【代々木公演・最終日レポ】アリーナツアーついにフィナーレ!RIIZEが見せた圧倒的なステージ力と、ファンと心をつなぐあたたかな約束。再会は夢の東京ドームで!
執筆者: 編集者・ライター/西野暁代
RIIZE(ライズ)初となる日本アリーナツアー『2025 RIIZE CONCERT TOUR [RIIZING LOUD] IN JAPAN』が全国 5都市11公演で開催され、9月13〜15日の代々木競技場第一体育館でついにフィナーレを迎えた。初日である13日に2026年2月の東京ドーム公演がサプライズ発表され、BRIIZE(ブリーズ※RIIZEのファンネーム)を熱狂させた3日間から、最終日のレポートをお伝えする。
目次
「ゴマキ、デビュー25周年」後藤真希が語る“モー娘。と今”──新アルバム『COLLECTION』に込めた想い
アリーナツアーの集大成。
気迫と輝き、RIIZEらしいあたたかな空間
開演直前の客席は、RIIZEを心待ちにする期待と少しの緊張をはらんでいるようだった。メンバー全員と代々木最終日を駆け抜ける、そんな強い思いが会場を包んでいた。オープニングのVCRが流れ、ステージにメンバーのシルエットが見えると客席からは天井を破らんばかりの歓声が沸き起こる。
トップを飾る「잉걸(Ember to Solar)」のイントロが流れ、カメラに抜かれたソンチャンの「Go!」で一気にエンジンがかかる。1stフルアルバム「ODYSSEY」の収録曲である本曲は、駆け抜けるようなビートとパワフルなパフォーマンスが観客の心を熱くさせる。続いて爆発的なパワーを見せつける「Siren」で会場の熱は最高潮に。RIIZEの代名詞ともいえる高速ステップや複雑なフォーメーションのなかに、自分なりのこまかいジェスチャーを加えてくるのはさすがの一言。
激しいダンスのあとでも余裕を見せるようなウォンビンの表情に、BRIIZEも熱い歓声を送る。13日の公演ではベストな姿を見せられず悔しい思いをしたに違いないが、最終日の彼からは滲み出る気迫と輝きがあった。彼の公演に対する情熱を知るからこそ、その表情を見て安心したBRIIZEも多いはずだ。
続いてセンターステージで披露した「Odyssey」と「Combo」は全員がハンドマイクで丁寧にボーカルを響かせた。白いハンドマイクは新調されたもので、各自が書いた文字やイラストが印刷されている。ステージ正面には海原と帆船、錨が映し出され、この公演も彼らの壮大な〝航海〟の1つなのだと気づかされる。神秘的なサウンドと高音が美しい「Odyssey」は未知への出発を、ロックテイストの「Combo」は航海をやり遂げることの自信や期待を感じさせる。
メンバー全員が揃った
120%のパフォーマンスにファン歓喜
ウォンビンが〝自分は大丈夫!〟と伝えるように「Make some noise!」と大きく叫び、BRIIZEも全力で返す。各自が開演のあいさつをしながらステージ上でジャケットを着替えるとタンクトップの肩があらわになり、悲鳴に似た歓声が起こる。それを照れたように聞きながら、自己紹介に。
ソンチャンは「ソソソソンチャーンです!」と、日本のバラエティ番組で持ちネタとなった挨拶で盛り上げ、ウンソクは「RIIZEの石です!」と定番のコメントで笑いを誘う。ウォンビンは「今日は月曜日なのに、来てくれてありがとうございます!」と感謝を伝えたが、ショウタロウから「今日は(月曜だけど)祝日だよ」と教えられ、「あれ…?」という可愛らしい反応を見せ、会場が温かい空気に包まれる。
ソヒは「RIIZEのイケメンです!」と指をあごに当てるイケメンポーズでキメて、アントンは「アントンが代々木にきたぞ〜!」と笑顔を見せた。デビュー時から声が小さいことをいじられてきたアントンだが、本人が声の大きさが成長しましたと語る通り、しっかり通る声の挨拶だった。
MCパートに続き「Memories」が始まると、緊張がほぐれてきたのかメンバーの表情も柔らかくなり、カメラに笑顔を見せたり、会場のBRIIZEとアイコンタクト。「Be My Next」、「Lucky」と明るくポップな日本語曲で全体が一気にハッピーな雰囲気に。ボーカルにアレンジを加えたり、自由にステージを駆け回ったり、先日デビュー2周年を迎えた彼らは公演中の余裕を手に入れ始めているようだ。動き回っていたソヒがステージから落ちそうになってあわてている姿が可愛らしかった。
