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矢沢永吉の一言でアメリカ行きを決意──鈴木一真が語る後悔しない生き方と、90sファッション&青春のリアルストーリー

渡米前に背中を押された矢沢栄吉の一言

鈴木一真は20歳そこそこで海外でも活躍するトップモデルとなり、のちに本格派俳優へと転身。2015年には拠点をロサンゼルスに移し、現在も挑戦を続けている

――一真くんはファッション以外にもバイク、音楽と多趣味ですよね?

鈴木「2000年ぐらいはバイクと旅行と、あと音楽がすごく楽しくて、それを洋服に落とし込むブランド(LPANDF)をやらせてもらってました。一番最初に作ったのが、街で着られるライダースジャケット、まだそういうものが世の中になかったんですよ。プラス、細身の軍パン。自分が欲しくて作ったんですけど、1、2年で世に広まって、取引先も全国に増えて、展示会もやらなきゃいけなくなって、とはいえ俳優業も忙しかったんで、これは無理だなと、身を引きました。自分でこだわって隅から隅までやらないと気が済まないので、人に任せるのは違うなと思ってましたし 」

――話は変わりますが、2015年にアメリカへ渡られたのは、どういう思いからだったんでしょう?

鈴木「海外作品のオーディションがあっても、日本でのスケジュールと重なり受けられないことが何度もありました。なので、海外に滞在すれば、何かきっかけを掴めるかもしれないと思ったんです」

――でも、それは結構大きな決断ですよね。

鈴木「はい、事務所からも『一度現場を離れれば、今ある仕事はなくなると思え』と釘を刺されて、正直、冷や汗もかきました。でも、思い切って矢沢(永吉)さんに相談したところ、“行って何も得られないかもしれないけれど、あの時行っておけばよかったと後悔するのは嫌だろうな”と言ってくださって。その言葉に背中を押されましたね」

――矢沢さんとは99年の映画『お受験』で共演してますよね。

鈴木「僕と矢沢さんがライバルの役で、本気で走らなきゃいけない撮影が毎日続いて、正直きつかったんですけど、それを乗り越えた関係というか。バイクの趣味も同じなので、“(撮影)終わったらツーリング行こうね”って声をかけてもらって、それ以来の仲なんです」

――実際にアメリカに行ってみて、どうでしたか?

鈴木「正直、厳しかったです。当初はCMやショートムービーの仕事ばかりでしたが、ここ数年でようやくドラマや長編映画に辿り着きました。実は今、秋に日本で配信予定のドラマを東京で撮影しているんです」

――最後に、smartでの撮影で印象深かった思い出を教えてください。

鈴木「初めて表紙を飾らせていただいた際、行きつけの居酒屋でお酒を飲みながらロケ撮影をしたんです。今では絶対に許されないような(笑)、本当に自由で楽しい現場でした」

鈴木一真が登場した過去のsmart

smart1997年2月号

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smart1997年10月20日号

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smart1998年4月20日号

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smart2001年4月16日号

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Profile/鈴木一真(すずき・かずま)
1968年生まれ。1987年よりモデルとして東京、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークなどで世界的に活躍。1995年の役者デビュー以来、個性派俳優として数多くの作品に出演。2015年、文化庁新進芸術家海外研修制度を機にロサンゼルスを拠点に活動中。現在、コリン・ファレル主演のApple TV+『シュガー』などに出演中。また、ハリウッドで撮り終えた長編映画の公開も控えている。

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  • 鈴木一真は20歳そこそこで海外でも活躍するトップモデルとなり、のちに本格派俳優へと転身。2015年には拠点をロサンゼルスに移し、現在も挑戦を続けている
  • 撮影は夜の東京で行われた
  • 鈴木一真は20歳そこそこで海外でも活躍するトップモデルとなり、のちに本格派俳優へと転身。2015年には拠点をロサンゼルスに移し、現在も挑戦を続けている
  • smart1997年2月号
  • smart1997年10月20日号
  • smart1998年4月20日号
  • smart2001年4月16日号

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