子どもが欲しい男性必見!妊娠前の健康管理「プレコンセプションケア」を徹底解説
執筆者: ライター・エディター/鈴木恵理子
「プレコンセプションケア」とは、「妊娠前の健康管理」を指す言葉。世界保健機関(WHO)や米国疾病管理予防センター(CDC)も推奨しており、日本でも2015年に国立成育医療研究センターで外来が開設されました。まだあまり耳慣れない言葉かもしれませんが、日本の不妊問題が深刻化している今、妊活を意識している人やいつか子どもが欲しいと思っている人は、パートナーがいる、いないに限らず「妊娠前の健康管理」をすることはとても重要です。そこで今回は、男性不妊治療のエキスパートであり、Dクリニック東京にも在籍している医師の辻村晃先生に、男性の「プレコンセプションケア」について詳しく話を聞きました。
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教えてくれたのは……
順天堂大学医学部附属 浦安病院泌尿器科 教授 辻村 晃先生
兵庫医科大学卒業。国立病院機構大阪医療センター勤務後、ニューヨーク大学に留学し細胞生物学臨床研究員を務める。特に生殖医学、性機能障害の治療に注力し、不妊に悩む多くのカップルを助けてきた。明るくユーモアにあふれ、些細なことでも気軽に相談できる。
“プレコンセプションケア”とは
Q1. そもそも「プレコンセプションケア」とは?
A. 妊娠に備えて生活を見直し、健康に気をつける取り組みのこと
「プレコンセプションケア」とは、Pre(前)Conception(受胎)で、「妊娠前の健康管理」のこと。略して「プレコン」ともいわれます。妊活よりも前の段階で行われるケアのことで、国立成育医療研究センターは、日本でのプレコンセプションケアを「前思春期から生殖可能年齢のすべての人々の身体的、心理的、社会的な健康の保持と増進」と定義することを提案しています。目的は若い世代の健康促進と質の高い生活の実現、そして妊娠・出産の可能性を向上させ、次世代の子どもたちの健康を育むこと。
Q2. 女性だけでなく、男性にも必要なの?
A. 男性不妊の増加により男性の「プレコンセプションケア」も重要視されるようになってきた
女性は月経周期があるため、若い頃から自分の体に意識を向ける機会が多いですが、男性が子どもをつくるための体づくりを意識するのは、結婚してからという人が多い傾向があります。かつては女性に対して使われることが多かった言葉でしたが、男性不妊の方が増え、男性のプレコンセプションケアも重視されるようになりました。男性の生殖機能は生活習慣に大きく左右されるので、普段の生活から健康を意識することがプレコンセプションケアの基本となります。
Q3. いつから「プレコンセプションケア」を始めるべき?
A. “子どもがいつか欲しい” なら20代からケアを始めよう
最近は晩婚化が進んでいますが、年齢とともに精液の所見はどんどん悪くなっていきます。また、ブライダルチェック(妊娠に影響がある病気の有無をチェックする目的で行う検査)をしても、4人に1人の精液の所見が悪いというのが今の日本の現状。世界的に見ても、精子がどんどん減っているという報告もあります。このように、精子を取り巻く環境は決していいとはいえないため、プレコンセプションケアは20代のうちから取り組んでも早すぎることはありません。
男性原因の不妊症が世界的に増加傾向に‼
近年、精液の品質が年々低下しているという事実が世界的に認識されています。総精子数などの指標が30~40年間悪化しているのです。そのため、男性原因の不妊症の割合も世界的に増加。世界保健機関(WHO)の1996年の調査によれば、不妊症のうち男性原因が24%、男女両方の原因が24%を占めています。さらに、男性の約20人に1人が男性不妊症であると推定されています。不妊というと女性の問題と考える人が多いかもしれませんが、WHOによれば不妊の約半数は男性側にも原因があるとされています。
辻村 晃先生の著書もCHECK!!
『名医が教える 男性妊活の最強事典』(扶桑社)
男性妊活についての正しい知識を身につけるためにおすすめの一冊。妊活へのギモンやイロハをやさしく解説。男性機能チェックシート付きで、自分の男性機能レベルを知ることができる。
Edit&Text_ERIKO SUZUKI
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この記事を書いた人
11年間の編集プロダクション勤務を経て、2011年よりフリーランスに。雑誌やムック、ウェブなどで、ヘアやビューティページを中心に活動中。暮らしに役立つ実用系やメンズのビューティ記事の経験も豊富。好物は古物や古道具。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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