村上隆の新作は巨大な“大ダコ”!? ルイ・ヴィトンとの伝説的タッグがパリ万博の遺産をジャックした
執筆者: smart編集部

パリで開催されたアートフェア「アート・バーゼル・パリ2025」の会場〈グラン・パレ〉は、1900年のパリ万国博覧会のために建てられた歴史ある建築物。大規模なスケールの展示が話題を呼んだ、村上さんの最新インスタレーションを紹介する。
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「アート・バーゼル・パリ2025」に大ダコ登場!
2025年10月にフランスで開催された「アート・バーゼル・パリ2025」でルイ・ヴィトンは「アーティーカプシーヌ 第7段 – ルイ・ヴィトン × 村上隆 コレクション」を発表した。冒頭の写真に写っている高さ8メートルのタコのインスタレーション。8本の触手が広がるこのモチーフは村上が中国のランタンから着想を得たという。


巨大タコと村上の関係は、2017年に制作した「The Octopus Eats Its Own Leg」以来続いている。タコは西洋ではデビルフィッシュと呼ばれ、悪魔の化身というポジションだ。日本の民話にもしばしば登場し、水木しげるの漫画にも描かれたり、円谷英二も東宝特撮作品にしばしば大ダコを登場させるなど、タコにはクリエイターのインスピレーションを刺激させるエキスがあるのかもしれない。


さて、今では世界のムラカミとしてアート界だけではなくファッション界でもトップランナーとなっている村上隆だが、その名をワールドワイドに知らしめたきっかけのひとつはやはり2003年に発表されたルイ・ヴィトンとのコラボだろう。もちろんそれ以前にも2001年にロサンゼルス現代美術館(MOCA)で開催された「Superflat」展は現代アートの新しいカタチとしてアート界からは注目されていたが、本来であれば大量消費される商業ベースで作られる量産品とは対極の位置にあるアートをハイブランドにブリッジさせるきっかけを作った村上の功績は大きい。
ちなみにルイ・ヴィトンのアートコラボの本格的なスタートはスティーブン・スプラウスのモノグラム・グラフィティからだったが、村上のモノグラム・マルチカラーのインパクトは大きかった。当時ルイ・ヴィトンのアートディレクターであったマーク・ジェイコブスの協力もあり、その後ルイ・ヴィトン×村上コラボにはチェリーやパンダなどのキャラクターも加わり、さらに細田守が監督したアニメ制作などと続いていくことになる。
村上クリエイトの注目すべきユニークなポイントとしてはアート、ストリート、オタクキャラクター、ファッションのそれぞれ異なる世界の垣根を取り払い、ハイブランドにフュージョンさせたことだ。セレブの間でハローキティが人気だったこともあり、日本的感覚の“カワイイ”が世界中で通用するという先見の明でプロジェクト展開をしたそのセンスはさすがとしかいいようがない。
同時に村上自身もルイ・ヴィトンとのコラボにより、LVMHの会長兼CEOであるベルナール・アルノーから大きく学んだと語っていて、自著『芸術起業論』では欧米のアート界の構造を分析し、日本のアートが世界基準に到達できない問題提起をしている。 その後はヴァージル・アブローも加わるなど大きく発展、現在まで続いているルイ・ヴィトンと村上とのコラボは常にエキサイティングな話題を提供していて、ますます目が離せない。
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Photography_ADRIEN DIRAND
Text_HISANORI NUKADA
©Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved. Courtesy, Louis Vuitton
※この記事は2026年smart1月号に掲載した記事を再編集したもので、記載した情報もその時点のものです。
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