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執筆者: smart編集部
三沢さんとの突然の別れでリングへの情熱を失った
この章では、なんで俺が飲食店をやっているのかを説明するために、そのバックボーンを書いてきたけれど、本当に10年前までは店を出そうなんて、これっぽっちも考えたことがなかった。
料理も必要に迫られて高校時代や新弟子の頃にやってはきたけど、自分から進んでやっていたわけではないし、とにかく俺はプロレスラーとして、リングの上で闘うことしか頭になかった。このままリングに骨を埋めよう、と本気で考えていた。
その考えが一変したのは、2009年6月のことだ。
三沢さんが突然、亡くなった。
高校時代からずっと一緒だったし、常に三沢さんの背中を追いかけていた。途中で団体は別になったけど、同じプロレス業界にいたし、「三沢さんが頑張っているからこそ、俺も頑張れた」と思っていた。
なのに、その背中が突然、俺の目の前から消えた。
その瞬間に俺のプロレスに対する情熱がスーッと冷めていくのがわかった。
冷静に考えたら、俺の体もボロボロだし、いつ動けなくなるかわからない。じゃあ、「プロレス以外に俺ができることってなんだろう」となった時、ずっと作ってきた料理のことしか頭に浮かばなかった。
もちろん、そんなに簡単なものじゃないとはわかっていたけど、じゃあ、タレントとしてやっていけるか、と考えたら、とても俺にはできないな、と。あんなに浮き沈みの激しい世界で生き残っていける自信なんて、まったくなかったからね。
そこで昔から通っていた中華料理屋さんで勉強をさせてもらうことにした。本格的に学ばせてもらったのは、店をオープンするまでの半年間。とにかく基礎の基礎を教えてもらった。具体的にいえばスープ作りかな。プロレスで言うところの受け身の練習をひたすら続けた。
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