Netflix『オフライン ラブ』参加者10人プロフィール紹介【“スマホなし”で恋は生まれるのか?デジタルネイティブ世代究極の恋愛】
執筆者: ライター/石野志帆
見どころ① デジタルネイティブ世代が潜在的に憧れる“オフライン”の世界
「スマホを手放して恋をする」非日常の体験が恋愛を研ぎ澄ます
デジタルネイティブ世代にとって、スマホはなくてはならないインフラになっている。目覚めてから眠りにつくまで片時も放せず、そばにないと不安さえ感じる人も少なくないだろう。しかし一方で、アナログな世界に憧れる人も意外と多いのではないだろうか。『オフライン ラブ』は、そんな“スマホがない世界での恋愛”に挑む男女10人の姿を描き、「当たり前ではないこと」の価値を映し出す。
連絡手段は手紙のみ デジタルデバイスがない時代の恋愛を追体験
参加者たちは、異国・フランスのニースで、1冊のガイドブックだけを頼りに旅をする。彼らに許された唯一の連絡手段は「手紙」。「会いたい」と思ったら、相手に手紙を出すしかない。気軽なメッセージではなく、その人を思い浮かべながら便せんに文字をしたためて「デートしませんか」と誘うことで、言葉が重みを増し、想いがより真剣なものになってくる。
この、今では“古い”とされるアプローチが、デジタルネイティブ世代には逆に貴重な体験だ。実際、参加者のなかには「駅の掲示板に伝言を残すような時代の恋愛に憧れていた」と語った人もいた。さらに、この番組では相手を「待つ」というシーンが幾度も出てくる。LINEで「10分遅れる」と伝えることができないからだ。
「待ちぼうけ」は今やとても新鮮で、待ち合わせに遅れそうになって「誰かのために走る」という、かつてのトレンディドラマでよく見られたような瞬間が、新たな魅力を持って映る。
情報ではなく直感や想いに素直になっていく “運命”の恋愛リアリティ
番組では、参加者がどこにいるか地図上で示される。ほんの数メートルの距離にいながら、出会えずにすれ違ってしまうこともあり、誰にも会えないまま1日を終える参加者もいる。だからこそ、出会えた人には“運命”を感じやすい。出会えたこと自体が奇跡のように思え、思い入れが強くなるのだ。
そうしたなかでこの旅では、それぞれの直感が研ぎ澄まされていくのが印象的だ。相手に出会うために誰かがいそうな場所を歩く、ポストに書かれた名前から湧いたインスピレーションでその人に手紙を送ってみる……。参加者が“情報”ではなく、自らの“想い”に素直になっていく姿に心が洗われるようで、これまでにない清涼感のあるリアリティ番組になっている。
この記事を書いた人
TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。
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