smart Web

美食家ジャイアント馬場が「こんなに旨いものがあったのか?」と絶賛した意外な料理“デンジャラスK”川田利明が「麺ジャラスK」に“転職”した理由

執筆者: smart編集部

三沢さんとの突然の別れでリングへの情熱を失った

 この章では、なんで俺が飲食店をやっているのかを説明するために、そのバックボーンを書いてきたけれど、本当に10年前までは店を出そうなんて、これっぽっちも考えたことがなかった。

 料理も必要に迫られて高校時代や新弟子の頃にやってはきたけど、自分から進んでやっていたわけではないし、とにかく俺はプロレスラーとして、リングの上で闘うことしか頭になかった。このままリングに骨を埋めよう、と本気で考えていた。

 その考えが一変したのは、2009年6月のことだ。

 三沢さんが突然、亡くなった。

 高校時代からずっと一緒だったし、常に三沢さんの背中を追いかけていた。途中で団体は別になったけど、同じプロレス業界にいたし、「三沢さんが頑張っているからこそ、俺も頑張れた」と思っていた。

 なのに、その背中が突然、俺の目の前から消えた。

 その瞬間に俺のプロレスに対する情熱がスーッと冷めていくのがわかった。

 冷静に考えたら、俺の体もボロボロだし、いつ動けなくなるかわからない。じゃあ、「プロレス以外に俺ができることってなんだろう」となった時、ずっと作ってきた料理のことしか頭に浮かばなかった。

 もちろん、そんなに簡単なものじゃないとはわかっていたけど、じゃあ、タレントとしてやっていけるか、と考えたら、とても俺にはできないな、と。あんなに浮き沈みの激しい世界で生き残っていける自信なんて、まったくなかったからね。

 そこで昔から通っていた中華料理屋さんで勉強をさせてもらうことにした。本格的に学ばせてもらったのは、店をオープンするまでの半年間。とにかく基礎の基礎を教えてもらった。具体的にいえばスープ作りかな。プロレスで言うところの受け身の練習をひたすら続けた。

この記事を書いた人

ファッション、カルチャー、ライフスタイルなど、今旬なモノ、コトを厳選してピックアップ。モノ・コトに加えて、“時代の顔”ともいうべき人物をファッションモデルに起用するのはもちろん、インタビューでその人となりに迫るなど、smartを読めば“今”がわかります!

X:@smart_twjp

Instagram:@smart_tkj

Website:https://smartmag.jp/

執筆記事一覧

この記事をシェアする

この記事のタグ

03

10:00

smart Web の
記事をシェア!

この記事をシェアする

関連記事

「薬学部に通う異色の格闘家」彼が“バックボーンがあるブランド”を着る理由

「BreakingDown出場選手をスナップ!」愛用トレーニングウェアはリスペクトしているあの元名選手からのもらい物

「“馬鹿”って言われるくらいクソ真面目にやることが大事」アントニオ猪木の教えがあったから戦国プロレス時代を生き抜けた

【ラーメン屋の過酷すぎる経営事情】「麺ジャラスK」店主の人気プロレスラー川田利明が赤裸々告白 ほか【格闘技の人気記事 月間ベスト3】(2024年5月)

「アントニオ猪木が愛用した香水は……」毎日が修学旅行みたいで楽しかった昭和のプロレス巡業

ベンツ3台分をスープに溶かした人気プロレスラーがラーメン屋経営を本気でおすすめしない理由

smart(スマート)公式SNS