノローグ」という曲で挑戦していて。既にあるテーマを元に楽曲で作ったのですが、サウンド的にもストーリー的にも一貫性のあるものができたなと思っています。現在制作している新曲は、自分なりに音楽や映像などで、ひとつの世界観を作
ることを目指しています。公開されたらその辺も注目していただけたら嬉しいです。

Information①
higma さんが手がけた楽曲はコチラ!

higmaさんはボカロPの活動を開始して3年目。さまざまな楽曲を手がけているが、再生回数が大きく伸びた曲は「夜とステップ」。

ボカロP,higma,夜とステップ『夜とステップ』

Vsinger のyosumiに提供し、のちにボカロバージョンを発表した「窓辺のモノローグ」。

ボカロP,higma,窓辺のモノローグ『窓辺のモノローグ』

それらの楽曲はファーストアルバムの『hue』に収録されている。

ボカロP,higmaの1stアルバムhue『hue』

higma 1st Album『hue』 ¥1,500
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ダウンロード販売はこちら

Information②
ボカロ好きのための音楽アプリ
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ボカロ楽曲に特化し、ボカロ曲や歌ってみたなど100万曲以上が無料で聴き放題のアプリ「ボカコレ」がリニューアルスタート(旧:NicoBox)!ニコニコ動画アプリはプレミアム会員でないとバックグラウンド再生ができませんが、「ボカコレ」アプリでは一般会員もバックグラウンド再生可能! 移動中や作業BGMに最適です♪

 

PROFILE/higma ボカロP。「マジカルミライ2020」で公式テーマソングのリミキサーを務める。ファーストアルバム『hue』をリリース。自身でMVのイラスト、アニメーションの制作やプロデュースをするなど、楽曲だけでなく動画も手がける。

Interview&Text_HIDEKUNI SHIDA

この記事を書いた人

ゲームを作ったり、小説を書いたり、本を作るお手伝いなどいろいろ。日々さまざまな制作現場にお邪魔して面白いことを探しております。美味しいカレーと極上のうどんを探し求めつつ。

X:@shidaill

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Website:https://smartmag.jp/

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