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増子敦貴インタビュー/憧れの人は野球漫画『MAJOR』の茂野吾郎。選択に迷ったら『吾郎だったらどっちを選ぶだろう』

 男女7人組ダンス&ボーカルグループGENIC(ジェニック)のメンバーとしてだけでなく、舞台やドラマなどで俳優としても活躍中で、ソロでの活動も注目を集める増子敦貴(ましこ・あつき)さんが、この3月に自身2冊目となる写真集を発売します。そんな注目株の増子さんの“今”を切り取るインタビューを敢行しました!

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増子敦貴

2nd写真集は
切なさ、大人っぽい表情など
“B面の自分”が見どころ

――2月2日にGENICの配信シングル「We Gotta Move」が発売されました。

増子敦貴(以下、増子)「この作品は、GENICの今までの楽曲にはないタイプの曲で、新しい風を感じさせる作品です。“こんな時期だからこそ、家に引きこもってばかりいないで外に出て一緒に体を動かして楽しもう”というメッセージを載せた曲で、ライブでも声を出さなくてもみんなで振りを一緒に楽しめるような作品になっています。僕らのフレッシュさや可愛らしさ、爽やかさなど今のGENICの魅力が詰まっていて、GENICの代名詞的存在になる曲だと思います。僕は個人的にはこの曲が一番好き。メンバーで曲を選んだんですが、数ある候補曲の中から聞いた瞬間に『これだ!』とみんなが思えた曲なので、ぜひ聴いていただきたいです」

――増子さんはGENICの中ではどういう存在なんでしょうか?

増子「僕はしっかりしているわけはないので、いると場が和むようなムードメーカーというか癒やしの存在だと思います(笑)。あとはGENICの魅力を広める広報担当ですかね」

――全国ツアー9会場18公演がスタートしています。

増子「去年、ファーストツアーをしたんですが、半年後にまたツアーができることがうれしいです。全国のライブハウスでツアーをすることでGENICの魅力を伝えていきたいですね。自分としても1公演ずつ成長していきたいし、GENICというグループとしてもツアーを行うことでさらに絆を深めていきたいですね」

――ツアーで一番楽しみにしていることは何でしょう?

増子「行ったことのない地域にも行けるので、全国各地でファンのみなさんに会えるのがとても楽しみです。たぶん、地域ごとに雰囲気も違うと思うので、その違いも楽しめたらいいなと思います。あとは、ご当地ならではのご飯なども楽しみですね」

増子敦貴

――3月には自身2冊目となる写真集『彼方の空/海の旋律』が発売になります。

増子「ファースト写真集を出したのが19歳だったんです。去年1年間スーパー戦隊シリーズの作品に挑戦するなど僕的にはさまざまな壁を乗り越えてきたことで、前よりも大人に近づいたこの時期を節目として写真集を作りたいなと思いました。ファースト写真集は『A』というタイトルだったんですが、今回は“B面の自分”を出したいなと思っていて。『A』では笑顔や一緒に楽しんでいるような素の自分を出していたので、今回は切なさだったり、大人っぽい表情だったり、そういった部分を表現できればいいなと思って作りました」

――撮影は東京と北海道で行われたんですよね?

増子「そうです。空の彼方、遥か向こうに僕という存在がいて、そこで君と出会って、君と恋に落ちて……というようなストーリー仕立てになっています」

――北海道を撮影場所に選んだ理由は何かあるんでしょうか?

増子「最初の写真集は沖縄で撮影を行ったんです。なので、今回は真逆の寒い場所で北海道かなと。『A』が陽なら今回が『陰』というイメージですね。寒いところってちょっとさみしかったり切なかったりするので、それもあって選んだんですが、北海道の冬ってめちゃくちゃ寒いんですけど、雪に囲まれていると不思議と気持ちがポッと暖かくなるような雰囲気もあって。何か優しいものに包まれているような、そんな気持ちになるんです。そんな北海道で撮影したからこそにじみ出てくるような、表情や雰囲気も表現できたと思います。とはいえ、寒かったですけどね(笑)」

――撮影で一番印象に残っていることは?

