「坂東さん」、バチェラー&バチェロレッテを卒業!「1ミリも動かない」ポーカーフェイスの裏側と、最新作で引退を確信した“我を忘れた瞬間”
執筆者: ライター/石野志帆
「作ったら負け」坂東工が貫いたナビゲーター像

――2017年『バチェラー・ジャパン』シーズン1開始当初、「坂東さん」という存在がこれから続くシリーズのアイコンになると予想していましたか?
坂東 全くしていませんでした。当初は「バチェラーの良き相談相手になってほしい」というオーダーがありました。それが回を重ねるごとに、とどこおりなく旅を進行しながら何かが起きたときに駆けつけていく……という存在になり、「執事」みたいな役割へと変容していきましたね。
――立ち振る舞いや感情を抑えたトーンで話される姿は、独特な魅力があります。
坂東 この番組には台本が一切ありません。想定されることをなぞるわけではなく、即興芝居ともまた違います。だからこそ、自分の中では「作ったら負けだ」と思っていました。目の前で起きていることをすべて受け止め、その場で何を出せるか。その極限のリアルさが、あの役割を形作っていったのだと思います。
――番組内では、参加者との距離感が非常に絶妙です。あえて踏み込まない、その「線引き」にどんなこだわりがありましたか?
坂東 「感情移入しないこと」が大前提でした。そのうえで、僕が彼らの旅に干渉することも絶対にしてはいけない。これを自分に対して戒めていました。決断や選択はあくまで彼ら彼女たちの意思によるものですから、それを邪魔してはいけない、と。
――そうは言っても、口を出したくなることがあったのではないですか?
坂東 生来僕はそっちのほうなんですよ。もともとは誰かをエンターテインしたくて、いらないことを言ってしまうタイプですから(笑)。でも、それは極力排除しましたね。僕の言動が、この旅の“何か”になってはいけない。彼らの心の拠り所になってもいけないと思っていました。
――配信でわかる場面以外での参加者と交流も、一切ないのでしょうか?
坂東 本当に一切ないんです。もし参加者から「どうしたらいいですか?」と聞かれることがあったとしても、「うーん、どう思います?」と聞き返すようにしていました。僕がルールを決めるのではなく、彼ら自身が選択することを促したかったですからね。
――主人公がこの先も一緒に旅を続けたい相手を選ぶ「ローズセレモニー」では、坂東さんがバチェラー・バチェロレッテと一番近くにいます。あのとき、どんなことを考えているんですか?
坂東 僕自身は、“無”でいられるように努めています。視線一つでも動かさないようにしているんですよ。
――視線にも気を配っている?!
坂東 というのも、勘のいい人や既にローズを受け取って精神的に余裕がある人のなかには、「坂東さんがチラッと見たあの人が、次にローズをもらうのかも」などと勘繰れる人もいるんです。そういうことがないように、1ミリも動かないように徹していました。
――ということは、坂東さんも「次はあの人に渡すのではないか」という予想をされることがあると?
坂東 僕も人間ですからね、その想像は止められません(笑)。ですが、それは敢えてせずにフラットにいるように努めています。ローズセレモニーまでにいろいろなデートがあって、そこであった出来事を思い返すことはあったとしても、誰が受け取るとか受け取らないとかっていうことは、邪推に過ぎないとさえ思っていますね。
――「主人公は参加者である」という思いへの揺るぎなさが伝わってきます。
坂東 僕はオムライスの横に添えられているパセリみたいなものだと思っています。それがないと「彩り的に、どうかな?」と少しだけ思われるくらいの役割です。主張せず、若干の苦味があるぐらいのものだと思っていますから。
この記事を書いた人
TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。
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