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2022年9月24日(土)発売
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男性も他人事ではない“フェムテック”。現役産婦人科医師が解説!

男性も知っておきたい“女性のカラダのこと”

最近メディアでよく耳にするようになった“フェムテック”という言葉。

関連市場の規模は、2025年までに世界で5兆円に迫るといわれていて、今後ますます発展が期待される分野。しかし実際のところ、smart読者のなかには「何のことかよく分からない」「生理の話?」「男には関係なさそう」と思っている人が多いのでは?

そこで今回は、実は男性にも大いに関係している“フェムテック”について、ママ女医ちえこさんにお話をお聞きしました。

教えてくれたのは……

産婦人科医
ママ女医ちえこさん

【profile】

現役産婦人科医師で3児の母。YouTubeで女性の健康や性教育をはじめとした正しい医学知識を中心に情報を発信中。「mama女医ちえこ」チャンネル登録者数は13万人以上。サブチャンネルの「妊娠&出産チャンネル」では、妊娠・出産に関する有益情報なども配信中。

 

そもそも“フェムテック”って何?

フェムテックとは、「Female(女性)」「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語で、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決するサービスやプロダクトのこと。

フェムテックの領域は、「生理」「妊娠・出産」「産後ケア」「不妊」「セクシャルウェルネス」「更年期」「婦人科疾患」など、多岐にわたります。男性にとっても妊娠や不妊には大きく関係してきますし、女性への振る舞いなど男性にとっても他人事ではない一面があるので、正しい知識を得ることがとても重要です。

 

男性が特に関係してくる領域

 どの領域においても、繊細な女性のカラダに対する配慮や気づかいは必要ですが、特に男性も大きく関係してくる領域が次の3つ。

 

「避妊」

日本の性教育は世界の中でもかなり遅れているといわれています。妊娠については教えてもらえても、性行為や避妊については詳しく教えてもらえていない人が多いのが現状。望まない妊娠を防ぐためにも、避妊に対する正しい知識を身につけることが必要です。

日本ではコンドームでの避妊が一般的ですが、性交の途中からつけたり、射精のときだけつければいいと思っている人がいます。射精前後にも微量ですが精子が流れ出ているので、必ず挿入する前につけること。けれど、コンドームを使用した避妊でも2~18%ほどが妊娠してしまうことも覚えておきましょう。膣外射精や危険日を避ける方法は、失敗が多く正しい避妊法とはいえません。また、生理中の性交渉でも妊娠する可能性はあります。

女性主体の避妊方法としては、ピル(経口避妊薬)IUD・IUS(避妊リング・子宮内避妊器具)などがあります。どの方法の避妊率も100%ではないので、どの避妊方法が適しているのかをパートナーと話し合うことが大切です。

もし、避妊に失敗した場合であっても、緊急避妊薬(アフターピル)を使うことで妊娠の成立を防ぐ方法があります。ただし、緊急避妊薬はあくまでも一時的な使用が想定されているもの。緊急用として使うようにしましょう。

避妊法を組み合わせて、セーフセックスを行いましょう。

 

「性感染症」

性感染症は性行為を介して人から人へと感染していく病気の総称。日本で最も感染者数が多いといわれているクラミジア感染症、淋病、性器ヘルペス、梅毒、尖圭コンジローマ、カンジダ症などがあります。性病の感染経路は、唾液や体液などの分泌物、血液、皮膚と皮膚の接触からになります。

男性の場合、尿道の違和感や排膿、排尿痛などの症状が出たり、感染の可能性を感じたら、恥ずかしいことと思わずにすぐに病院へ行きましょう。 適切な治療を最後まできちんと受けないと治りきらずに治癒が難しくなることもありますし、放置していると感染が悪化したり、他の人にうつす原因にもなります。病気が進行すると男女ともに不妊の原因になることもあります。

感染してもほとんど症状を起こさないケースや、男女で症状の出方に大きな差があるケースもあるので、心配な方は一度パートナーと一緒に性病の検査を受けてみてください。

感染を予防するには、コンドームを使うこと。女性がピルを飲んでいたとしても、ピルでは性感染症は予防できません。オーラルセックスでもコンドームを使うと予防に効果があります。

 

「妊活」

不妊の原因は女性側にあると思われがちですが、実は不妊治療に取り組むカップルの約半数は男性側に原因があるとWHO(世界保健機関)が発表しています。不妊は女性だけの問題ではありません。

