Netflix「ボーイフレンド」参加者プロフィール&見どころ紹介【日本初となる男性同士の“男性が恋愛対象”の恋愛リアリティショー】
執筆者: ライター/石野志帆
アラン(29)ブラジル出身・IT企業勤務
感情表現が豊かでボディタッチも多めな、明るいキャラクター。いるだけで場が華やかになるような存在で、人を励ましたり元気づけたりするのも得意だが「恋愛関係になるには時間がかかる」と打ち明ける。
Netflix『ボーイフレンド』番組進行のルール&仕掛け
『ボーイフレンド』に出演するメンバーの共通点は「男性が恋愛対象である」ということ。ルールもシンプルで、恋愛や告白はマストではない。旅の大きな決まりや仕掛けは以下の通り。
①約1カ月間の共同生活を送る。
海沿いにあるプール&サウナ付きのビーチハウスで共同生活をする。料理や洗濯、掃除、家計の計算は協力し合ってやらなければならない。
②コーヒートラックを運営する
コーヒーやカフェラテ、クッキー等を、ペパーミントグリーンで彩られた車で移動販売する。売り上げはメンバーで自由に使ってよい。限られた空間と人数で働くコーヒートラックは、共同生活だけでは見えてこない部分が引き出され、恋愛や友情に変化がもたらされやすい。
③関係性が深まるような“指令”がタブレット上で告げられる
「気になる人へ匿名の手紙を書く」「コーヒートラックで一緒に働く相手を指名する」など、恋愛を加速させたり、短い期間で相手をより深く知ったりする機会を与えられる場合がある。
Netflix『ボーイフレンド』の見どころは?
三角関係やすれ違い、共同生活下でのあるある……リアリティ番組の真骨頂!
「恋愛→告白」が番組のゴールでないとはいえ、恋愛模様はもちろん見ることができる。初対面同士で同じ空間を過ごすため、恋愛相手のタイプ、これまでの恋愛傾向、そして想いの矢印を探り合う過程が、恋の始まる瞬間を彷彿(ほうふつ)させて、視聴者の胸をちゃんとつかんでくれる。
さらに、ひょんなことから疑惑を抱いてしまったり勘違いしてしまったりすることでお互いがすれ違ってしまうもどかしさ、想いを寄せる相手が別の相手と関係を深めていく姿を目の当たりにする切なさは、応援したくもなるし、深い共感も呼ぶだろう。そして「全員と恋愛可能性がある」ということは、これまでの主に異性間を対象とした恋愛リアリティ番組では見られなかったことで、新鮮だ。
また、炊事、洗濯、掃除をはじめ、風呂に入る順番や、限られた予算内での家計のやりくりについてなど、共同生活ならではの“課題”が出てくるのも、視聴者としては面白いし、当事者としては相手のことをより深く知るきっかけにもなるだろう。映像のオシャレさも相まって、日常を映し出しながらも、非日常を楽しませてくれるリアリティ番組の真骨頂ともいえる番組だ。
性的マイノリティについて、当事者であるからこそのトピックが自然に映し出される
運営するコーヒートラックの名称を決める会議で「自分をhe/him、男性だと定義していない人はいますか?」と、あるメンバーが他のメンバーに確認をとるシーンがある。こういった場面をはじめとして、自分の性別を自分でどのように認識しているかについての概念(性自認)には多様性があることが、この番組では、ごく自然な流れで気づかされることがある。
全員が性的マイノリティであることから、これまで抱えた葛藤についてお互いを探ることなく吐露されるシーンも印象的だ。地方でゲイやバイセクシュアルとして生きる苦悩がトピックに上がったことがあった。地方では同性同士の交際をオープンにしている人が少ないこと、長男として生まれたが家業を継げないという罪悪感など、同じような体験をした者同士の会話から交わされる経験と感情がリアルに伝わってくる。
「“こっちの世界”では友達や親友と呼べる人はごくわずか」と語ったメンバーもいた。友達関係になれば恋愛についての話題は出てくるものだが、新しく知り合った友人にどこまで自分の性的指向や性自認について話すのか。話さないのであれば“本当の自分”は知られることはないという孤独を感じることもあるだろう。
だからこそ、“Green Room”で同じ時間を共にした仲間が、恋愛だけではなく一生モノの友情を育めるような大切な存在になっていく予感がしてくる。「ラブストーリーであると同時に、心を揺さぶるヒューマンドラマ」である本作は、すべての人におススメできる作品である。
スタジオ出演:MEGUMI、ホラン千秋、青山テルマ、ドリアン・ロロブリジーダ、徳井義実
配信:2024年7月9日(火) Netflixにて独占配信開始
配信スケジュール:7月9日(火)第1話~3話 / 7月16日(火)第4話~6話 /7月23日(火)第7話~8話 / 7月30日(火)第9話~10話
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文=石野志帆
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この記事を書いた人
TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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