【UVERworldの“タブーなき”25年】TAKUYA∞が語る原動力と誇るべきもの、そして東京ドームでファンとの絆を感じた瞬間smart本誌でファッションを学んだ

執筆者: 音楽家・記者/小池直也

初めて手にした楽器がドームで鳴る

【UVERworldの“タブーなき”25年】TAKUYA∞が語る原動力と誇るべきもの、そして東京ドームでファンとの絆を感じた瞬間

――人生で最初に手にした楽器でパフォーマンスする場面がハイライトのひとつだと思います。あのアイデアはどこから出てきたのでしょう?

TAKUYA∞:僕から提案しました。何となくだったんですけど、実家に帰ったときに初めて買ったマイク(Shure beta58)がクローゼットに転がっていたんです。大切に保管していたわけでもなく、「使えるかな?」くらいの気持ちでリハーサルに持っていったところから始まってます。それからメンバーの最初の楽器も集めたのですが、正直あんなにロマンティックになるとは思いませんでしたね。

真太郎:僕が使ったのは、僕が6歳くらいのときから家にあった父親のドラム。14歳のときに文化祭で使ったんですけど、上京してからは実家に置きっぱなしでした。

それをあるとき、ふと東京に持ってきたんです。そうしたら、それが今お世話になってるドラムメーカーのSAKAEさんが昔に作ったモデルだということが判明して。磨いてもらってはいたのですが、使うことなく眠らせていたんですよ。だから今回30年ぶりくらいに日の目を浴びた感じです。

克哉:僕はいとこに譲ってもらったギターですね。

【UVERworldの“タブーなき”25年】TAKUYA∞が語る原動力と誇るべきもの、そして東京ドームでファンとの絆を感じた瞬間

――全員よく保管されていましたね。捨てたり売っていたりしていてもおかしくない年月が経っています。

真太郎:使わなくはなりますけど、初めて自分で買った楽器はさすがに思い出があるので「売る」という気持ちにはなりませんでした。

克哉:基本は捨てませんね。バンド活動で初めて買ったギターも大事にしています。

TAKUYA∞:金額はどれもせいぜい4~5万くらい。楽器にしては安いビギナー向けの機材なんです。でも14、5歳のときにおこづかいで買った楽器が東京ドームに響いて、それでお客さんの心に響かせることができた。今はAIでいい音楽が作れる時代ですが、計算されたメロディよりも大事なのは「誰がどんなバックボーンを持って演奏するか」なんだなと自分たちでも思える瞬間でした。

真太郎:僕は彰のギターが印象深いです。ステッカーが貼られていく過程も見ていたし、それを東京ドームで弾いているのが不思議で。「この楽器、残ってるんだ!」という感動もありました。

克哉:僕は信人のベースの音がデカすぎて、スタジオのおじちゃんに怒られていたのが懐かしい。今メインで使っている楽器とは音が違いますけど、弾いてみると意外にいい音がするなと感じます。

TAKUYA∞:あのベースってZIGGYのベーシスト・戸城憲夫さんモデルなんだよね。信人が使ってる場面しか見たことがないけど。

克哉:お兄ちゃんの影響で好きだったのかもね(笑)。

――現在メインで使っている楽器に比べると性能的に違うとは思いますが、実際に演奏したときのテクニカルな面はどうでした?

TAKUYA∞:音の違いは多少ありましたけど、音の良し悪しって人の好みじゃないですか。レコードの温かみのある音がいいという人もいれば、ハイエンドなオーディオがいいという人もいる。僕が使った「Shure beta 58」って、どこのスタジオにも置いてある25000円くらいのマイクなんですけど本当に寿命が長い。何のメンテナンスもしていなかったのにね。やっぱりShureさんは優秀です。

この記事を書いた人

音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。

X:@naoyakoike

Website:https://smartmag.jp/

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