「オファーが3年後ならDリーガーになっていない」List::X・RISA、すべてを捨てたときに舞い込んだD.LEAGUEへのオファー
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
後半戦に入り、ますます目が離せない日本発のプロダンスリーグ 「D.LEAGUE 24-25」。熱戦を繰り広げる14チームのうちで今季から参入したのがList::Xだ。日本近代の幕開けの地・横浜で結成され、ヒップホップを中心とした柔軟かつ斬新なショーケースで試合を盛り上げている。ディレクターk-skのもと、リーダーのTenjuとともにチームを引っ張るのが、ROUND.7でエースパフォーマンスを披露したRISA。メジャーなシーンよりもアンダーグラウンドなシーンが好きだったという彼女が、Dリーガーになった経緯に迫る。
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エースパフォーマンスの重圧
――今シーズンから新規参入され、シーズン後半戦を迎えた今の心境はいかがですか?
RISA:苦労はありますが、新規チームだからこそリーグ全体を俯瞰(ふかん)して、そのなかで戦略を研究できるのはひとつ強みな気がしています。
――チームのテーマ「old to new」についても改めて教えてください。
RISA:スタイル的な「新旧」という意味ではなくて、アンダーグラウンドなシーンで踊ってきた自分たちの本質的な部分を「old」、D.LEAGUEのステージで新たな挑戦を広く届ける革新を「new」としています。このコンセプトに沿いながら、まず1年目を戦っていければ。
――チーム自体はオーディションで集められましたが、メンバーの雰囲気は?
RISA:リーダー・TenjuやSHOHEYくんは昔からの仲で、若いメンバーは初めましての人もいました。とにかく全員いい人たちでチームバランスや雰囲気も良好。ディレクター・k-skさんとTenjuをはじめフロント陣がしっかりディレクションしつつ、和ませてくれるので堅苦しい感じがないんですよ。
個人を尊重していくスタンスなので下の子たちも心を開きやすいんじゃないかな。とはいえ、締めるところは締める。そのバランス感もあり、1年目にしてチーム感が出ているんじゃないかなと思います。
――ダンスのスタイルについてはいかがでしょう。
RISA:ヒップホップを軸に、いろいろな要素を取り入れた柔軟な発信にもチャレンジしてます。核心と遊び心を大切に。
――ショーケースはどのように作っているのですか?
RISA:基本は誰かがディレクションを担当してテーマやコンセプトを決めていく方式を取っています。そこにメンバーの発想やエッセンスを加えて作り上げていく流れです。
――ROUND.7「Hands of fate」で担当されたエースパフォーマンスはいかがでした?
RISA:直接得点に結びつく「エースパフォーマンス」はチームにとって大きな役割です。とはいえジャッジから票を取ることより、「自分がどう戦いたいのか?」という葛藤がありました。勝ち負けだけを考えて踊るのは腑に落ちなくて。だからリハの段階からフリースタイルで遊んで感覚を探りながら着陸したのが、あのパフォーマンスでした。
「ヒップホップを踊るなら、当然フリースタイルでカマす」という精神を大事に。結果は負けてしまったので課題もありましたけど、チームの想いと票を背負いながら自分のステージングと過程は大事にできたかなと。
――プレッシャーもあったのでは?
RISA:重圧がヤバかったですね(笑)。当日はエースを経験したチームメイトが特に気にかけてくれているように感じました。いろいろな意見もあると思いますが、新ルールの「エースパフォーマンス」と「シンクロパフォーマンス」は試合のひとつの見どころになっている気がします。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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