「Lucky」では、BRIIZEにはおなじみになっているウォンビンのおしりがアップにされる場面で会場も盛り上がり、ステージに寝そべった頬杖ポーズがカメラに抜かれるとさらにメロメロに。明るい曲のセクションなのも手伝って、メンバー1人1人が公演を心から楽しもうとしていることが伝わってくる。日本語の歌詞も聞き取りやすく、ツアーを重ねながら発音が磨かれていることに驚かされた。
メンバーお気に入りの
日本語曲で会場が一体に
VCRをはさみ、白と水色の爽やかな衣装にチェンジ。エモーショナルな「Midnight Mirage」をしっとりと歌い上げる。メンステに設置された階段に座るスタイルで披露され、ダンスがないぶんしっかりと聴き入ることができる。会場を埋めるオレンジのペンライトの光を嬉しそうに見つめる表情が印象的だった。
ウォンビンが一番好きな曲だと語る「Same Key」では背景に夕暮れの町並みが映し出され、日本的な〝エモい〟ムードに。会場も一緒に歌えるようにモニターに歌詞が映され、ソヒが腕を大きく振ってペンラを操って一体感を高める。「何度でも絶対君と出会う」という歌詞がRIIZEとBRIIZEの関係性を表してるようだ。
そして今回のツアーで名物コーナーとなっている「Hug」に。ペアになって見せるちょっとした演技が可愛らしく、BRIIZEの注目の的となっている曲だ。拗ねて背を向けるウォンビンをショウタロウがなだめるキュートなシーンから始まり、ソンチャンは寄り添って座るウンソクの肩に頭をのせて目を閉じる。ソヒとアントンがいつもの日記帳を開くと「次は東京ドームで会おう」の手書き文字が。東方神起のデビュー曲をカバーした「Hug」のステージは、メンバー間の仲のよさやそれぞれの性格を想像できる、ファンには嬉しい時間となった。
そして温かいムードのまま「Love 119 (Japanese Ver.)」に。初の日本語曲であり、スクールライフをモチーフにしたMVがブレイクの足がかりとなった人気曲だ。サビに合わせた掛け声もひときわ大きく響き、メンバーを後押しする。
トークセクションでは「Hug」のステージを振り返り、ソンチャンから「ウンソクは何もしてくれません!」とクレームが(笑)。照れてしまうのか、同い年コンビの2人は「Hug」のユニットシーンで甘い雰囲気を出してくれない……とBRIIZEから言われているが、どうやら代々木最終日ではソンチャンから歩み寄ったようだ。アントンに「もう一回やってください」とうながされ、やっと2人で頭をくっつける仲よしショットを見せてくれたのだった。
続いて「Show Me Love」のコーラス部分を一緒に歌うための練習に。ソヒがメロディーをレクチャーすると会場の歌声はすでに完璧。予想以上に大きな声にメンバーも目を丸くして嬉しそう。いたずら好きなアントンが「でもあっちの方は歌ってなかったです!」と突っ込むと、ソヒも「誰ですか?!」とスパルタ教官ぶりを披露。
優雅な「Honestly」から
大人っぽい「Talk Saxy」へ
ワイワイしたムードから切り替え、「9 Days」で再び青春の世界に引き込む。サビ前にウォンビンが「アントン、レッツゴー!」と声を上げるのも盛り上がるポイント。終盤では全員で「ジャンプ!ジャンプ!」と会場をあおり、熱を高める。「Show Me Love」では会場のBRIIZEがコーラス練習の成果を見せ、メンバーとともにステージを作り上げていく。
次のセクションでは雰囲気をガラリと変え、コンテンポラリーな「Honestly」のコレオからスタート。メンバーのボディコントロールの美しさが引き立つこのステージは、RIIZEの多彩なパフォーマンス力を堪能することができる。少年から大人に成長する彼らならではの儚さと力強さ、未来への葛藤や期待を見事に表現している名ステージだ。
羽織っていたシアーシャツを脱ぎ、タイトな白トップスに黒のハーネスやベストをまとったセクシーな姿に変わると「Talk Saxy」のサックスが鳴り響く。パフォーマンスはもちろん表情管理も素晴らしく、ウォンビンの大人っぽく色気のあるキメ顔に大歓声が起こる。そのままの流れで「Impossible」へ。メンバーも最難関と語るダンスは、スピード感のあるハウスビートに合わせた休む間のないステップが見どころ。あまりに軽やかなので無重力で踊っているように見えるが、運動量は相当だろう。サビで脚を高く蹴り上げる振り付けを見逃さないよう、目を見開くのに必死になってしまう。
事務所の先輩・EXOの代表曲をカバー
