「アニメ×食は銭になる」異世界グルメがロサンゼルスを侵略中!? “転スラ×日本食”が生んだ新たな食ビジネスの最前線
執筆者: ライター/窪田 怜
ともに“最旬情報・トレンド”を日々発信する、メンズファッション誌「smart」とNo.1 PR会社ベクトルグループの「アンティル」がタッグを組んで、今知っておきたいトレンド情報をお届けする連載「Z世代PRパーソンのキニナルTrendope」。今回は食×アニメの関係性について。
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というのも、大学時代、僕が所属していた出版サークルに、食×アニメの関係性について取材している先輩がいました。その先輩曰く、“食”の描写は、アニメの世界観や文明レベル、そして登場人物の性格すらも浮き彫りにするとのこと。確かにワンピースのルフィが骨付き肉にかぶりつけば“豪快さ”が伝わるし、ドラゴンボールの仙豆ひと粒で全回復するあたり、食がいかに物語を動かす力を持っているかがよくわかります。
そんな“食×アニメ”のポテンシャルに注目し、実際に海外向けの日本食プロモーションへと昇華させたのが、JFOODO(日本食品海外プロモーションセンター)です。
今回はJFOODOが都内で開催した「食×アニメ」海外プロモーションメディア向け説明会を取材してきました。ちなみに「食×アニメ」海外プロモーションとは、日本が誇る文化資産である「食」と「アニメ」を掛け合わせ、農林水産物・食品の輸出促進への寄与を目指す事業のことです。
アニメ×日本食が融合したロサンゼルスの街ぐるみプロモ「Slime x Little Tokyo」
説明会の主題は、2024年に行われた『転生したらスライムだった件(通称:転スラ)』とのコラボキャンペーン「Slime x Little Tokyo – The One Who Devours All J-Food」。アメリカ・ロサンゼルスのリトルトーキョーを舞台に、日本食×アニメのキャンペーンを街ぐるみで展開。異世界に魔物の街を築いたリムル=テンペストが、ロサンゼルスでもちゃっかり日本食の街を作り上げていました。
アニメのグッズショップや日本食店舗が集まるリトルトーキョーで、日本産食材を使う12のレストランと連携し、アニメとコラボした限定メニューを提供。これらのレストランを巡るスタンプラリーも開催され、アニメファンたちはまさに「胃袋で転スラの世界を体験」する形に。
これが現地のファンの中で大きな話題となり、結果、約1,200セットが売れ、日本円で約370万円弱の売り上げを記録。単なるファンサービスのコラボイベントにとどまらず、しっかりと“マネタイズできるコンテンツ”として成立したことが報告されました。
また、コラボメニューを導入した飲食店の約半数が前年比で売上10%増を達成し、約8割の参加店舗が新たな日本産食材を導入。卸業者との新規取引も生まれました。「転スラ」のコラボメニューがここまでの波及効果を生み出むのだから、やはりアニメの影響力は計り知れません。
さらにレストラン側からは「新メニューのヒントが得られた」「他店との横のつながりができた」といった声もあり、アニメと食を媒介にした“ローカルコミュニティ再発見”という副産物まで生まれました。
登壇したJFOODO執行役の北川浩伸氏は、「アニメは大きな産業競争力を持つ日本の文化。そしてインバウンドでは“食”を楽しみにしている海外観光客も多く、“食×アニメ”は日本の二大産業資源を掛け算できる」と説明。
この記事を書いた人
PR会社アンティル所属。大阪出身。新卒でベクトルグループに入社。最近はガジェットやIT企業のPRを担当。趣味はアニメ鑑賞とVtuberで、推しは「兎田ぺこら」です。暇なときは一日中、スマホで動画を見ています。ダイエットのモチベーションは高いですが、お酒と二郎が好物です。
Website:https://vectorinc.co.jp/business/pr/antil
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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