【元国税局芸人さんきゅう倉田】「投資で人生を変えろ!」 38歳現役東大生が語る、資産運用のススメ
執筆者: ライター・エディター/佐藤玲美
お金の話を周りの人としたほうがいい理由
――そこで気になるのは、新NISAを始める証券会社の選び方です。SBI,楽天、マネックスといったネットの証券会社のほうが手数料が少ないというものの、倉田さんはどのように選んでいますか?
倉田「僕的には楽天証券がいいんじゃないかと思いますけどね。大手の強みで手数料は安いと思います。やはり、ネット証券の中でも後から参入してきたところは価格で勝負しているので安い気がします」
――投資会社を選んだら次は銘柄選びです。
倉田「銘柄選びはインデックス一択でいいと思います。人気のインデックスのランキングは証券会社ごとに出ていると思うので、人気の理由を調べて自分の考え方と合っているのなら購入するというのがいいと思います」
――インデックスの中でも全米や全世界、先進国などがあります。
倉田「全米か全世界をおすすめします。僕は今後もアメリカがずっと伸びると思っているので。買う人自身が伸びると思う国を買うのがいと思います。全世界も内訳でいうと6割はアメリカだし、インデックスを買うということはアメリカ経済全体に投資をすることだと思うので、アメリカ経済が実際に伸びていくならそれが株価に反映されるわけです。僕自身も個別株を買っていた頃に、マネックス証券の松本大(おおき)さんの講演で推奨していたのを聞いていいなと思ったのがきっかけなんですけどね。その頃は、マネックスが他の証券会社とは違って、アメリカ株に対応していたというのもあると思うんですけど」
――新NISAでは成長投資枠とつみたて投資枠がある。
倉田「つみたて投資枠で購入できないものを買うのなら、成長投資枠で購入すればいいですが、インデックスを購入するのが初心者向けだと思いますけどね。たとえば成長投資枠でよく利用しているような飲食店やスーパーマーケットの株を買ったり、株主優待目当てで買ったりしてもいいんじゃないかと思います。好きなアイドルがいるから、そのアイドルが所属しているレコード会社に投資するとか。投資をするというのは、その会社を応援するということだとカジュアルに考えて投資をするのもいいと思います。だめになって下がってもいいという気持ちで応援するのもいいのではないかと」
――新NISAやiDeCoを始めたら、そこで運用されていくお金とはどのように付き合っていけばいいのでしょうか?
倉田「積立で買い増しする場合を除いて、もう置いておくだけでいいと思います。毎月固定のお金が自動的に引き落とされるだけなので、いちいち見て一喜一憂するメリットはないので、見ないことが一番いい。短期で見たら下がる場合もありますからね。将来のための積立というところで、そのまま置いておいたほうがいいと思います」
――今、持っている貯蓄の中で、どのくらいを投資に回せばいいのかも気になるところです。
倉田「貯めたい金額をまずは設定し、一か月分の投資や貯蓄の金額を決めて、月収からその金額を引いて、残りを月の予算として計上して、さらに1カ月は4週間なので、4で割ったものを週の予算として使います。月に何回も銀行にお金をおろしに行くのは無駄だし手数料もかかるので、一カ月に必要な分をまとめて下ろすようにします。貯金額の目標は老後資金などを考慮した中長期的なものと、海外旅行や引っ越しなどの短期的なものの二軸で設定するのがいいと思います。今は独身というのもありますが、普通に使っていても、投資などで貯まる仕組みができているので、今は予算を決めるのはやめています。あとは、マネーツリーというマネーアプリを入れているので、それでお金を管理しています」
――とても合理的に見える倉田さんだが、実はお洒落にこだわっていて大のコム・デ・ギャルソン好きという一面も。ときには予算を超えて服にお金を費やしてしまうこともあったのだそうですね。
倉田「貯蓄や節約のためにすべてを我慢する必要はないんです。予算以上のものを購入してしまった場合は、次の月から予算を少し減らして、ずれを修正します。そういう自分の中の借金を返したら、改めて次のシーズンに向けて、服を買う予算を組んでおくなどの調整をしていましたね。一番多く買ったときはワンシーズンで120万円くらい。ただ、コートなどの重衣料は何年も使えるものもあるし、毎シーズン買い足す必要がないものもあるので、まったく買わなかった時期もあります」
――最後に、上手にお金と付き合っていくために倉田さんがsmart読者に伝えたいことはありますか?
倉田「お金の話はたくさん周りの人としたほうがいい。家賃でも食べ物の値段でも雑誌の値段でもいいけど、話すことでモノの価値を知り、それが勉強になります。僕自身、30代後半になってからは、役職についている友人に年収を聞いたり、家を購入した友人に購入金額を聞いたりしています。 あとは、今回は金融投資の話ですが、自分に投資することも大切。僕は個人事業主なので、周りの人にお金を使えば、大きくなって戻ってくると思っているんです。だから、お祝いや手土産を重要視しています。次の仕事に繋がったり、本を読んだり、自分の能力が伸びたりするようなお金の使い方をするようにしています」
――そこで倉田さんが意識しているのが魚の「あんこう」なのだとか。
倉田「あんこうって身も皮もすべて食べられる効率のよいお魚。なので例えば、女性とご飯を食べに行くときに、ただ『楽しかった』っていうお金の使い方ももちろんいいけど、その時間で仕事に使える情報を得ることができたらさらにいい。それが、(あんこうが無駄なくすべての部位を食べられるように)時間をまるごと有意義に使えたということ。だから、女性と過ごす時間でも、自分が知らない彼女の仕事や趣味の話を引き出すようにしています。自分の稼いだお金が最大のパフォーマンスを発揮するように、使い道を考え、行動することが大切だと思います」
(了)
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お金持ちと貧乏芸人の
両方を見た著者が
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※この記事は2024年smart1月号に掲載した記事を再編集したもので、記載した情報もその時点のものです。
この記事を書いた人
東京在住のライター・エディター。『smart』『sweet』『steady.』『InRed』など、ウィメンズ、メンズを問わず様々なファッション誌やファッション関連のwebでライター&編集者として活動中。写真集やスタイルブック、料理本、恋愛心理、インテリア関連、メンタル&ヘルスケアなどの本の編集にも携わる。独身。ネコ好き。得意ジャンルはファッション、ビューティー、インテリア、サブカル、音楽、ペット、料理、お酒、カフェ、旅、暮らし、雑貨など。
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