増子「北海道の釧路で撮影をしたんですが、僕、北海道に行ったのが初めてだったんです。白鳥の群れも見られたし、おいしい海鮮丼も食べられてとても楽しかったです。あと、北海道ではダイヤモンドダストを撮りたいと思っていたんですが、タイミングが合わず撮れなかったのも印象に残っています。でもいつか個人的に見に行きたいなと思っています」

――撮影でこだわったことは?

増子「僕自身、自分の内にこもるタイプの人間なので、今まで皆さんにお見せしていない内に秘めた自分の表情を今回は見せたいなと思いました。普段、いろんな人と関わっている中で、誰もが無理して明るく振る舞っている部分があると思うんです。今回は内に秘めた自分を出すという意味で表情や動きなども作り込まず、自然にできた気がします。そういう意味では最初の写真集よりも自分の素が出ている作品かなと思います」

増子敦貴

――東京に対しての思いはありますか?

増子「僕は福島出身で東京に出て来て6年くらい経つんですが、僕にとってはやはり今も気持ちが引き締まる場所なんです。僕にとって東京は『夢を叶える戦いの場所』なのかなと思います。ただ、この先もここでやっていくんだと思うと、第二の故郷とも言える場所でもあるので、ちょっと不思議な気持ちになります」

――写真集のタイトル「彼方の空/海の旋律」も意味深ですね。

増子「去年出演した『機界戦隊ゼンカイジャー』で僕は世界海賊、ゾックスの役を演じていたんです。その作品では戦艦に乗って空から空へと世界中を旅するんです。それもあって、今回の写真集には『空』や『海』といったワードがしっくりくるなと感じました。また、ゾックスの役でも歌は一つのキーワードになっているし、GENICというアーティスト活動の中でも歌を届けているので、音楽に関するワード(旋律)を入れました。この1年を糧に俳優としてもアーティストとしても、これから「より広い海に航海に出るぞ」という決意表明の意味もあります」

――写真集のタイトルで日本語タイトルというのが新鮮です。

増子「僕らも英語にするか日本語にするかで迷ったんです。でも、作品を見ていくとやっぱり日本語だなって思ったんです。僕自身も前回の写真集のときよりも知っている日本語の単語が増えてきたので(笑)、そういう意味でもやっぱり日本語がいいなと」

――ファンの方にはどんなふうに楽しんでほしいですか?

増子「僕の今の魅力を詰め込んでいます。いろんな表情の僕が詰まっているので、読者の方がページをめくるごとに僕と二人きりの時間を楽しんでもらえたらいいなと思っています。あとは10代の頃にはなかった大人の色気なんかも感じてもらえたら嬉しいですね(笑)。smartの読者はメンズが多いと思うのですが、写真集を出すにあたって腹筋とかも披露しているので、ぜひチェックしてほしいです」

増子敦貴

増子敦貴

“日本男児”というイメージの
将棋にチャレンジしたい

――2021年が俳優としてのターニングポイントだったと語る増子さんですが、俳優として今感じていることは?

増子「それまでは舞台でのお芝居が多かったので、去年、出演した『機界戦隊ゼンカイジャー』が本格的な映像のお仕事としては初めてだったんです。だから現場でも最初は何もわからなくて1日1日が勉強の毎日でした。でも戸惑いつつもやっていくうちに、手応えを感じる場面も多くなってきて。映像だからこそ伝わる細かい表情のお芝居など、舞台とは違う魅力がいっぱいあって。今回はゾックスという個性的なキャラの役だったんですが、今後は普通の人間を演じてみたいなと思っています」

――俳優に求められることは何だとご自身では感じていますか?

増子「誰よりも常識人じゃないとダメなのかなと思うことがあります。そうじゃないと、『どこにでもいるような人』をリアルに演じることができないと思うんです。『どこにでもいるような人』を魅力的に演じることを求められるのが俳優という仕事。だからこそ、自分の人間力をもっと高めて内面から変えていけたらいいなと思っています」

――具体的に何か始めたいことは?

