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「50代の恋愛が面白い」Netflix『あいの里』制作プロデューサーに聞く、最新シリーズの前代未聞な出来事の舞台裏【ネタバレあり】

執筆者: ライター/石野志帆

泣いたり笑ったりしながら人生を学べる番組にしたい

Netflixリアリティシリーズ「あいの里 シーズン2」世界独占配信中

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──MCはシーズン1に引き続き、田村淳さんとベッキーさんです。起用理由を改めてお聞かせいただけますか?

西山 この番組のスタジオの役割っていうのは、共感と補完だと思っています。共感というのは住民1人1人への共感力が高いこと。一方、補完というのは番組の中で伝え切れなかった部分を、スタジオで言ってもらうこと。それを打ち合わせなくやり遂げられるのが、あの“天才”のお2人なんです。

──打ち合わせをしないんですか?

西山 全く打ち合わせをしないんですよ。僕がスタジオトーク展開を読むのが得意じゃないので、打ち合わせはせずに全部投げています。多分お2人はVTRを観ながら感情移入しつつ、もう一つの脳で制作側が何を言いたくて作っているのかを考えながらやっていると思います。

なので、こちらが言ってほしいことを先回りして言ってくれる。使えるコメントがすごく多いので、切るのに苦労するぐらいです。本当にすごいと思います。

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──田村淳さんがシーズン2でもたくさん泣いています。

西山 びっくりですよね。意外なところで泣くので面白いです(笑)。

──シーズン1は“泣ける恋リア”として話題になりましたが、恋愛リアリティーショーではなく“恋愛ドキュメントバラエティ”として制作されているんですよね?

西山 僕たち制作側はそう思ってやっています。ドキュメンタリーの撮り方をしながらバラエティーの演出も織り交ぜていく手法は、もともと『元気が出るテレビ』でスタートしました。僕自身『元気が出るテレビ』が大好きで、ああいう番組を作りたいと昔から思っていて。

でも実際にドキュメンタリーを撮ってみると、被写体がカメラを意識してしまって本当の姿が撮れなくなることが多いんですよね。そこで『電波少年』がやり始めたのが、とにかく朝から夜までカメラをずっと回す手法。その状況を1週間ぐらい作ると、カメラが日常化してみんな気にしなくなって、鎧を脱いだ本当の素顔が撮れるんです。僕も『あいのり』制作のときから、朝から夜までカメラを回しっぱなしにして、それを日常にするという手法をとっています。

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──『あいの里』でも本当にずっと撮ってるんですね。

西山 朝から夜中まで24時間ずっと回してます。定点カメラもありますし、“夜班”というのもいて、朝まで撮影するスタッフが2人います。撮影現場スタッフは大変ですよ。どの瞬間に恋に落ちるかわからない状況なので、常にカメラを回すしかありません。

──改めて、シーズン2の見どころはどんなところでしょうか。

西山 いっぱいありすぎて語り切れないのですが……。一つは50代の恋愛ですね。そして命について考えさせられるエピソードもたくさんあるので、注目してもらいたいです。

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──『あいの里』は、大笑いして、泣いて……と、視聴者としては感情の波が激しいのも魅力的だと思います。

西山 泣いたり笑ったりしながら、人生を学んでいける番組にしたかったというのはあります。「どう生きていくべきか?」「人生とは何か?」っていうのは、誰でも持っている本能的な問いじゃないですか。

それに答える材料の一つにでもなれば、こんなに嬉しいことはないと思っています。シーズン1で観られた奇跡以上のものが、今シーズンでもたくさん起こっているので、最後までぜひ観てほしいです。

(了)

Profile/西山仁紫(にしやま・ひとし)
フジテレビバラエティ制作センター部長等を歴任し、現在は合同会社キャンドル代表。学生時代に海外を貧乏旅行した体験から「なりゆき」「あいのり」を企画。フジテレビ、Netflix『あいのり』、Netflix『あいの里』のプロデューサー兼演出。

この記事を書いた人

TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。

X:@heartsilvermist

Website:https://smartmag.jp/

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