「バチェラー・ジャパン」シリーズの人気はなぜ?恋愛リアリティ番組で“別格”な魅力を恋愛ライターたちが考察
執筆者: ライター/石野志帆
“人気が別格”な恋リアな理由
競技性、共感性、婚活という普遍性?!
――『バチェラー・ジャパン』シリーズが、数ある恋愛リアリティ番組のなかでも特に人気なのはなぜだと思いますか?
やまとなでし子 やっぱり考察がすごくはかどる仕組みになっていると思うんです。まずは配信開始前にYouTubeで「バチェラーはこの人です」「参加者はこの人です」ってちょっとずつ見せくれますよね。それで「職業はどんな感じ?」とかいろいろネットで盛り上がるじゃないですか。誰がこのレースで勝つのかを予想し合うのが、まるで“競馬”みたいだと思って。配信が始まると「今回参加するのはこの人たちです!」ってバーンっと公開され、物語が進むにつれて「今回の脱落者この人です!」みたいな、ゲーム感がある。
石野 明確に参加者が絞られていきますもんね。
やまとなでし子 競技みたいな感じですよね。「次は、誰が落ちるんだ」っていう考察もしやすい。“落ちる人・受かる人”を見ながら「バチェラーは今、この人に気があるんじゃないか」と注意深く観察したりして。また改めて観直して「あの参加女性は、この場面でこんなことをしてたんだ!」などと、人間性を考察できるという魅力もあります。
ミクニ 恋愛リアリティ番組の数が増えていくなかで、参加者がこんなに多いのはバチェラーだけ。共感性があおられる構造は“ならでは”だと思います。視聴者の多くが参加者について「私、今回この人推してる」って言うじゃないですか。参加者に対して自己投影をしている人がすごく多いんだろうなって。
石野 これだけ人数がいると、どこかのシーンで誰かと自分が重なりますよね。私は感情の爆発みたいのが見えやすいっていうのも面白いと思っています。旅の中でバチェラーに会えるのはデートとカクテルパ―ティーだけで、バチェラーへの“枯渇感”がすごいと聞きました。「(バチェラーと)会えてすごく嬉しい!」っていう参加者のあのリアクションが引き立つ演出っていうのも、リアルさがあって好きです。
ミクニ 恋愛モノに興味がなくてもライトに観始められるところも大きいのかなと思います。
石野 確かに、“婚活”っていうテーマが、ターゲットの視聴者層も広くしている気がしますね。
語り継がれるほどの伝説をつくった
キャラの濃い参加者たち
それぞれの“推し”を振り返る!
――これまでのシーズンを振り返って、好きなシーズンを教えてください。
石野 私は黄皓(こう・こう)さんの『バチェラー・ジャパン』シーズン4ですね。このシーズンからバチェラーと参加者の旅の途中でのキスが始まったりしたじゃないですか。一段踏み込んでくれたおかげで、盛り上がりがさらに増しました。
ミクニ シーズン4、私も好きです!個人的に参加女性の顔面偏差値が高いと感じました。
やまとなでし子 私はやっぱり『バチェラー・ジャパン』シーズン3です。(ファイナルローズがひっくり返った)ラストがとにかくすごいですよね。「(事の顛末を)全てお話します」という最後のスタジオトークも、視聴者はみんな「一体何が起きたの?早く説明して!」みたいな感じだったじゃないですか。あれをリアタイ(リアルタイム)でワイワイしながら観てたときの、心のわくわく感は忘れられないですね!
石野 「こんなふうに覆ることがあるんだ!」っていうあの感じですね!
ミクニ 私はシーズン3では、野原遥さんが去っていくときの美しいお辞儀に泣いちゃいました。あのシーンの野原さんは、女性として美しすぎて……。今まで見てきた恋愛リアリティ番組をはじめ、いろいろな映画やドラマを含めてもかなり忘れられないシーンの一つになっています。
――男女逆転版の『バチェロレッテ・ジャパン』シリーズではいかがですか?
やまとなでし子 『バチェロレッテ・ジャパン』のシーズン1が大好きです!何度噛んでも味がする!
――『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1で好きなシーンはありますか?
やまとなでし子 ツッコミどころが全体的にありすぎて。「傘が本体なんじゃないか」って思うくらいずっと日傘をさしていた美容男子の瀬戸口弘樹さんや、童貞であることを世界に公開したのに初日で落選した楠ダニエルさんとか。参加者1人1人のキャラが濃すぎるから面白過ぎて。そして最後の2人に残ったのが杉ちゃん(杉田陽平さん)と黄皓さんっていう対照的な2人で、最後には2人とも選ばれず、森に帰っていった(笑)。
石野 2人とも選ばれなかったとお互いに知ったシーンは最高でしたね!愛らしくて忘れられない名場面です。
やまとなでし子 「途方もなく萌子さんだった」という杉ちゃんの発言とか、あれは最高に面白い(笑)!
石野 予定調和じゃなくなったところがうまく活きている作品になって、すごくよかったなって思います。
――シーズン終了後もずっと推している人はいらっしゃいますか?
ミクニ 私は『バチェラー・ジャパン』シーズン4の休井美郷さん。シンプルにメンタルが強いところが好きすぎて取材に行きまくっています。取材対象者として接してるはずが、普通に推し活みたいな感じになってます(笑)。
石野 私は『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1の當間ローズさん。性格がすごく素敵ですよね。「もっと観ていたい」って思わせるポジティブなバイブスを感じています。當間さんと出身地が一緒の友達がいるんですが、地元のイベントにも来てくれて、別れ際もバスから丁寧に手を振ってくれたりしてすごく人気みたいです。
ミクニ 私も大好きです!登場シーンでプールからバーンって上がってくるところ、めちゃめちゃ面白かったですよね。最初は面白い感じでネタキャラなかと思いきや、キャラクターは全然ネタじゃなかった!
やまとなでし子 私はやっぱり『バチェラー・ジャパン』シーズン3の(友永)真也さんが一番好きです。本編が配信されたとき、賛否両論があったとは思いますが、その後ずっとご本人のSNSを追っていくと「本当に嘘のないまっすぐな人なんだな」っていうのが伝わってきます。ご結婚されてから何年も絶つのに、(結婚相手の)めぐみさんのことを「かわいい、美人だ」って言っていたり、2人でいつもいろんなところに旅行に行き、エルメスやシャネルのものをプレゼントしたりしていて、“バチェラーらしいバチェラー”を継続してやってくれているのは真也だなって思って。
石野 確かに~!あんな愛され方してみたいですよね。
この記事を書いた人
TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。
Website:https://smartmag.jp/
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