まだ若年層のカップルであれば、1年くらいは自然にまかせてもいいと思いますが、早めの妊娠を望んでいるのであれば、排卵日をしっかり予測して、妊娠しやすい時期を知ることが大事です。

基本的には排卵の2日前から当日までが妊娠しやすい時期で、排卵日を超えると妊娠率が下がります。生理周期のアプリをカップルで共有してみてもいいかもしれません。男性側の検査としては、元気な精子がどのくらいいるかを調べる精液検査があります。

 

《カップルで共有できるサービス》

 

編集部オススメ①
「ルナルナ」

女性のカラダとココロの健康を管理するアプリ。過去の生理日を入力すると、次の生理予定日や、妊娠しやすい時期・しにくい時期などを教えてくれます。生理日や妊娠確率の高い日などをパートナーへメールで伝えられる「パートナー共有機能」により、妊活中の夫婦やカップルをサポートし、男性も主体的に妊活に取り組むことができるようになります。

App StoreGoogle Play

編集部オススメ②
「ペアケア」

LINEを利用した生理日予測・パートナー共有サービス。ペアケアの公式LINEアカウントを友だち登録すると、生理日や排卵日を予測し、日々の体調記録を恋人や家族、友人などパートナーと共有することができます。気軽に始められ、普段の連絡の延長線上でやり取りでき、妊活中でなくとも、デートや旅行の予定を立てるときにも役立ちます。

友だち登録はコチラから

《妊活を始める男性が気を付けたいこと》

 

精子は時間をかけて作られるもの。精子の質を高めるためにも、健康な生活習慣が欠かせません。以下のことを意識しながら生活を。

栄養バランスのとれた食事をする

精子の量や質を低下させないためにも、栄養バランスのとれた食事が基本。亜鉛を含む食材は、男性ホルモンの合成を促進し、精子の運動率を上げてくれるとされているので積極的に摂取しましょう。

適切な体重コントロール

太りすぎや痩せすぎも妊活にはよくありません。日々の生活で適正な体重の維持を心がけることが、妊活につながります。

適度な運動を行う

適度な運動を心がけることでカラダの機能が向上します。ウォーキングやジョギング、自宅での筋トレなど、自分の体力に合わせた運動を毎日続けて行うことが大切。

しっかり睡眠・休養をとる

睡眠による休養は心の健康にもつながります。質の良い睡眠を意識して、毎朝同じ時刻に起床して、体内時計のリズムを整えましょう。

できるだけストレスを排除

過剰なストレスを受けると、生殖機能の低下をまねきます。まず休息をとって、心身を休ませて緊張をほぐしましょう。

タバコやお酒をやめる

喫煙していると、精子の量や質が低下してしまうので妊活中は禁煙に取り組むのがベスト。過度な飲酒は、勃起不全や遅漏などの射精障害につながることがあるので、飲みすぎないように注意しましょう。

妊活期間中はサウナ、長風呂は控える

精巣は「熱に弱い」という特徴があり、精子を作る機能は熱によって低下します。長風呂やサウナが好きな男性は多いですが、妊活期間中だけでも控えましょう。

ボクサーパンツより風通しのいいトランクスを穿く

ブリーフやボクサーパンツは肌に密着するため熱がこもりやすくなります。トランクスの方が通気性が良いので妊活中はトランクスを選ぶと精子の健康に◎。

長時間同じ姿勢で座らない

仕事や車の運転など、長時間同じ姿勢で座っていると、陰嚢が圧迫され下半身の血行不良につながります。時間をおいて少し体勢を変えたり、休憩時に歩いたり体操をして下半身の血流を改善しましょう。

 

女性の健康に寄り添う大切さ

 

今回は、男性が大きく関わる領域の話でしたが、いちばん知ってほしいことは女性には男性には分からない女性特有のカラダの悩みがあるということ。とくに身近なのはパートナーの生理やPMS(月経前症候群)かもしれません。男性は経験できないため、「どんな症状で困っている?」「何かできることはある?」など、さりげなく相手の状況を聞き出してあげるのがいいと思います。職場の同僚などには、過度に反応するのではなく、風邪と同じくらいの感じで「大丈夫?」と声をかけるくらいがちょうどいいのではないかと思います。

 

男女問わずより多くの人が女性の健康課題を知って、その解決に向けてアクションを起こすことで、女性がもっと働きやすい、暮らしやすい社会につながっていくことを願っています。

1月25日に発売したsmart3月号でも、フェムテックに関する記事を掲載中。気になった方はぜひ、読んでみてくださいね。

 

TEXT_ERIKO SUZUKI

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20:00

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