「50代の恋愛が面白い」Netflix『あいの里』制作プロデューサーに聞く、最新シリーズの前代未聞な出来事の舞台裏【ネタバレあり】
執筆者: ライター/石野志帆
11月5日(火)よりNetflixで世界独占配信が開始された恋愛ドキュメントバラエティ『あいの里 シーズン2』。35歳以上の男女が人生最後の恋を求めて古民家で共同生活を送る様子を描く。昨年6週連続で日本のNetflix週間TOP10 (シリーズ)入りを果たした番組の新シーズンとあって、配信開始から既に話題沸騰中だ。
この番組をプロデュースしているのが、フジテレビの大人気シリーズ『あいのり』を企画演出した経歴を持つ西山仁紫氏。新シーズンでは、個性豊かな面々が初っ端から激しい衝突を繰り返し、住民に対し“異例の”措置が取られる出来事も発生。修羅場を乗り越えながら、今後どのように最後の恋を育んでいくか、その行く末に期待が高まっている。smart Webではプロデュース・演出を務めた西山氏に、大好評だったシーズン1を受けて新たに製作された新シーズンに込めた想いと、制作の裏側について聞いた。
※以下の内容は、『あいの里シーズン2』12話までの内容を含みます。
目次
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──シーズン2の配信が開始され、今回も大好評です。前作のシーズン1はNetflixで6週連続日本のTOP10入りという大きな反響を巻き起こしましたが、手応えはいかがでしたか?
西山 シーズン1を制作していた当初から「面白いものができる」という自信はあったんですが、どれだけの方に観ていただけるかは分からなかったので、回を追うごとにどんどん評判が高まってきたのは本当に嬉しかったですね。
僕自身は最初からターゲットっていうのは決めてなくて、できるだけ多くの人に届けることを意識していました。人は「初めて見るもの」を面白がりますよね。恋愛だけではなく、人生についてのいろんなことにフォーカスすれば、多くの人が興味をもってくれるだろう、と。それでもこんなに多くの人に評価されたのは、ある意味意外でした。
──35歳以上の恋愛というテーマ性の新しさも、反響の理由だったと思います。
西山 若者にターゲットを絞った恋愛番組がたくさんあるなかで「ちょっとこれ面白そうだな」と思われたのはあると思います。特に2010年以降に多く制作されてきた恋愛リアリティショーのレッドオーシャンのなかで、『あいの里』は“恋愛×中高年”というブルーオーシャンになったのではないでしょうか。
中高年は若者以上にいろんな人生経験があるので、フォーカスするネタが増えます。多様性が出てくるので、視聴者は飽きることなく観てくれる。それに人を好きになるタイミングも違うし、好きになってもらうための行動もそれぞれ違う。個人的にもそうしたものがすごく愛おしいと感じましたし、共感しましたね。
──若い世代からも反響がありました。
西山 若い人は“怖いもの見たさ“の人もいたかもしれません(笑)。でも、一つ一つが「もしかしたら自分がそうなるかもしれない」わけですよね。こういう等身大の恋愛ドキュメンタリーは、そんなに多くはないと思うんです。
特別な才能を持ったスポーツ選手や芸能人ではなく“普通の人”がどう生きてくかというのが、実は多くの人が一番興味のある部分なのではないか、と。今回『あいの里』を撮ってみて、誰でも住民の中の1人か2人にはすごく共感する人が出てくると思いました。それが自分の何十年か先の将来でもあるから、その姿を観て勇気をもらったり希望を持ったりしてくださったら嬉しいですね。
この記事を書いた人
TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。
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