ステージが怪しげな赤い照明に切り替わると、事務所の先輩であるEXOのカバー「Monster」を披露。多くの人に愛されてきた名曲だが、本家に負けじとRIIZEらしい若々しさを感じさせるステージだ。間髪入れず「Bag Bad Back」が流れ、怪しげな世界から一変してハードなヒップホップの空気感に。「バッグに詰まっているのは夢やビジョン。絶対に未来をつかみとる」と、荒々しく野心を歌う本曲は最新のカムバック曲で、デビューから2年が経った彼らの新たな一面を見せてくれている。
続く「Get A Guitar」のイントロでは、ウォンビンがギターを、アントンがベースを演奏。常に成長し続け、自分たちらしく音楽を表現したいという彼らの気概を感じさせる演出だ。白シャツとデニムのラフなスタイリングがグルーヴィーな楽曲にマッチしている。「Boom Boom Bass」ではショウタロウの見せ場となる高速ターンで大歓声が。ラストスパートの「Fly Up」はダンサーと一緒に披露するミュージカルを感じさせるパフォーマンスで魅了。オールドロックなサウンドと、仲間がいるからこそ成立する迫力のパフォーマンスは、まさに青春の投影。見ている側も、RIIZEの青春を一緒に歩んでいるような気持ちにさせてくれる。
ウンソクを油そばのアンバサダーに推薦!
ここでトークタイムになり、クールダウン。ウンソクが油そばばかり食べているという話題になり、ソンチャンは「アンバサダーになれそう」、ショウタロウは「関係者の方、うちのウンソクをよろしくお願いします!」と茶化す場面も。
アントンが「もう1回、最初からやりたい!」を公演の終了を惜しむと「明日は別の仕事です」ウンソクが返し、笑いが起きる。気負わず、自然体の会話を見せてくれるのも彼らの魅力だろう。ショウタロウから「まだ発表していない日本での活動や、福岡で撮影したものもあります!」と楽しみな予告も。「次は大きい会場で戻ってきます!」としめくくると、本編のラストとなる「Another Life」へ。情熱的なボーカルと壮大なバンドサウンドに引き込まれる、ラストを飾るのにふさわしい曲だ。
「完璧であることはないけれど、後悔はなく。もし別の人生に生まれ変わることがあっても、夢見た未来に向かって走っていく」歌詞に込められたメッセージは、リアルタイムで夢を追いかけている彼らの姿そのもの。満天の星空から雪が振っているような演出のなか、真摯に歌う姿に胸を打たれる。「共に成長し夢を実現して進むチーム」というRIIZEのコンセプト通り、今回のツアーに参加した多くのBRIIZEは彼らの成長を目の当たりにしたはずだ。
アンコールのキュートな姿に大歓声
BRIIZEたちが「Love 119 (Japanese Ver.)」を歌ってアンコールを待つと、ポップアップショップのグッズTシャツをまとったメンバーが再登場。彼らもお気に入りの曲と語る「모든 하루의 끝 (The End of the Day)」でアンコールがスタート。1stフルアルバム「ODYSSEY」ではこういったしっかりとボーカルやコーラスを聴かせる曲が増えており、彼らの幅広い音楽性を引き出してくれている。ソヒとアントンは大きなポンポンのついたニット帽、ウンソクとウォンビンはメガネをつけ、印象チェンジ。みんな各自のキャラクターのチャームをつけているもの可愛らしい。
ここで一人ずつラストのコメントへ。
アントン「代々木は僕がブリズの前で初めて泣いた場所なので思い出深いです。アリーナツアーはここまでですが、次はどこで会うんでしょうか? みなさん聞き飽きてますか? やはり東京ドームを3日間いっぱいにするのは簡単なことではありません。RIIZEを知らない友達や家族、みなさんに来てもらえるように準備します!」
ソヒ「本当に3日間、心からありがたかったです。BRIIZEが聞かせてくれるキレイな声と歓声と笑顔、それがあったからこそ次にドームに行けることになりました。僕たちだけの力ではありません。BRIIZEのみなさんが叶えてくれました。感謝の気持ちを忘れないように最後までがんばりたいと思います。次は東京ドームで会いましょう!」
ウォンビン「みなさん後悔なく楽しめましたか? 本当に? 代々木3日間の公演はずっと記憶に残ると思います。最善を尽くして、歯を食いしばってやった気がします。応援してくれて感謝の気持ちでいっぱいです。次のステージを準備してまた帰ってきます。絶対また会おう! 約束!」
ウンソク「今日楽しかったですか? みなさんのおかげで私も楽しかったです。代々木で公演するのは2回目ですが、前回よりも成長した姿でみなさんにお会いできてよかったです。そして僕たちが成長できた理由というのは、やはりみなさんのおかげです。次はもっと成長して会えるようにがんばります!」
