「全自動で生クリームを泡立てる夢の家電」すき焼きに生クリームが最高に合う！貝印の“生クリッチ”を使ってみたら、想像の10倍のアレンジ幅で楽しかった

そんな夢の家電「生クリッチ」の発案者・貝印の小林さんにお話を聞いてみました

Q．まずはじめに、この世の甘党及び生クリーム愛好家のための商品を世に生み出していただきありがとうございます！！商品を使えば使うほど、生クリーム好きじゃないと思いつかないような絶妙な商品であるなと思っているのですが、実際に小林さんが生クリーム愛好家なのでしょうか？

A.もちろんです！！どれほど生クリーム愛が強いかというと、スタバのホイップ増量は当たり前。そもそもスイーツを選ぶときの基準は「生クリームが入っているかどうか」です。自宅などで自分でホイップ量を調整できるときは、たいていメインのデザートよりも生クリームのほうが多くなる“逆転現象”が起こりがちです……（笑）。

Q.そうなのですね！（さすが開発者、愛の深さが尋常じゃない……！）貝印さんは包丁のイメージが強いのですが、泡立て器を（しかも生クリーム専用の商品を）作ることに対して社内ではどのような反応がありましたか？

A.社内の反応は2極化していた印象です。「こんなニッチな商品売れないだろう」という方がほとんどで、まれに「めっちゃいい！いくら出しても買うよ！」という反応がありました。試作品ができてくると前者の反応を示していた人も、「便利だね、意外といいかも……」という反応に傾いていきました。

Q.すごい……いざ実現に近づくにつれて、どんどん応援派が増えていったのですね。開発段階で一番苦労した点は何でしたか？

A.一番は「自動泡立て機能の実現」です。生クリームの種類（動物性、植物性、安定化剤入りの動物性、脂肪分の濃度など）が多々あり、それぞれ泡立ちやすさが異なりますし、クリーム温度によっても泡立ちやすさが変わります。私自身、多少値段が高くても動物性の生クリームを選ぶほどこだわりがあるので、絶対に妥協できない部分でもありました。

また、ウィスクの形状、カップの大きさ、モーターやギアの仕様が変わるとプログラムのアルゴリズムにも影響するので、一つの要素を変更すると他の要素も調整しないといけませんでした。その上でコストも抑えつつ……。本当にたくさんの条件下で実験を繰り返して現在の設計に落とし込みました。

Q.そういった苦労を乗り越えたからこその“夢の家電”なのですね！最後に、おすすめのレシピは何ですか？

A.おすすめアレンジがたくさんあるので、ぜひいろいろな料理でお楽しみいただきたいのですが、「すき焼き」は特におすすめです！生卵とクリームを両方用意して味変して食べるのが好きです！実際に開発段階でも100種類以上の組み合わせを試しましたが、生クリームって意外と何にでも合うんですよね。掛け合わせると基本的にまろやかな味になるので、「すごく合う！」か「まあ普通かな、悪くはないな」というものが多かったです。ただ、マヨネーズ、海苔の佃煮、たこ焼きの3つはお互いの味が邪魔をしあってよさを消していた記憶があるのでおすすめできません……（苦笑）。