増子「将棋とか? 将棋をやっている人って“日本男児”って感じがしませんか(笑)? 他にもいろんなことにチャレンジしたいですね。スノボとかスキーもやったことがないし、マリンスポーツもやったことがなくて。いつどんな役で経験が生かされるかわからないので、普段からいろんなことにチャレンジしたいですね」

――舞台ではなく映像のお芝居で常識人になりたいと思った理由は?

増子「舞台に出演していた頃は、個性がいちばん大切だと思っていたんです。舞台では原作があるキャラクターものの役が多かったので、原作に近づけていく作業が正解だったんです。けど原作のない映像のお仕事になると、一からキャラを自分で作っていく必要があって、そのためには、自分の経験が必要なんだと感じたことが大きいと思います」

――これから恋愛ドラマなどにご出演する機会もあると思いますが、今の恋愛観は?

増子「僕は特にタイプとかがなくてストライクゾーンが広めなんです。ただ、僕がしっかりしていないタイプなので(笑)、しっかりしていて安心感がある人がいいなと思います。あとは、いつも恋愛を優先するのではなく、仕事や趣味などやりたいことをしっかり持っている人がいい。だから僕は二番目でいいんです(笑)」

――まだ先の見えないコロナ禍が続いていますが、今の状況が落ち着いたらまずやりたいことは?

増子「海外に行きたいですね。一番行きたいのはハワイ。スマホの電源をオフにして、空を見上げてゆっくり過ごしたいなと思います」

――東京の生活では、やはりなかなかスマホの電源を落とすことはできないですもんね。

増子「無理ですね。スマホの使いすぎで充電がなくなってしまうことはありますけどね(笑)」

増子敦貴

――ご自身が目指すかっこよさについても伺いたいです。

増子「これって、人それぞれだと思うんですけど。優しいとかかっこいいとかいろんなジャンルがある中で、僕は『この人のことをもっと知りたい』と思わせる人がかっこいいと思うんです。頼れる一面があるかと思えば子供みたいにふざけていたり、いろんな顔を持っていて『本当はどういう人なんだろう?』って知りたくなる人が理想です」

――映画やアニメの主人公で言うと?

増子「満田拓也さんが原作を描いた漫画・アニメの『MAJOR』の茂野吾郎。僕が小学校2年生の頃にアニメがNHKで放送されていたんです。自信に満ち溢れた、自分の意志を曲げないタイプなんですが、言うこともでっかいのに、それを努力で超えていく人なんです。吾郎はどんなときも困難な道を選ぶタイプなので、僕も人生で選択を迫られる場面では『吾郎だったらどっちを選ぶだろう』と思い浮かべたりする、頼りになる存在です」

――最後に、今年の目標を教えて下さい。

増子「今年は22歳になったので、いろんなものに自信を持って余裕のある大人に近づけるようになりたいなと思っています。仕事面ではGENICの名前をもっと広めて、GENICの魅力を伝えていきたいと思います。僕、個人としては俳優としてさらに活躍できる1年にしたい。去年が僕にとってのターニングポイントだったので、またドラマや映画などの作品を通して自分の芝居と向き合っていきたいなと思います」

増子敦貴

シャツ¥53,900、パンツ¥57,200、シューズ¥36,300/以上すべてメゾン ミハラヤスヒロ ☎03-5770-3291、ネックレス¥22,000/スキャット(scat.official.info@gmail.com

Profile/増子敦貴
ましこ・あつき●2000年1月5日生まれ、福島県出身。2020年5月男女7人組ダンス&ボーカルグループGENIC(ジェニック)でデビュー。2019年1st写真集「A」(KADOKAWA)を発売。ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンや舞台『仮面ライダー斬月』-鎧武外伝-など多くの舞台作品に出演。2021年には『機界戦隊ゼンカイジャー』(テレビ朝日系)にゾックス・ゴールドツイカ―役で出演。3月31日には2nd写真集『彼方の空/海の旋律』(KADOKAWA)が発売される。
増子敦貴公式Twitter
増子敦貴公式Instagram

彼方の空/海の旋律

2nd写真集『彼方の空/海の旋律』(KADOKAWA刊)

写真_大村聡志
スタイリング_石橋修一
ヘアメイク_yuto
インタビュー&文_佐藤玲美
編集_熊谷洋平

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