ソンチャン「昨日の夜寝るとき、頬骨が痛いことに気づいたんです。ここ数日ずっと幸せで笑顔だったからだと思います。幸せをくださってありがとうございます。東京ドームの日まで実感が湧かないと思いますが、一生懸命やって準備します。また会うときまで、みなさんも幸せでいてください!」
ショウタロウ「メンバーの大切さもそうですし、BRIIZEの大切さに気づけた3日間になりました。活動できることは当たり前ではないとわかっているぶん、こうして支えてくださるBRIIZEがありがたいですし、僕も一生懸命がんばらないといけないなと思います。まだ発表していないこともありますし、次はもっと近くでみんなと会えるように僕達も試行錯誤しながらがんばるので、よろしくお願いします!」
最終日限定のダブルアンコールでフィナーレ
各自がBRIIZEに感謝の言葉を送ると、会場の隅々まで手を振りながら「One Kiss」を披露。ペンライトを使って一緒に動く振り付けがおなじみの曲で、BRIIZEたちと一体になって楽しむ様子が伝わる。約2時間半にわたる公演も、ついにフィナーレ。立体ステージの端に座り、最後の時間を惜しむように「Inside My Love」を歌い上げる。RIIZEとBRIIZEのラブソング的な存在の2曲で信頼を確かめ合い、東京ドームでの再会を約束した。
ステージ奥にメンバーが消え、楽しかった公演も終わり……と思っていたら、BRIIZEの声に呼ばれてダブルアンコールが! 「Same Key」をもう一度歌って、最後まで別れを惜しんでくれるメンバーに会場も大歓声。最後は退場のアナウンスをメンバーがやってくれるうれしいサプライズでフィニッシュ。最後までBRIIZEの幸せを叶えてくれた公演となった。
RIIZEの真骨頂といえば完成度の高いパフォーマンスを思い浮かべがちだが、彼らの大きな魅力とは自身の「成長史」なのだと感じた公演だった。彼らがファンと共有してくれるのは、誰もが感じたことのある(これから感じるであろう)青春のみずみずしさや葛藤だ。常に成長と謙虚さを忘れない彼らを通して、私達は自分の青春を追体験して、曲に没入できるのかもしれない。2026年の東京ドーム公演は、K-POP男性グループとしてデビュー最速での実現となる。「さらにパワーアップした姿を見せる」と約束してくれた通り、進化した彼らの姿を目の当たりにできることだろう。
●RIIZEプロフィール
メンバーはショウタロウ・ウンソク・ソンチャン・ウォンビン・ソヒ・アントン。「成長する(Rise)」と「実現する(Realize)」という意味の英単語を合わせたグループ名で、「共に成長し夢を実現して進むチーム」という意味が込められている。“エモーショナル・ポップ”という独自ジャンルを確立し、2023年リリースの The 1st Single「Get A Guitar」から2作続けにミリオンセラーを達成。2024年にThe 1st Japan Single「Lucky」で日本デビュー。2025年にThe 1st Album 「ODYSSEY」でさらにキャリアハイを更新し、3作連続でミリオンセラーのヒットを成し遂げている。2026年2月には初の東京ドーム公演を控えている。
●公演情報
2026 RIIZE CONCERT TOUR [RIIZING LOUD] Special Edition in TOKYO DOME
会場:東京ドーム
2026年2月21日(土)16:00 開場 / 18:00 開演
2026年2月22日(日)14:00 開場 / 16:00 開演
2026年2月23日(月・祝)14:00 開場 / 16:00 開演
※開場・開演時間は変更になる可能性がございます。
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この記事を書いた人
女性誌編集部にて8年間勤務後、フリーの編集者・ライターに転身。現在は主にメイク、ヘアアレンジ、ティーンカルチャーなどの記事を担当。得意なジャンルはインタビュー、美容、コスメ、音楽(とくにK-POP)。ジャンルを問わず、足を運ぶライブは年間30本ほど。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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