「人は人の努力に感動する」スノーボード女子日本代表・岩渕麗楽が語る、挑戦の原点と“アナログな競技”の魅力男性にしてほしいファッションとは?
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
なぜアナログな競技に人は惹かれるのか?
――プライベートについても聞きたいです。普段はどんなファッションをされていますか?
岩渕:練習のときはTシャツにデニム、という感じが多いです。どこかに出かけるときは遠征先とは違う系統だけど、特にこれという感じのテイストはないかな。そのときに好きな服を着ています。最近だとY2Kだったり、ボーイッシュな感じかな。
デニムは好きなので、いつもカッコいいのが欲しいと思ってますね。あとは柄とか色物のパンツが気になっていたり、カーゴっぽいパンツを買ってみたりしてました。
――男性にしてほしいファッションはありますか?
岩渕:アメカジは結構好きですね。韓国寄りなきれいめはちょっと苦手かも(笑)。こういう競技をしているからなのか、ボード系や海外テイストの服装をしている人がカッコいいなと思います。
女の子もスカートを履く子はあまりいないですね。他の選手にプライベートで会うことがほぼないので、確実なことはわかりませんけど(笑)。
――スノーボード以外のボード系スポーツといえば、スケートボードやサーフィンなんかがメジャーだと思うのですが、それらのカルチャーとの関係もあったりします?
岩渕:オフシーズンにスケボーをやるスノーボーダーもいるので、そことの関わりはあったりしますよ。あとは関東に住んでいる人だとサーフィンをする人もいたり。私もここまでオフトレ施設が充実する前は、オフシーズンの夏にスケボーをしていました。怪我も多いので最近はしてません。
前にサーファー友達の試合を観に行ったりもしましたね。意外と面白いんですよ。試合運びや雰囲気、ルールが全然違って新しい発見がありました。スノボはみんな同じジャンプ台なのに対して、サーフィンは自然と向かい合うスポーツですからね。フェアじゃないからこその緊張感があるなと。そう考えるとスケボーのほうがスノボに近いと思います。
――カメラや読書も趣味とのことですが、こちらは?
岩渕:3、4年前に始めました。すごく楽しいですよ。アングルを変えるだけで雰囲気が変わるところと。後から編集して好きな構図にできるっていうところが楽しくてハマっちゃいました。海外で風景をきれいに撮るときに使うのはキヤノン「EOS」シリーズ。友達と遊ぶときや、流行っているデジカメっぽい感じで撮るときはライカを使ってます。
あと移動が多かったり、天気が悪くて練習ができないときは読書。好きなジャンルは推理小説ですね。小学生の頃からの趣味ではあるのですが、最近は特にスマホを見ない時間を作ろうと思って、空いた時間は意識的に本を読んでいます。やっぱりデジタルデトックスは大切。
――アナログなものに惹かれるということもある?
岩渕:デジタルがダメとも思わないですけどね。ただ、ひと手間をかけるだけで満足度が上がることに魅力を感じます。それに私が取り組んでいる「スノーボード」という競技もアナログなものじゃないですか。テクノロジーが入る余地といえばカメラとか板をLEDでピカピカさせるくらいで(笑)。
だから人間が頑張るしかない。それに機械に頼らないからこそ理解しやすいのかな。結局、人は人の努力に感動するんだと思うんです。だから私も挑戦し続けるのかもしれません。
Prpfile/岩渕麗楽(いわぶち・れいら)
両親の影響で4歳からスノーボード始め、小学1年生頃から本格的に競技を開始。2014年には13歳でプロテストに合格し、プロ選手へ転向。その後、2017年から日本代表強化指定選手に選出され、同年12月にビッグエアでワールドカップ初優勝。2022年の北京オリンピックビッグエアでは、同大会では女性史上初となるトリプルコークに挑み、多くの人に感動を与えた。2023年のX Gamesでは、見事トリプルコークを決め、金メダルを獲得。2026年ミラノオリンピックでは悲願の金メダル獲得を目指す。
Instagram:@leila_iwabuchi
X:@Leila_4121
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撮影=西村満
インタビュー&文=小池直也
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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